半分以上の人が「よく分からない」けど、何となく「ま、良いんじゃない?」と言っている。

 

・・・という「世論」に乗っかるように、日本共産党やら立憲民主党やら(必ずしも皇室を敬っているとは思えない人々の集まり)が、女性天皇および「女系天皇」を容認すると言ってます。

 

・・・という報道が続いているんですが、率直に言って、それでも、やっぱり、ワタクシ「女系天皇」は嫌ですね。

 

 

⚫「女系天皇」なんて存在しない

 

というか、そもそも女系(母方の血筋のみで天皇と繋がる、父方の血筋は問わない)では、天皇になれませんから。126代、2000年以上にわたってそうなんですから。

 

たまたま今日を生きているだけの私達が、全く前例のない「女系天皇」という存在を認めるとか認めないとか、それを論じること自体不遜でしょ。愛子内親王に親しみを感じるからと言って「じゃ天皇(女性天皇)に」とか、何なら「そのお子さんも天皇(女系天皇)に」ってハナシではないんです。

 

 

そういう理屈はね、前にも書いたので、

 

※女系天皇と女性天皇「違い理解せず」過半数・・・まさかと思ったけど、ウチの娘達もそうでした(恥)。

https://ameblo.jp/hermitofthemask/entry-12462260483.html

 

ここでは、仮に、仮にですよ。女性天皇を認めた場合の未来予想図を示してみましょうか。

 

 

⚫女性天皇&「女系天皇」の未来予想図

 

(感覚的に分かりやすくするためなので、不敬だとか言わないでくださいね)

 

 

愛子天皇(現内親王)がご結婚されているという前提ですが、その夫君(皇配)は、たとえ氏素性が知れなくても、いわゆる馬の骨でも、新たに皇族となり殿下と呼ばれます。どうでしょう、この段階でも、少々「むむむ」と思いませんか?

 

もちろん、男性皇族と結婚する一般女性も、その日を境に皇族となるわけでして、ソコを男女差別だと言われると返す言葉はありませんけどね。

 

 

では、未来予想図Ⅱに行きましょう。

 

 

いわゆる「女系天皇」をも認めるとすると、愛子天皇と皇配殿下との間に生まれた子が(男性であれ女性であれ)そのまま天皇になりますね。

 

「女系天皇」とは、すなわち、父方の出自を全く問わないということですから。

 

 

今、何となく「女系天皇も良いんじゃない?」とか思っちゃっている人達は、ここのところ、よ〜く考えていらっしゃるんでしょうか? 天皇の父親(つまり、ここで言う愛子上皇の夫君=太皇配?皇太配?)には、一体どういう人物を想定していらっしゃるんでしょう?

 

というか、ワタクシなんぞは、天皇の夫となる、あるいは天皇の父となる、そんな重責に耐えられる(一般の!)オトコが、この世の中に存在するとは思えないんですけれどもねえ。

 

いや、もちろん、ここでも、皇嗣男性と結婚される女性についても同じだろ、と突っ込まれれば返す言葉はありませんけどね。ただ、それについては、一応「これまではいた」と返しておきます。

 

 

ともあれ、そんなわけで、一人でも多くの人が「何となく」で終わらせずに、ちょっとでも想像力を働かせれば、時の「世論」なんて、そのうちに変わっていくだろうと、そこら辺は、ワタクシ楽観しております。


 

⚫(一部)政党のおためごかし

 

それにしても許せないのは、(一部の)政治家と(多くの)メディア人ですよ。分かってない人が多いなら、分かるように説明するのが仕事でしょうに。それをせず「世論」に乗っかるだけっていうのは、まあ、色々勘ぐられても仕方ないですね。

 

 

共産党の志位和夫委員長は「女性・女系天皇について」こんなことを言ってます。

 

 皇室の内部での男女平等という見地からこの問題に接近すると、「もともと世襲という平等原則の枠外にある天皇の制度のなかに、男女平等の原則を持ち込むこと自体がおかしい」という批判も生まれるでしょう。

 

 私は、そういう接近でなく、国民のなかでの両性の平等、ジェンダー平等の発展という角度から接近することが重要ではないかと考えています。「日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」の地位にある天皇を男性に限定しているという現状をただすことは、国民のなかでの両性の平等、ジェンダー平等を発展させるうえでも意義ある改革になるのではないかと、考えるものです。

 

※しんぶん赤旗電子版:天皇の制度と日本共産党の立場

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-04/2019060401_01_0.html

 

 

いやはや、分かりやすく説明するどころか、「人民民主共和制」と辻褄を合わせるためだか何なんだか、やたら話を難しくして煙に巻こうとしているのがアリアリと伝わってきますね。

 

ま、共産党の場合、現状国民世論が「天皇の制度」を良しとしているから、まあ(仕方なく)そういうことにしてるだけ、でしょうからね。

 

 

一方、立憲民主党の、例の報告書にはこんな文言があります。

 

なお、前述のとおり、男系男子での血統を維持しようとする観点から、昭和22年に皇籍を離れた旧皇族の男系男子子孫に新たに皇籍を付与し、皇位継承へ とつなげるという見解が一部あるが、以下の理由から採用には困難な問題がある。

 

① そもそも、男系男子維持は天皇・皇族男子が必ず継嗣として男子に恵まれる ことを前提としなければ成り立たない制度であり、仮にさしあたり誰かが皇籍取得しても、男子の誕生という偶発的事情に依存する状態が変わらない以 上、そもそも安定的な皇位継承は望めず解決にならない。

 

② 旧皇族は既に70年以上一般国民として暮らし、その子孫も一般国民として生まれ育ち、今上天皇との共通の祖先は約600年前までさかのぼる遠い血筋である。そういった旧皇族の誰かが突然皇籍取得して国民の前に現れても、 国民からの自然な理解と支持、それに基づく敬愛を得ることは難しい。とりわけ、現代社会においては、情報流通の速度や範囲拡大が急速に進み、国民一人ひとりが情報取得・発信における主体性を高めている。こうした社会の 変化をも背景にしつつ今後も皇位継承者が多くの国民から自然な理解と支 持を得るためには、幼少の頃から皇室に生まれ育ち、国民も予測可能性をもってその成長を見守ってきたという事実が極めて重要となっていると考え られる点にも留意すべきである。

 

③ 一般国民の皇籍取得については、現在でも皇族と結婚した女性に限られてお り、歴史的にも極めて異例である。国民と皇族の身分を明確に区別するということは皇室制度の混乱を避けるための伝統であり、実際、旧宮家系男性の 皇籍取得を探る場合でも、当事者の意思への依存・その資質を見極める基準 や主体・取得後の国民の反応と影響など、実現可能性自体への疑問とともに 様々な混乱が予想される

 

「象徴天皇制の未来のために〜安定的な皇位継承を確保するための論点整理〜」

(p13〜p15 下記からpdf資料ダウンロードできます)

 

※【常任幹事会】安定的な皇位継承を考える会から論点整理の報告

https://cdp-japan.jp/news/20190611_1796

 

 

はっはっは。出来ない(やらない)理由はいくらでも出せるよ、の典型ですね。本当は認めたくない(やりたくない)だけなんだけど、そうは言えませんものね。

 

 

せっかくなんで、ちょいと茶々入れときましょうか。

 

①そういう言い方が許されるなら、そもそも世襲というのは必ず子宝に恵まれることを前提としなければ成り立たない制度でして、男子の誕生が(1/2の)偶発的事情であるのと同様、男女問わず子供の誕生自体(1か0かの)偶発的事情という気が・・・

 

②これはね、まるっと女性天皇の皇配となる人、あるいは「女系天皇」の父となる人にこそ当てはまる話でしょう。むしろ「(父方を)600年前まで遡れば天皇に繋がる」ことが大切なんであってですね。「(父方を)1代遡るだけで、もう天皇と切れている」人との比較で、天皇として、どちらがより受け入れやすいかというと、ワタクシは断然、前者ですね。

 

③いやだから、旧皇族は一般国民じゃないから。ほんの70数年前まで皇族だったわけだから。ついでに言うと、被占領下の「外圧(内圧?)」でもって一度に多数の皇族が皇籍離脱させられたことこそが、歴史的に極めて異例なんですのよ。

 

 

うん、まあ、立憲民主党にしてもね、あの人やその人の発言を鑑みるに、「世論」が皇室を慕っているからそれに合わせているというだけで、アナタ達自身は、本当のところ、ちっとも敬っていないんですよね、というのが行間ににじみ出ている報告書ではあります。

 

 

⚫本来、理屈じゃない。たぶん。

 

ふぅ〜。

 

 

ま、そんなわけで、今回、非常に非論理的な記事だなあと自分でも思いますが、けれども、天皇とか、皇室とか、何なら「国体」とか、そういのは本来理屈じゃないので。

 

そういう理屈じゃない方面の話をしている時に、合理性だの現代の価値観だの持ち出してくるっていうのは、それだけで胡散臭いなあというのが正直なところです。

 

 

今現在、天皇皇后両陛下、愛子内親王殿下は、多くの人々に親しまれ敬われていますが、それこそ、内親王殿下が氏素性の知れない男性とご結婚するとか、その男性との間に生まれた子が天皇になるとか、そういう話になった時、同じ人々がそれを普通に祝福するかと言うと、そこはちょっと、悲観的にならざるを得ません。メディアは猛烈バッシングするでしょうし。

 

そうなった時、共産党やら立憲民主党やらは、一体どうするつもりなんでしょう。実際「世論に従って」天皇および皇室の廃絶に向けて動き出すかもしれませんよね。

 

 

ちなみに、上記、立憲民主党の論点整理は、

 

あわせて、皇位継承の新たな方策としての生前退位については、現在「先例となりうる」も一代限りの特例法として整備されている。しかし、将来にわたり天皇が象徴としてその時代時代の国民の期待に応えるためには、退位は恒久的な制度として法制化すべきであり、その法整備に関する議論も活性化させるべきことを付言する。

 

とか言って締めてます。

 

 

はあ、いや、その、ワタクシ個人的には「天皇が象徴としてその時代時代の国民の期待に応える」必要はないと思ってるんで。まして、それが譲位とか「女系継承」とかに係るというのなら、国民に「見えるお務め」は省いていただいて構いませんよと言いたいくらいです。アイドルじゃないんですから。

 

もちろん、アチラコチラへとお出ましくださる方が嬉しいですけれども、それよりも大切なのは、ただひたすらに皇統を継いでいっていただくことですから。

 

・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

 

余談ながら、上皇ご夫妻のご動静がアレコレと報道されるのは、あまり好ましいことではないとワタクシ思います。こんな調子では、いつかは訪れるその日には、一体どうなることかと心配です。攘夷された意味がないじゃないですか。そりゃ、ま、(第一義的には)悪いのはメディアなんでしょうけど。

 

 

その辺りについて、旧宅で書いたものです。もし宜しければ、ご参考までに。

 

※#299 平成から令和へ・・・御代替わりの宿題

https://blog.goo.ne.jp/kawai_yoshinori/e/accadbb336d78ae17cdd0cac82e1219e