大嶋信頼 新刊『あなたの才能があなたを苦しめる』 | hermioneのブログ  かるやかな意識のグリッド(の風)にのる

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バシャーリアン。読むことで意識が変わるようなファンタジーや物語に出会ってゆきたい。

すばる舎です。つまり一番大嶋イズムの芯にある出版社さんで、ある意味、上級教科書かな、という感じ。

 

嫉妬という感情を中心に人間は動き、「破壊的人格」になったり、心にもない「うそ」をしゃべってしまったり————というのが大嶋理論の中核ですが、この「嫉妬」というのが実にやっかいなもので、

 

・相手が自分より下(年齢、立場)なのに

・自分よりいい目に合ったり、

・性格が「高潔」だったり

 

 (かつおとなしく謙遜)していると、脳内で本人も気づかないうちに「嫉妬」が発動し、それがミラーニューロンで相手を掻き乱し、なぜか不快な気分にさせたり、自分でもそのつもりでないのに相手に嫌みを言ったり無視をしたり、します・・・・・・

 

⭐️これは、大嶋理論を知る前は、まったく見えなかった暗在系の心理のニューロンの動き。

 

 ふつうは自分がどこか悪いから攻撃されるんだ、というふうに考えてしまうのですが、それは実は「想像力を豊かにして、相手の嫉妬なのだ」と気を回すことで、抜けられます。

 才能が、嫉妬されて、あなたを苦しめているのです。

 

今回その「対処」方法でユニークだったのは、

 

①「通じ合えない喜び」「孤独」に目をむければ、それが「絶縁体」となって、相手からの嫉妬の波動をシャットアウト。(「自分の孤独」に意識を向ける。相手の顔色を見ない)

 

②「悲観的な思考状態」になっているときは、相手の嫉妬の発作を浴びているので、「豊かな金持ちになった自分」と唱え、浮かんできた自分を観察する。嫉妬を向けられるときは、「自分は(何か不足があったり、何もないとか)不利」という発作状態相手からはそうは見えずに逆)になっているから。

 

③自分には嫉妬されるような立派なものはない、と謙遜(カマトト とも書いてありました)ぶるのをやめ、(自分が弱者になってしまうから)、相手の姿をイメージし、「宇宙空間のような何も無い無の世界につれてゆく(飛ばしてしまう))」。

 

 すると、学会の場でそれまで無視をしていた先生が、はっと、大嶋先生に注意を向けてくれたそうです。相手が発作を起こしていたのは「孤独」からくる嫉妬が原因だったから。

 

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 最後のほうは「嘘」の効用です。嘘をついてはいけない、と自分に潔癖な人は、けっきょく自己免疫が暴走して、アレルギーなどを起こしてしまいます。「雑菌に対しておうような」自然生活のアーミッシュの人たちには花粉症などがない、という話から、あの「花粉症を許します」「PM2.5を許します」「ロイテリ菌を受容します」(オキシトシンが増える)の一連の呪文が出てきます。この「許す」ことで、腸内細菌をゆったり増やせるようです。

 

 このへんも上級編かなあ。(ブログでついていっている人には、「嘘」を許せない人の問題がよくわかるのですが。)

 

 昔、クライアントさんに呪文を教えてください、といわれて、そんなものあるか、専門医の薬を飲め、と思っていた大嶋先生が、いまは遺伝子コードをつぎつぎ繰り出し、成果をあげている、というくだりが感動的です。

 

 ラストは講演会についていた質問Q&Aで、すでにすばる舎サイトでは去年の夏くらいから公開されていました。みんなへんてこな質問をし、先生はひとひねりした回答を「自分はワトソンだ」とことわって、出しています。嫉妬理論がメイン・・・・・・ですが、ほんとうに人間は愛や親切とはまた別のルートで、生物として孤独やら嫉妬やらの地下ルートを本能的に這い回るのだなと、感じ入ります。

 

※すばる舎 2020.8.7刊