巫女舞の子

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 地元の神社で巫女舞をしてたことが
 あるけれど、韓国に留学して
 神道儀式に対して痛烈な批判を
 受けたという若い20代の子と
 話す機会がありました。

 雅楽が好きだけど、雅楽を悪く言われて
 その理由が実は自分もわからなくはなくて
 引き裂かれて苦しかったと。

 皆さまは雅楽の一種である神楽「浦安の舞」
 をご存知でしょうか。

 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/浦安の舞

 歴史的コンテクストを無視して
 この舞を平和の舞だと無邪気に言うと即刻
 痛烈な批判が返ってくる国際情勢というのが
 やはり日本の外にはあります。

 突き詰めると
 この舞だけが問題というわけではなく
 大きく言えば日の丸君が代問題と同根の問題が
 日本の伝統文化にはあること、
 この頃は「進歩派」「左派」が完全に
 死語になったため、世論は不思議な健忘症に
 なっている印象。

 なんであろうと
 国内では文化財とか芸術になったから
 戦後も生き延びたという発想でしょうが、
 海外(特にアジア圏や日本の近代史を
 知る人々)は容赦ない。

 自分は忘れてても相手は忘れてない問題。

 今までの雅楽の海外での紹介は
 そういう近代史のポレミックを
 あまりにもネグりすぎ。
 そういうことをすると
 害もない代わりに
 結局まともに相手にもされない
 珍しい癒しのユルフワ民族音楽鑑賞の楽しみの
 域を出ない危険と常に隣り合わせ。

 もちろん日本を好意的に見てくれる外国人も
 いっぱいいるでしょうが、アジア諸国の
 「反日寄り」の歴史認識は
 若い人々に教育を通して深く根付いています
 (うちの娘〜 グローバルスタンダードの
 観点から、日本の侵略戦争の罪を責めてきます😅
 お母さんは「もう80年ごめんなさいって言ってる」
 というのが関の山だよ😅
 アメリカのバイアスが世界の常識なうちは
 仕方ない。)

 その若い子の考えはむしろ
 韓国側の批判は正当であって、日本の近代が
 アジア諸国に対して行った非道の歴史を
 踏まえた上で、自分は日本の伝統文化の良さを
 伝えたいというものだった。

 そういうバランス感覚が
 今の若い子にあることは小さな希望。
 単なる無知無視や上から目線や
 自閉的な嫌中嫌韓ではなく
 アジア諸国の人たちに
 理性的なディベートでしたたかに
 しっかり日本人が譲れない立場を
 伝えて欲しい。

 戦後補償と安全保障の体制が
 大きく書き換わりつつある今、私自身も
 軸足を改めてしっかり定めたいと思いました。