以前
 日本の小学校の教科書に載っていた 
 話に文句言いましたが、

 このごろの日本の教科書、悪いんだけど
 手放しでいいと思える話が
 本当に少ない。きっと日本社会に疎い
 私がおかしいんでしょうけれど😑

 今日は逆にいいなと思う話。
 娘が食卓で一生懸命話してくれて
 正式タイトルのレフェランスまで辿り着くの
 大変だったけどw
 こっちの小学校の先生の教材だと知りました。
 (スイスの場合、教材選択の裁量は教師に一任されて
 いるので、指定教科書はありません。)

 娘には「お母さんはこの話が好きだし
 いいと思う」って伝えたよ。


「あなたのクラブのメンバーになれますか」ってタイトル


この本。

 
あらすじ



要約すると、あひるさんは自分より強いカテゴリーの

動物(ゾウ、ライオン、蛇)のクラブに入れてくださいって三つ指ついてお願いしていくわけですが、「あなたは入会条件満たしてません」と具体的に不適格理由を告げられディスられて門前払いされるんですね。

そこであひるさんは自分のクラブを立ち上げることに決めて。そこに入りたいと言ってきたいろんな動物を入れてあげるんですが。


その時に、あひるさんが偉いのは

自分が強い動物に受けた排除の意地悪を

弱い者に決しては

連鎖させないってこと。


あひるさんは入会希望のみんなを

自分のクラブに入れてあげて

しまいには当初自分をdisってきた動物たちも

あひるさんの

楽しいクラブに入ったってオチです。


こういう話ってやっぱり市民社会や社会契約という近代の枠組みがしっかり浸透している西洋の成熟を感じさせる話だと思う。


まさに歓待の掟。


今、巷で

他者との共存とかダイバーシティとかいうでしょう?


あれ別に「みんな違ってみんないい」ってだけじゃないからw 


アイデンティティをめぐる問いには闘争や衝突がつきものであることを骨の髄から理解しているヨーロッパ社会では、子供の頃から、共存の不可能も前提としつつ共同体の作法(あくまで作法です)を学ぶんだと思う。


色々な宗教、文化、人種の人々が狭いところに暮らす場所ですし、国という枠組みが間違っても血統などには微塵も結び付けられていない場所なので


小学校教育からそういう学びは始まってるんですね。