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裏街道を往く

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  毎朝早朝1時間半ほどのジョッギングを始めて、半年が過ぎた。そもそも南アルプスに仙丈ヶ岳(3033m)に登るため、体力づくりとして始めたのだが、台風の接近で、登山は中止せざるを得なくなった。だがジョッギングは継続したおかげで、体力もつき、体重も6kgも減り、健診では、肝機能の数値がかなり改善したし(酒もほとんど飲まなくなったこともあるが)、医師からも褒められた。しかし、この日課により、体の健康が良くなったことよりも、メンタルが強くなったことをより強く訴えたい。僕は一人暮らしなので、心臓発作や脳卒中などで倒れる不安が以前は強く、時々その不安に襲われた。しかし、今は襲われることもなくなった。全くその可能性が絶対にないとはいえないものの、これだけ、毎日続けているのだから、万が一不意に倒れることがあっても仕方がない、いわば天に運を任せる心の余裕ができたのだ。

 

 

 

                     先月の京都旅行 北野天満宮

 

 

この厳しい寒さの中、ジョッギングを続けられたのには大きな理由もある。それは日の出前の朝焼けの美しさだ。毎朝、オレンジを基調とする色調が異なり、色の混ざり具合、グラデーションの微妙な変化に心が洗われるのだ。暁方は空気も澄んで、可能性に満ち満ちている、と心から感じる。そして、こうして生きている(いや、生かされている)だけで幸福と感じる。高齢者の仲間入りをしてから、あまり喜ばしいことはない。正月にある知人にLineで新年の挨拶を送ったところ、返信が来ない。不安に思っていたら、姪御さんから、ガンで年末に亡くなったと御連絡をいただいた。二十代後半の頃、一緒に西洋古典語の授業を受けた女性で、頭の回転が早く、割とずばずば言う気質の持ち主だったが、いたずらっぽい笑顔は何とも可愛かった。近年は、一緒に墓参りにいくばかりとなっていたが、とうとう先に旅立ってしまった。悲しいと言うより、空虚感に襲われた。

 

 

 

           大津 三井(みい)寺 衆宝観音 立膝がユニークな観音様

 

 

もう、この齢になると、平凡な一日を過ごせること自体が幸せなのだ。好天の日に、季節の花や鳥などを眺めて、何事もなく静かに暮らせるだけで良いと思う。かつて若い頃は、齢をとれば、気持ちも落ち着き、あれこれ悩むことはなく、身体の不調を嘆くぐらいと思っていた。しかし、実際に齢を重ねても、まったく精神的に成長しなかった。おそらく、僕はこれまでずっと独身でいたため、何の思い責任も背負うことがなかったため、「大人」になれなかったのだろう。僕は無能力者で、自慢できることは何もない。唯一普通の人に負けないのは、知的好奇心だろうか。今、僕は、毎月一回の旅行に出かけることを一番の楽しみとしていて、それを今後最低十年は続けられるように生活設計をしている。誰にも気兼ねすることなく、自由にどこへでも出かけられるのは、こうして独身でいることの最大のメリットかもしれない。問題は、死が訪れる時だ。何とか後始末をして、甥や姪にも多大な迷惑をかけず、死にたいものだ。僕は断捨離が出来ない性質なので、やはりそのための処理資金を用意しておくしかない。難題が待ちうけていると思うと恐ろしい。でも悲観的に考えるのはよそう、きりがないからだ。自分のような性格にもできるような範囲の備えをして、無理はせず、天にまかせる、これしかないだろう。

 

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米国とイスラエルがイランを攻撃した。今回の攻撃がハメネイ師を殺害し、体制転換を第一の意図としていたのは明らかだ。核保有協議が行き詰まり、攻撃に踏み切ったわけではない。もうかなり以前から計画を練っていたに相違ない。読売新聞のオンラインニュースによると、今回の攻撃で、女子小学校で148人が死亡したという。僕が購読している読売新聞朝刊では、「ハメネイ師死亡」(これも殺害とすべきだ)が大きな見出しになっていたが、今回の攻撃の残忍さを伝えるためにも、相当な数の女子児童が犠牲になったことも見出しにすべきだった。

 

読売新聞は、「トランプ氏 国際法軽視」との見出しを出していたが、「軽視」ではない「蹂躙」だ。英独仏首脳は、共同声明を発表し、攻撃への関与を否定しつつ、外交的解決を訴えている。ロシアがウクライナに侵攻した際は激しく非難したのに、NATOの同盟国が国際法を踏みにじっても、容認する始末。今回の事態は、ますます国連の存在意義を失わせるものであろう。日本の外相も「イランによる核兵器開発は決して許されない」と声明を出しているが、田中浩一郎慶大教授によると、「(イランの)核兵器開発」と主張しているのは、米国であって、国連はそう認定していないとのことで、外相が踏み込んだ発言をしたことを懸念している。いずれにせよ、日本政府は、米国政権に事実上追従していると考えてよいだろう。羽鳥慎一モーニングショーで知ったことだが、かつて日本は、中東問題に関しては中立外交を行って一定の評価を受けていたという。ところが、近年、その姿勢が崩れてきて、米国寄りになってしまったそうだ。今月中旬の高市首相訪米で、Tにとんでもない「約束」をしてしまうことに大きな懸念を抱いている。台湾有事をめぐる国会答弁で「存立危機事態になりうる」との発言、円安ホクホク発言など、どう考えても国を代表する総理に必須な慎重さが全く欠如しているからだ。もうやめよう。僕のような無用かつ無能な人間が何をいっても始まらないから。

 

 

 

 

京都 鹿ヶ谷にある法然院 僕のお気に入りのお寺