我が家は、何十年と一度も乗り換えることなくY新聞を購読している。新聞配達店からみれば、いい顧客であろう。しかし、新聞の内容に満足しているから、購読を継続しているわけではない。他紙を読んでいるわけではないので、比較はできないが、政治、経済分野に関しては、ひどく不満というより、体たらく、極めて愚か、ばかげているといった感想を抱いていると言った方が正確である。今回、急遽投稿する気になったのも僕にとってはひどすぎる記事を、二日連続目にしているからだ。昨日は、某大学(非常に「遺憾な」ことに我が母校)先端社会科学研究所なるところと共同して、世論調査の結果を公表していた。第一面の主見出しが「首相 外交面の評価高く」、副見出しが「「内閣仕事ぶり」最高」である。明らかに、T首相を援護射撃しているとしか思えない。二面全面にわたる詳細な記事でも、「首相の外交 保守層支持」「政党の好感度 自民独走」と、いかにもあの安倍政権をよいしょしていたY新聞らしい見出しが躍っている。こういう見出しに接すると、日々のニュースに関心をもって接していない人は、T首相は、外交が評価されているのだと思ってしまうだろう。米国のTに屈従としか見えない態度を示し、中国に対しては「存立危機」発言をして、最大の貿易相手国であり、少なくとも表向きは友好関係を保つべき国なのに現在、最悪な関係にある。どこが外交面で評価されるのであろうか?世論調査の回答がそうであったとしたら、質問の仕方に問題があったと検証すべきであろう。現在、新聞の購読者数がかなり減っているようだ。このような記事を載せていたら、ますますリテラシーの高い読者を失うに違いない。
僕がどうしても投稿せずにはすまないと思ったのは、今日の第一面の主記事である。主見出しが「トランプ氏 異例の公約」、副見出しが「勝利なら 大人1人77万円」。そして、その裏面(第二面)に載るのが「NY原油 100ドル突破」「米イラン戦争 長期化懸念」のより短い記事である。朝刊の紙面構成を決定する最終責任者はいったい何を考えているのか。開いた口がふさがらない、とはこのことだ。僕はいわゆる専門家でもなんでもないが、どちらのニュースが重要かは、はっきり分かる。第一面の記事は、中間選挙を控える米国民にとっては確かに大ニュースかもしれないが、物価高、インフレに苦しむ日本国民にとっては、第二面の原油価格高騰のニュースの方がはるかに重大な記事だ。この原油高と関連して、現在、米国財務長官が重要な発言を連日行っている、それは、このところ米国の長期(国債10年)金利が4.971と急上昇しており、財政危機をきわめて憂慮しているためだ。米国の危機は、世界の危機でもあり、勿論、日本の危機も誘発することは言うまでもない。そうでなくとも、日本自体、財政危機の段階に陥っている(日本の長期金利が先日3%を超えたことは御存知であろう)。伝えるべき順位を取り違えるなんて、何という愚かさ、蒙昧さ。日本を代表する新聞がこんなざまなのだ。大手メディアが衰退しているのは当然と言えば当然なのだろう。最近は、熊本日日新聞が陸上自衛隊による個人情報収集、思想調査をスクープするなど地方新聞の方が健闘している。
民主主義にとって、報道の役割は極めて重要だ。今の日本には、目に見えぬ分断が進行している。21世紀は分断、破滅の時代なのだろうか。僕のような老齢、無知、無能の者がこうして発信せざるを得ないなんて。
おまけ1
ICC所長制裁に関する動きはどうなっているのだろうと思っていたら、毎日新聞Web版(9月10日)が次のような記事を載せていた。地方議会が国に意見書提出といった報道、貴重である。メディア不信に陥っている僕にとっては、批判ばかりしてはいけない、といくらかほっとさせる記事だ。
米のICC制裁「毅然と対応を」 京都・福知山市議会が国に意見書
京都府福知山市議会は10日、国際刑事裁判所(ICC)の裁判官らに対する米国の制裁がICCの独立性を脅かすなどとして、日本政府・国会に対し「毅然(きぜん)と対応することを求める意見書」を11対10の賛成多数で採択した。
意見書は、ICCの赤根智子所長らが制裁対象になっていることについて「法の支配に基づく国際秩序を揺るがしかねない」などと懸念を示し、「重大な国際犯罪について、誰であっても法の下で責任を問われるという原則を維持することは、将来の紛争や人権侵害を抑止し、被害者救済を図るうえでも重要だ」と指摘した。
「米国との同盟関係重視」を前提にしたうえで、意見書は、米国のICC裁判官らへの制裁措置に毅然とした立場を示す▽米国に制裁の撤回・停止を求め、ICCの活動を尊重するよう働きかける▽赤根所長ら制裁対象者に必要な外交的支援を行う――ことなどを日本政府に求めた。
市議会事務局によると、意見書に賛成した会派は、蒼士会、公明党、共産党、対話の時代。【庭田学】
おまけ2
たいした資産ではないのですが、ドル資産が3分の1を占める僕にとっては、急激な円高を懸念しています(緩やかな傾向であれば好ましいことと受け入れます)。為替変動に関して、最も信頼を置いているのが佐々木融氏で、円中心の見方でなく、いろいろと目配りされているのがその理由です。でも一番素晴らしいと思うのは、そのお人柄で、その笑顔をみると安心感がわきます。

