米国とイスラエルがイランを攻撃し、最高指導者ハメネイ師を殺害した。今回の攻撃は、中東地域の地政学的リスクに留まらず、世界平和を混乱させる破壊的行為であり、世界経済を危機に陥れるものだ。Tは「イランの核兵器開発を阻止するため」と正当性を主張したが、全くの口実に過ぎない。僕が知り得た限りでは、「なぜこの時期にイランを攻撃したか」に説得力のある原因を明らかにした報道や専門家の見解はなかった。今回の攻撃の動機を解く鍵は、イスラエルと米国が緊密に連携して行なって、「成果」を挙げた点にあると僕は考える。大規模な作戦を実行するには、その相応の準備に相当な時間を要することは軍事問題の素人にだって見当はつく。つまり、遅くとも昨年末には、ある程度作戦開始ができる段階に入っていたと考えていいだろう。イランとの交渉が行き詰まったから、との報道もあったが、イラン側に交渉を継続する意思はあったし、攻撃を開始する時間は非常に短かった。僕は、昨年末からイラン国内で、極度なインフレによる政府に対する抗議デモが拡大し、反米強硬姿勢を崩さない現体制が危機感を強めていたことが最大の要因と考えている。おそらくイスラエル(イラン現体制は国家存立の脅威である)のNが、現体制がぐらついている今こそ千載一遇のチャンスとTに強く迫り、内政で手詰りしている(*)Tもそれに乗ったに違いない。Tは、言動も政策もコロコロ変わり、一貫した強い政治理念どころか信念すらない(確か、かつてはノーベル平和賞受賞を狙っていたのではなかったか)。唯一一貫していることがあるとすれば、正反対の矛盾する言動を平然と臆面もなく行う強気の姿勢だけだ。このような暴君が世界の頂点に君臨し、命運を握っているのは甚だ恐ろしいことだ。今や、戦争は決して起こしてはならないのだ。もっと恐るべき事態を引き起こす脅威である気候変動に世界中の国々が一致協力して対処しなくてはならないというのに。
*国際政治学者の竹森俊平氏が、読売新聞朝刊(3月9日)で、今回の軍事作戦に踏み切ったトランプ政権が抱える内政上の背景について解説している。御一読をお勧めします。
誰もが、平和を望むと口にするが、中東地域に関しては問題が複雑であることは、欧州各国の対応からも伺えよう。日米安保同盟を結んでいる日本の現政権が、今回の攻撃に対して明確な態度はとっていないが、事実上の容認であることは次の発言からも目に見えている。「イランの核開発は決して許されない」と。しかし、この発言は、Tの言い分に過ぎず、国連機関の認定を受けたものではなく、一歩踏み込んだものだ。かつて、日本は中東問題に中立姿勢を保ち、一定の評価を受けた。イランとのこれまでの関係も決して悪くはない。今回の事態で、現政権が米国寄りに傾斜することを僕はひどく懸念している。
今回の攻撃でイランの死者は1000人を越したと報道されている。その中には、女子児童が100人ほど(おそらくもっと多くか?)
もいる。戦争が起こると、必ず多くの民間人(特に子供)が犠牲になる。自国にある日当然爆弾が投下されることを想像してほしい。誰でも絶対に許せないだろう。僕は、無知無能の無用者だが、戦争は絶対に起こしてはならない、ということだけは確かだと断言できる。
今回の米国の暴挙・愚挙を喜んでいるのは、露のPだ。あまり報じられていないが、読売新聞朝刊(3月6日)に、「露、欧州(天然)ガス供給停止検討」の見出しが記事面にあった。明らかにウクライナを支援する欧州各国(露の天然ガスに依存)に揺さぶりをかけている。ウクライナはますます苦境に立たされている。
イランとの戦争状態の長期化で日本にもひどい物価上昇が懸念されるが、経済状況だけでなく広く国際情勢にも目を向けてほしい。僕は投資を始めてから、国際ニュースを視る習慣ができたことで、投資を行なってつくづく良かったと思っている。世界のあちこちで悲惨な状況が人々を苦しめている。そうした現実を知ることも、平和の大切さを想い、安定した暮らしが送れることのありがたさをしみじみと感じられるのだ。自国や自分の生活圏のことばかり考えていては、平和の貴重さを理解出来ない。広く世界に目を向けることも、真の平和を願う気持ちを育む第一歩だと僕は考えている。



