昨日、日経平均株価が5万円の大台を超えました。喜ばしいニュースではありますが、喜んでばかりはいられません。円安のため、海外投資家が、日本株を割安と考え、投資しているのも大きな要因ではないか、と思わざるを得ません。また、中国市場が思わしくないので、投資資金が日本市場に流入しているという指摘も耳にしています。いずれにしても、株価が上昇するのは、概ね円安の場合なのではないでしょうか。
円安を言い換えれば、円が弱くなった、円の価値が下がったということです。現在、円は、主要な通貨の中で、最も弱いと報じられたりもしてします。しかし、このことを危機感をもって伝えようとする識者は、僕の知る限り少ないように思います。円が弱いということは「不都合な真実」なのではないでしょうか。
先日、羽鳥慎一のモーニングショーを視ていたら、レギュラーコメンテーターの玉川徹氏(ちょっとegocentricなところがあり、クセのある方ですが、理系頭脳の持ち主で、データ分析は極めて的確で、示唆に富む発言をなさる方と僕は考えています)が、「今、原油価格は、ロシアのウクライナ侵攻時の半分なのに、日本では、ガソリン価格などは高止まりしている。この原因は円安であり、物価高を抑えるには、円安を食い止めるしかない」といった趣旨の発言をしていました。僕は、この発言に全く同意です。毎朝、経済情報番組モーサテを視ているのですが、玉川氏と同様な発言をするコメンテーターが意外に少ないように思います。政府は物価高対策というと、給付金や電気・ガス料金補助を約束するばかりで、この根本的な原因に対する具体的対策をたてる様子はありません。円安が続く限り、インフレがひどくなることは明らかでしょう。僕は、ドル資産がある程度あるので、当分は今のインフレをひどく恐れてはいませんが(今のインフレ状況では、円資産しか持たない人は、資産が実質上減少することを絶対理解すべきです)、長期的には、恐ろしい事態(例えば、日本国債の格下げによるハイパーインフレなど)が起こることを懸念しています。
今年の4月、米国のトリプル安(ドル安、債券安、株価安)が起こって以来、それまで米国投資に一辺倒だった僕も、ドルの信認低下を受けて、ゴールドやヨーロッパ株への投資を始めました。いわゆる王道の分散投資を行うことにしたのです。含み損だった米国の債券ETFもすべて売却しました。特に、長期国債ETFは、かなりの含み損になっていたので思い切って売却して、すっきりしました。本来は、米国の利下げにより、債券価格が上昇することを期待して購入したのですが、一向に上がり下がりを繰り返すばかりで、低調のままです(利下げが始まった現在でもそうです)。債券価格も、株価と同じように、全く理屈通りにはいかないもの、先は見通せないもの、とよくわかりました。債券ETF投資は失敗に終わりましたが、投資するうえで大事なことを学びました。すなわち、未来のことは、どんなに優れたプロでも予測不能なのだから、どちらにころんでも、損失は最小限に留める、そして良質の投資信託やETFに長期分散投資するならば、ほぼその恩恵に与れるということです。それから、長期的な資産運用計画や規律(マイルール)を立てて、短期的な大もうけを狙わず、10年以上の先を見据えた投資行動を取るということです。今、投資を始めて一年も立たない初心者なのに、現在好調なFangプラスに投資する人がふえていますが、僕は賛成できません。たとえ、ビギナーズラックでうまく行っても、さらに欲が出てさらにリスクの大きい投資に走ることがありえるからです。まずは、一、二年は、市場の流れ、株価の動きといったものをじっくり理解観察するほうが、長期的には成功すると考えます。若者の間で、タイパが重視されていますが、株の運用では、そうした考え方は通用しないし、失敗に終わるものと思います。