昨日の朝ドラ「ブギウギ」。弟の戦死の報を受けて歌うことができなくなっていたヒロイン、スズ子が、作曲家の羽鳥が戦死したスズ子の弟のために作った曲を、久しぶりのステージで歌い上げるシーンに圧倒されました。
「大空の弟」という曲は、長い間譜面が所在不明だったそうですが、数年前に服部家から見つかったそうです。羽鳥のモデルとなった「服部良一さんが「村雨まさを」というペンネームで作詞・作曲を手がけ、笠置さんが歌った数少ない軍歌の1つ」だそうです(以下のリンク記事から引用)。
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物語は、太平洋戦争に入る前の日本。弟さんは出征して、戦死の知らせが届いたあとに太平洋戦争の開戦。太平洋戦争の前から、日本は中国と戦争してたんですよねぇ。あまり描かれることがないけれど、そのときに徴兵され、戦死している方もけっこういたんでしょう。
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朝ドラでは第二次世界大戦・太平洋戦争のあたりが描かれることが多いけれど、その表現の仕方は作品によってかなり違います。最近では「エール」で、直接的に戦地での戦闘シーンや登場人物の戦死のシーンが描かれていたのが印象的でした。あとは、東京大空襲など、市街地への激しい空襲のシーンが描かれることも多いです。
逆に、そういう戦争を想起させるシーンを直接描かない作品もあります。今回、「ブギウギ」では戦地での六郎の様子は、スズ子たちへ送られてきたハガキでしかわからず、戦死した場所も状況もわからない。ほんとうに死んでしまったことすら信じられない。ドラマ見ながら、「いや、実は生きてるんじゃ…」って思ってたんですが、実際に笠木シズ子さんの弟さんは戦死されているそう。ほんとうにもう、六郎はいないのか…と、シズ子たちのとまどいと落胆を一緒に体験している気分でした。
そこで「大空の弟」。なんだかもう、胸が締め付けられるような歌詞と歌唱に引き込まれました。そして、2曲目に、スズ子をスイングの女王に引き上げた「ラッパと娘」の底抜けに明るい楽曲。あまりドラマや映画で泣くことないのですが、「ラッパと娘」のラスト近くで涙腺崩壊。この、明暗の曲の対比でやられてしまいました。
「ブギウギ」の歌唱シーンのフルバージョン、こちら。
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今も世界で戦争が続いていて、虚無感に襲われること多いです。自然災害は避けられないけれど、戦争は人間が自分たちの意思でやっていること。なんで止められないのだろうって、虚しくなります。
ドラマの中でも太平洋戦争が始まったばかり。後世の私たちは、その戦争の末路を知っていますが、その当時の人々は、まだ、それがいつまで続くのか、どんな結末になるのか、知らない。
まさに、現代の戦争もそうで、いったいいつまで続くのか、このあと世界はどうなってしまうのか、混沌としています。過去のあの戦争も、なぜ止められなかったのかと検証する本などが出ているけれど、その反省は生かされていないと感じています。
今を生きる私たちに、なにができるのか、ドラマを見ながら、いろいろと考えてしまう年末です。
【今日の撮影機材】
カメラ:FUJIFILM X-T20 → 価格.com
レンズ:XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro → 価格.com
date:2023/12/2
※写真は縮小しています。