お金だけじゃない、文化や美術の価値 | へにょへにょ日記[ゆるゆる田舎暮らしブログ]

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カメラ、写真、本、アート、ペット、犬、家電、料理、ハンドメイド、医療、健康…。なんとなく過ぎてゆく日常のあれこれ。スムースチワワの小太郎と過ごした日々。

 

昨日、博物館とかキュレーターの話を書いたあとに、大阪府の美術品に関する続報を新聞で読みました。

 

有料記事ですが。大阪府では「20年以降、美術を専門とする学芸員が不在となっている。」そして、「府は現在、全作品の管理・活用を指定管理者に委ねている。」そうです。

 

こちらは7月末の最初の記事(無料で読めます)。

 

「大阪府20世紀美術コレクション」(約7900点、評価額計約46億円)の一部が誰でも入れる地下駐車場で保管されているとのこと。

そもそも『80年代後半、難波地区の再開発で新美術館「府現代芸術文化センター」(仮称)の構想が浮上。それに併せて、主に90年代に10億円近くを支出して美術作品を収集した。』ものだそうで、『しかし90年代後半、府は「財政再建団体」への転落が危ぶまれるほど深刻な財政危機に陥り、01年に新美術館計画を白紙撤回。寄贈分を含めて約7900点もの作品だけが残され、収蔵と展示の場所を求めて“漂流”することになった。』とのこと。

 

作品の保管状態もそうだけど、これだけの作品がまとまって展示される機会もなく人目に触れないところで保管されつづけている、というのももったいない話。野外彫刻作品は、パブリックアートとして公共の場に設置したり、屋内展示できる作品は役所や病院など公共の施設で展示したり、活用方法はいろいろありそう。

 

近隣の美術館を借りてでも、定期的にコレクション展を開くとか、コレクション自体の存在をもっとアピールしていけば、他の美術館や企画展への貸出など、活用方法が広がっていきそうなのに。

 

こちらは一週間前の記事(無料記事)。専門家らで作る「アート作品活用・保全検討チーム」の初会合が開かれたそうです。

 

現在、大阪府に専属の学芸員が不在という状況もそうだけど、このコレクションも含めた美術品に対する意識が低すぎる。デジタルで記録して現物を処分、って発想がもう…。呆れて言葉がでないです。それだと、仏像などの文化財も、デジタルで記録したら現物はいらないから処分してもいいってことになっちゃう。

 

毎日新聞の報道があったから動き出したんだろうけれど、報道されなかったらずっと埋もれたままで、知らないうちに処分されてしまっていたかもしれないですね。こういう事例があると、メディアによる報道って大事だなって思います。新聞はオールドメディアなんて言われるけれど、経緯をじっくり取材してその後のフォローもしていくのはネットメディアとは違う信頼感。

 

日本ではアートの展覧会が多くて、海外に行かずとも世界中のアートを見る機会が得られます。それもこれも、日本の治安が安定していて、輸送や展示が安全にできて、世界有数の美術品を安心して貸し出せると思われているからではないでしょうか。そして、美術展を見に行くことが特別なことでなく、普通の人が気軽に美術館を訪れて、本物のアートを見て、ふれ合うことができる、っていうのは、とても幸せなこと。

 

だから、美術品(文化)にかけるお金は、無駄金ではないです。目に見えるような金銭的なリターンは期待できないかもしれないけれど、長期的に、人々の生活や教育の質が上がり、それが経済活動や外国からの評価などにも影響を与えているじゃないかな。

 

本や教科書でしか見たことがなかった作品を初めて見たら、印刷の色や質感とはまったく違っていたことに衝撃を受けたことが何度もあります。大きさも実際に見ないとわからない。これってこんなに小さな作品だったのか、っていうこともあるし、逆にこんな大きいの! っていうものもあります。本物の迫力は想像以上。

 

コロナ禍になって、展覧会に全然行けてないけれど、そろそろ、本物のアートを補給したいものです。見たい展覧会、たくさんあるけど、美術館って、今どうなってるのかな。予約制で空いているところならいいけど、コロナ前のような混雑だったらちょっと怖い。あと、まだまだ、公共交通機関の混雑は怖いので、ビビリなハイリスク患者は用心に用心を重ねてます。

 

そうそう、いまだに外食も控えていて、最近のファミレスには配膳ロボットがいるらしい、とか、タブレットで注文するらしい、とか聞いて、すっかり浦島太郎。とりあえず、ロボットがいるファミレスに行ってみたいねぇ、って母と話しています。もはや、ファミレスが行楽の目的地…。美術館まではまだまだ遠いか。

 

【今日の撮影機材】

カメラ:FUJIFILM X-T20 → 価格.com

レンズ:XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro → 価格.com

date:2023/8/20

※写真は縮小しています。

 

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