国立科学博物館のクラウドファンディングが7億円を超えたとか。しかし、クラファンサービスのサイトを見ると、手数料が12〜17%かかるみたい。手数料だけで1億円前後になるなら、その分も博物館のために使えるほうがいいよねぇ…。
↓参考
「国立」なんだから、本来なら国がお金を出さなければいけないのに、クラファンで資金集めとか、恥ずかしい、って意見も読んで、納得。(独立行政法人なので、厳密には国立ではないようです)
税金を使ってもいいし、実際に博物館に行ってお金を使うというのもいいのでは、と思ったら、入館料の値上げや富裕層向けの高額サービスの提供にもハードルがあるらしく、日本では、博物館が収入を上げる手段があまりないみたいです。
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金沢21世紀美術館では学芸員が大幅に不足しているとか。運営側の問題もあるのかもしれないけれど、一般的に、美術館などの学芸員は給与などの待遇面で仕事の内容と見合っていないという話もあって(仕事の割に給料が安い)、この美術館だけの問題ではないのかもしれないです。
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図書館の司書も、一般の職員とは違う専門職なのに待遇が悪くて非常勤職員が多い、なんて話が昔からあって(たぶん今もそう)、日本って、そういう「文化」に関わる仕事へのリスペクトというか評価(対価)がとても低いですよね。
あと、大学などの研究者も給料が安くて職業として成り立たないとかって話も聞くし、直接お金を生み出さない職に対する社会的な評価が低い印象です。
教育とか文化とか基礎研究とか、国の根幹をなすものだと思うのだけど、なぜかそこにお金をかけないで、外交だとか軍事だとかにお金をかける不思議。
国の宝は「人」なんだから、人を育てる教育、心を育む文化、歴史的な価値のあるもの(ないものも)を保存、記録すること、そういうところにどんどんお金をつぎ込んでいけば、結果的に国力も高まるのではないかと思うところです。
そういえば、今放送中のドラマ「18/40~ふたりなら夢も恋も~」はキュレーターを目指す女子大生が18歳で妊娠、出産するって話。テーマは、10代でシングルマザーになる決意をした女性が自分の夢も諦めない、っていうことなんですが、その夢がキュレーター。
なんでキュレーターなんだろうなぁって思いながら見てます。マイナーな職業だし、わかりにくいんじゃないかと。私も美術に近い場所にいるけれど、学芸員=キュレーターだと思っていたくらいで、ドラマの中で「学芸員とキュレーター」と分けられていることに違和感を感じてしまいました。実際は、分かれているみたい(ドラマが正解)ですね。
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そこのところをドラマの中でもっと細かくやってくれればいいのだけど、キュレーターのお仕事に関してはふんわりとしていて、アートの世界で華々しく活躍するかっこいい女性、みたいな立ち位置で、若い女性の出産をサポートする40歳のカリスマ(?)キュレーターが出てきます。
キュレーターを目指すきっかけがパウル・クレーというのも、ちょっと地味。クリムトとかシャガールとかのほうがよかったのでは。
そして、職業としても、学芸員ってそんなに収入が多いものなのか(むしろ薄給のイメージ)、疑問だったのだけど、欧米のキュレーターのイメージだったら、たしかに、けっこう高給取りかも。
ドラマの中では欧米のキュレーターのイメージですね。
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日本の美術館ではまだまだ「学芸員」がキュレーターやその他もろもろの役割を兼ねている現状のようで、ものすごく、遅れを取っている感。そして、それは「キュレーター」という役割が軽んじられているということでもあるんでしょうね。
そんなわけで、ドラマではなんとなくわかりづらい職業の「キュレーター」。ファッションやアクセサリーなどのデザイナーとか、編集者とか、弁護士とか、建築家とか、もうちょっとわかりやすい職業でもよかった気もします。見た目が派手(そう)なアートの世界を絡ませたかったのかな。
その割には、出てくるアートカフェもあまりおしゃれ感がないのよねぇ。。。ドラマは、赤ちゃんが生まれて後半に突入。登場人物が男性ばっかりなドラマも多いなか、女性がたくさん出てくるドラマ、貴重。
【今日の撮影機材】
カメラ:FUJIFILM X-T20 → 価格.com
レンズ:XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro → 価格.com
date:2023/8/20
※写真は縮小しています。