退職前世代を終活セミナーから考える
こんにちは、石川です。
私は終活セミナーを高知県内でこれまで行ってきました。
そこにいらっしゃるのは、元気な60代後半から80代前半が中心で、そして大事なことは女性が8割以上を占めるという現実です。
元気な女性と、やや元気がない(という風に見える)男性。
この違いはどうして生まれるのだろうと、演台に立つたびに思ってきたものです。
これは、おそらくですが、お仕事をしている時の、男性と女性の「地域での暮らし方」にあると思われます。
女性はご近所付き合いも普段からできるので、「職場以外の人」との繋がりが難しくないのですが、男性はどうしても「職場中心」の繋がりになりがちです。
休みの日も職場の同僚と遊びに行く機会も多いでしょうし、人によっては「顧客と仕事以外で付き合う」男性もいらっしゃるでしょう。
この男女の「特性」の差が、現役世代の時から徐々に積み重なり、男性が仕事をやめて地域に帰った時に「何をしたらいいかわからない」「時間がありすぎて困惑する」という事態を生む可能性があるのではないかと思います。
では、退職後も、地域で楽しく暮らすには「どのような準備」を「いつから」したらいいのでしょうか?
元気な女性中心の終活セミナーで、お話しするたびに、そんな疑問が浮かんできたのでした。
高知県社協は、思い切って行動した!
そんなある日、高知県社協の生きがい推進課(現・いきいきライフ推進課)から、
「退職前世代を対象とした、将来の生きがいを意識することに取り組みたいので、委員になってほしい」
という依頼がありました。今から3年ほど前のことでしょうか?
この依頼をきいた時、やっと終活セミナーで感じていたことへの具体的な対策が生まれるかもしれない、と感じたことを今でも覚えています。
そして会議を何回も重ねました。
そうそうたるメンバーが
「どうすれば、高知県の中小企業にお勤めの人たちでも、退職準備をなるべく早くできて、退職したとしても、不安なく、いきいきと地域で暮らせるだろう?」
を真剣に話し合いました。
その結果、生まれたのが、「ちょっと早めの退職準備ノート」と、それを活用するセミナーだったのでした。
また、高知県社協いきいきライフ推進課が発行している「高知県の生きがい活動団体事例集」には、被用者が退職した後に「お住いの地域で繋がることができる団体やグループ」がたくさん掲載されており、大変意義深い冊子であると思います。
企業経営者の皆さん、退職準備の効果を知ってください!
こうして完成した企画でしたが、セミナー参加者が少ない時もあり、県社協の方が地元の企業に告知に行ってくださいました。
ただ、企業側の「考え」は、私たちの「想い」とは少し違いました。
企業側にとって、再雇用を提案するケースも少なくなく、そんな環境の中、あえて「退職準備」を会社外の人間に勧められることに困惑しているようでした。
この企業経営者の側の視点はわからないわけではないのですが、一つだけ認識が違うことがあります。
それは
「退職した後は、結局は自分ですべてをするしかない」
という現実がある、という認識を持てるかどうかなんです。
会社で働いている時は、その会社という「ムラ社会」で生きていくわけで、それ自体がよくないということではありません。
ただ、退職したら、結局そうした環境から急にでて、地域で暮らしていくことになるのです。
果たして会社という小さな社会だけで、再雇用された後も暮らし、65歳ぐらいになって急に「地域で暮らすための環境整備」ができるでしょうか?
実際の退職前セミナーは、私が担当する「お金」のパートと、他の講師が担当する「健康」のパートと、県社協が担当する「繋がり」と「ノートの書き方」のパートから構成されます。
こうして3つのパートに分かれるのには明確な理由があります。
その理由は
「お金・健康・繋がりは、退職してから急に準備できないし、そのすべてを退職前から意識して生活することで、退職後のセカンドライフが楽しくなる」
ということなんです。
本来ならば、企業がこれらを「自前」で被用者にすることが、責務だとは言いませんが、仕事のやりがいになることは言うまでもありません。
ただ、現実的にはこれらを中小企業などが自前ですることは難しいのでは、と考え、こうした形で提供することにしたのです。
ですから、これらをうんと「活用」して欲しいと、企業側には伝えたいですし、高知県におかれましても、その広報がスムーズにいきわたるようにご協力をお願いしたいと、委員の一人として思います。
最後に、どうかこの有意義な企画が、平成30年度も行われて欲しいですし、その意義を企業経営者の皆さんには認知していただきたいと強く思う次第であります。