こんにちは、石川です。

 

先日、NPO法人ワンファミリー仙台さまのご依頼を受けて、生活困窮者自立支援事業に携わる支援者の皆さんに向けて、二日間、研修を行いました。

 

家計相談事業の基本的な考え方や、精神障害のある人、発達障害のある人、知的ボーダーの人などの家計支援、いわゆる「困難事例」になりそうなケースに、どう向かい合うかなどをお話しました。

 

以前も申し上げたのですが、この生活困窮者自立支援事業における支援というものは、一晩寝たら一気に改善していたということはほぼ無いわけです。

 

ということは、どんな支援をすることになるかというと、

  • 相談者を励ましながら
  • 少しづつ改善ができるように
  • 支援者が我慢強く
  • こつこつと支援していく
いう流れになるのです。
 
というわけで、支援者は支援が上手くいかなくなることも多く、疲弊したり、嫌になったりしやすくなりますし、どうしても「相談者を責めたくなったり」「投げ出したくなったり」する可能性も高まることでしょう。
 
そんな中、生活困窮者自立支援事業に関わる人を対象とした研修会を行う場合、いったいどんな研修をすればいいのでしょうか?

 

私は講師の一人として

「常に、生活困窮者自立支援制度や、家計相談事業の、理想や理念を追い求めて、その想いを研修会に反映しないといけない」

と強く思うのです。

 

支援者向けての研修会において、通り一辺倒で、なんのさざ波すら立てる事のない研修に成り下がるならば、それは受ける価値はありませんし、そんな講師は要りません。

 

福祉の現場で、特に生活困窮者自立支援事業の現場で働いていると、理想と現実のギャップで心が折れそうになるからこそ、支援の原点に立ち返ることができて、結果的に、支援者のチカラになる研修をするのが、私たち講師の役目だと思うのです。

 

今回の仙台での研修会のアンケートを読んでいて、そんな想いを強くしました。

 

幸いにも、何とかその役割を果たせたようで、少しホッとしましたが、またどこかの研修会で、自分の果たすべきことを全うしようと思います。

 

NPOなどの相談機関の皆さんや、社会福祉協議会・行政機関などの皆さん、どうか支援者に「制度の理念」を想起してもらえるような研修会を企画してください。

 

なぜなら、支援の現場では、その「理念」を失いそうになりやすいですから。

 

当事務所でもそんな研修をお引き受けいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

 

福祉FPによる研修会・生活困窮者自立支援事業における家計相談事業の在り方を学ぶ

 

ではまた、お会いしましょう!

 

 

こんにちは、石川です。

 

昨日、いつものスーパーに買い物に行きました。

 

夜の「お惣菜半額セール」の時間帯でしたが、2リットルのペットボトル茶と、安くなったお寿司いくつか、餃子(加熱する20個いりぐらいのもの)などを購入して、レジに並んだのですが。

 

レジ担当は大学生または専門学校生ぐらいの男子。

レジを打ちおえ、レジ袋を入れてくれました。

 

が、それを広げて買い物を入れようとしましたが、

「袋の中にどう置いたら、これらの買い物が、整然と入るんだよ!!!」

というほどの、ワンサイズ小さいレジ袋だったのです。

 

家に帰って嫁さんに言うと

「そりゃあ、学生はスーパーで、これくらいの量の買い物をしたことがないから、わかるわけない」

と一刀両断でした(苦笑)

 

でも、大変わかりやすい説明だと思いました。

 

生活困窮者自立支援事業には、現在はOPとして「家計相談事業」があります。

これはOPなので、日本中どこでも実施されている「自立支援事業」とは違い、担当機関によってかなりの温度差があります。

 

私はファイナンシャルプランナーですから、普段から「家計相談」をお受けしています。

なので、家計が大事であることは、当然であり、それこそがその人の「ライフプラン実現」には重要であるという認識を簡単に持てるのです。

 

国の事業である生活困窮者自立支援事業のなかの「家計相談」を受け持つ適任者に、消費生活アドバイザーやファイナンシャルプランナーが明記されていることは、このように、その職業柄当然のことかもしれません。

 

では、社会福祉協議会などの担当機関の職員さん皆さんが、「家計は大事だ!」と思ってくれているでしょうか?

 

ご相談者の家計が安定したら「あなたは大きなハードルを越えることができたね、良かった!」と一緒に喜んでくれるでしょうか?

 

家計簿の数字が合うことだけに注力してしまうのでななく、その人の「楽しく暮らすこと」「夢や目標を持つことの意義」まで、お話されているでしょうか?

 

つまり「家計改善を支援して、実行できるようなサポートをする」ことが素晴らしいと、心から感じている支援者や相談員がどれくらいこの国にいるのでしょうか?

 

そして、あなた自身はそういう支援者でしょうか?

 

私が社協で家計相談をしていた時も職員さんが「家計管理を教えてください」とか「うちの家計を見て欲しい」とは言われた経験がほぼありません。あっても「保険の見直し」を訊かれたぐらいです。

 

さきほどのレジ袋の件ではありませんが「自分が体験する」「そのことで過去に困ったことがある」相談員さんでないと、家計改善を図れば人生が好転するかもしれない相談者さまに、光を指し示すことができないと思います。

 

そして結果的に、家計相談は、私は単なる「数字合わせの相談」に終始してしまうことになるのでは、と危惧しています。

 

ただ、誰もがそういう経験ができるわけではないし、家計相談をお願いしようという環境にはならない事でしょう。

 

ですから、家計相談をどうとらえて、どんな出口を準備して、その実行支援にいかに取り組むかの、実践的な研修や、他の相談機関の職員と自由に情報交換できる場が必要だと思います。

 

研修については、家計相談における「課題」を持ち寄り、ケース検討や、家計相談の肝は何なのかという内容のものに取り組んで欲しいと思いますし、当事務所でもそのような研修をお引き受けいたします。

 

当事務所の生活困窮者自立支援事業の家計相談を学ぶ研修会

 

是非とも支援機関の皆さんが「家計相談」を私事として捉えて、実務をこなせるようになって欲しいと思います。

 

それぐらい、皆さんの役割は重要なのですから。

 

 

 

 

退職前世代を終活セミナーから考える

こんにちは、石川です。
 
私は終活セミナーを高知県内でこれまで行ってきました。
 
そこにいらっしゃるのは、元気な60代後半から80代前半が中心で、そして大事なことは女性が8割以上を占めるという現実です。
 
元気な女性と、やや元気がない(という風に見える)男性。
 
この違いはどうして生まれるのだろうと、演台に立つたびに思ってきたものです。
 
これは、おそらくですが、お仕事をしている時の、男性と女性の「地域での暮らし方」にあると思われます。
 
女性はご近所付き合いも普段からできるので、「職場以外の人」との繋がりが難しくないのですが、男性はどうしても「職場中心」の繋がりになりがちです。
 
休みの日も職場の同僚と遊びに行く機会も多いでしょうし、人によっては「顧客と仕事以外で付き合う」男性もいらっしゃるでしょう。
 
この男女の「特性」の差が、現役世代の時から徐々に積み重なり、男性が仕事をやめて地域に帰った時に「何をしたらいいかわからない」「時間がありすぎて困惑する」という事態を生む可能性があるのではないかと思います。
 
では、退職後も、地域で楽しく暮らすには「どのような準備」を「いつから」したらいいのでしょうか?
 
元気な女性中心の終活セミナーで、お話しするたびに、そんな疑問が浮かんできたのでした。
 
 

高知県社協は、思い切って行動した!

そんなある日、高知県社協の生きがい推進課(現・いきいきライフ推進課)から、
「退職前世代を対象とした、将来の生きがいを意識することに取り組みたいので、委員になってほしい」
という依頼がありました。今から3年ほど前のことでしょうか?
 
この依頼をきいた時、やっと終活セミナーで感じていたことへの具体的な対策が生まれるかもしれない、と感じたことを今でも覚えています。
 
そして会議を何回も重ねました。
そうそうたるメンバーが
「どうすれば、高知県の中小企業にお勤めの人たちでも、退職準備をなるべく早くできて、退職したとしても、不安なく、いきいきと地域で暮らせるだろう?」
を真剣に話し合いました。
 
 
その結果、生まれたのが、「ちょっと早めの退職準備ノート」と、それを活用するセミナーだったのでした。
 
また、高知県社協いきいきライフ推進課が発行している「高知県の生きがい活動団体事例集」には、被用者が退職した後に「お住いの地域で繋がることができる団体やグループ」がたくさん掲載されており、大変意義深い冊子であると思います。
 

企業経営者の皆さん、退職準備の効果を知ってください!

こうして完成した企画でしたが、セミナー参加者が少ない時もあり、県社協の方が地元の企業に告知に行ってくださいました。
 
ただ、企業側の「考え」は、私たちの「想い」とは少し違いました。
 
企業側にとって、再雇用を提案するケースも少なくなく、そんな環境の中、あえて「退職準備」を会社外の人間に勧められることに困惑しているようでした。
 
この企業経営者の側の視点はわからないわけではないのですが、一つだけ認識が違うことがあります。
 
それは
「退職した後は、結局は自分ですべてをするしかない」
という現実がある、という認識を持てるかどうかなんです。
 
会社で働いている時は、その会社という「ムラ社会」で生きていくわけで、それ自体がよくないということではありません。
 
ただ、退職したら、結局そうした環境から急にでて、地域で暮らしていくことになるのです。
 
果たして会社という小さな社会だけで、再雇用された後も暮らし、65歳ぐらいになって急に「地域で暮らすための環境整備」ができるでしょうか?
 
実際の退職前セミナーは、私が担当する「お金」のパートと、他の講師が担当する「健康」のパートと、県社協が担当する「繋がり」と「ノートの書き方」のパートから構成されます。
 
こうして3つのパートに分かれるのには明確な理由があります。
 
その理由は
「お金・健康・繋がりは、退職してから急に準備できないし、そのすべてを退職前から意識して生活することで、退職後のセカンドライフが楽しくなる」
ということなんです。
 
 
本来ならば、企業がこれらを「自前」で被用者にすることが、責務だとは言いませんが、仕事のやりがいになることは言うまでもありません。
 
ただ、現実的にはこれらを中小企業などが自前ですることは難しいのでは、と考え、こうした形で提供することにしたのです。
 
ですから、これらをうんと「活用」して欲しいと、企業側には伝えたいですし、高知県におかれましても、その広報がスムーズにいきわたるようにご協力をお願いしたいと、委員の一人として思います。
 
 
最後に、どうかこの有意義な企画が、平成30年度も行われて欲しいですし、その意義を企業経営者の皆さんには認知していただきたいと強く思う次第であります。