こんにちは、石川です。
早速ですが、こんな驚きのニュースが飛び込んできました。
「14年度末までの是正を要求=保険代理店の販売再委託―金融庁 」
なんのこっちゃ、という方のために簡単に説明しますと。
保険会社は保険代理店に「保険という商品」の販売を「委託」しており、
その代理店に「所属する」募集人(保険を取り扱う資格を持っている人)が、エンドユーザーに販売する、
という形式を、代理店が保険を販売する場合はとっています。
特に、複数の保険会社の商品を販売できる「乗り合い代理店」に所属する募集人は、保険会社に依頼されて保険を販売する、という立場ではなく、
「自分が良いと思った商品を販売したい!」
という想いから、保険会社の社員ではなく、こうした乗り合い代理店に所属しているのです。
その「所属の仕方」が、「雇用」か、今回問題視されている「委託(委任)型」か、という違いはあります。
この委託(委任)型募集人は、保険業法が禁止している「再委託」にあたる、という金融庁の見解が突然発表された、というのが今までの流れです。
ただ、この委託型の募集人の存在は、金融庁は長い間、その存在を把握しているのにも関わらず、なぜか、この年末年始のタイミングで大きく動き始めたので、その唐突さに「?」や「!!!」と感じている募集人が全国に沢山いて、不安を感じているというところでしょうか。
今までなんとなく「放置」してきたのに、なぜこの急展開かは、私たち「現場の人間」には知る由もありませんが。
もちろん、「再委託」は禁止されていて、その形式で代理店に所属しているのが、「保険業法」に違反しているならば、それは早急に手を打つべきでしょうし、そういう流れそのものには反対はしてません。
ただ、どうしてもひとこと言いたいことがあります。
それは、
この「性急な改革」が本当に「ユーザー」のためになるんでしょうね?
ということです。
そもそもこのことが問題視されたのは、とある乗り合い代理店の委任型の募集人の人が、自分の手数料だけを重視した「ユーザー軽視の保険販売をしている」という事が発端だと聞いています。
これは私たち保険に携わる人間がしてはいけない行為ですが、こういう行為は、一般的な生命保険会社の、「雇用」されている募集人には「無関係」なことで、乗り合い代理店の委任型募集人だからこそ起きたことなんでしょうか?
私のFPとしての経験では、そうは思えません。
つまり、これは雇用形態の問題ではなく、その人の人間性やコンプライアンス意識などに主な原因があり、それを指導できていない保険会社の支社や、代理店の店主や業務管理責任者の「教育」や「管理」の問題だと思うのです。
ですから、代理店の委託型募集人制度を廃止したから、必ずこの「ユーザー軽視」の問題が減るとは思えません。
もう一つは、おそらくこの「改革」が実施されると、毎月成績が挙げられない「乗り合い代理店」の募集人は職を失う事になるでしょうし、FPや士業の方ように、保険販売が主でない募集人は、保険募集から手を引くことにもなるでしょう。
また、地方の数人の委託型募集人を抱える「乗り合い代理店」でも、募集人を「雇用」しなければいけなくなり、その経費負担に苦しくなった店主が廃業する事もあるでしょうし、その結果代理店を離れた個人が「乗り合い代理店」をはじめることも、今よりもハードルが高くなり、その結果、致し方なく廃業することにもなるでしょう。
そうなると、日本中で数千人~一万人の募集人が保険販売から離れることになるかもしれません。
法令順守が全てなんでしょうから、仕方ないのですが、この結末から、本当は一番「不便を感じる」のは、実はユーザーかもしれません。
保険販売は、商品の選択でもあるのですが、今でも「取り扱う人の選択」という側面もありますし、「うちの街のあの代理店だからお世話になりたい」というユーザーも沢山いると思います。
しかし、この「改革」で、このユーザーのその想いは途切れ、その結果、今よりも更に保険業界に対する不信感も生まれるかもしれません。
もし、そうなるとしたら、この「改革」「変革」は、本当に大きな意味があるのでしょうか?
問題がある代理店や募集人を金融庁や保険会社が厳しく指導することで、この問題の根底にある「ユーザー軽視の募集活動」はなくならないのでしょうか?
それでもやはり、この委任型募集人の件は、実行されてしまうのでしょう。
保険業法第1条には、こうあります。
「この法律は、保険業の公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者等の保護を図り、もって国民生活の安定及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする」
「保険業法の忠実な実行が、本当は誰のためになるのか?」
皆さんも成り行きを注視していただきたく思います。
それではまたお会いしましょう!