オーウェルの日本再生論 -2ページ目

事務次官らの定例会見の中止は大事ではない

  先週だと思うが、政府は省庁の事務次官らによる定

例会見を原則中止するとの方針を発表した。これに対し

てマスコミ各社は一声に批判的に伝え、サタデーずばッ

とに出ていた毎日新聞の岩見隆夫氏などは激しい口調

で情報に関する考え方が根本的に間違っている、取

する権利、国民の知る権利を侵害している、情報公開に

逆行するなどと批判していた。しかし、官僚や事務次官

らによる定例会見を中止しすることはそれほどの大事で

あろうか。記者会見は基本的にこれからも行なわれ、大

臣や副大臣などの政治家が質問に答える事になるだけ

で、誰が入り口になるかの違いがあるだけだ。それに例

に専門的な知識が必要な場合や、防衛省などの役

は官僚トップが出てきて話す事も認めると言う。


  私からすれば、事務次官ら官僚のトップが勝手な発

言をしたり、自分達に都合の良い情報を流して既成事

化するなどの工作ができないよう、情報の出口をでき

だけ担当大臣らに限定しようと言うのは至極当たり前

の事のように思われる。彼らに好き勝手に話させていた

のでは、大臣らによる省内の統制は利かなくなり、不要

な混乱を起こし、マスコミによって政争の話とされてしま

うだけだ。これまで政治家が役人達の発言や情報操作

によってどれだけ煮え湯を飲まされて来た事か。その辺

を考慮すれば、官僚支配を弱め、政治主導を実現する

ためにこういった制限を設ける事は大いに理解できる。

また、大臣らも会見に臨むとなれば、各省庁が抱える問

題を官僚任せにする事ができなくなり、より責任を持っ

て仕事にあたり、しっかりとした意見を言えるよう勉強す

るはずだ。


  とは言っても情報源が担当大臣らに限られてしまう

情報が余り出てこなくなるのではという懸念も確か

にある。しかし、官邸や省庁などの記者クラブに所属

大手のテレビや新聞社の人がこの件について政府

難するのはちゃんちゃらおかしい。彼らはこれまで

者クラブという組織を使って取材する権利や記者会見

出席する権利を独占し、他のジャーナリストの取材す

権利を奪ってきた人達だ。しかも、官僚達が流す情報

よく検証もしないで垂れ流すなど政治の混乱、官僚支

に一役買ってきたという責任がある。そういった事を

にあげて取材する権利だとか情報に関する考え方

違ってるとかよくも言えたものである。私には彼らが

までの特権を奪われ、新聞の一面に載せるような情

リークがなくなるのが嫌でわがままをを言っている

うにしか見えない。


  情報が欲しければ、会見で大臣らに対て徹底的に

けば良いだけの話だ。それでも情を出して貰えなけ

ば、彼らを批判する記事でも書けば良い。それに官

から意見を聞きたけば、取材の許可を取ってやること

できる。取材方法は他も色々あるし、それでも情報

てこないなら、情報公の請求や内部告発者を探

すとう手もある。マスメデも記者クラブの特権に頼っ

材を改め、普通の取材するようにすれば良いので

はないだろうか。そうすれば、彼らのニュースの質ももっ

と上がるろう。また、今度の制限で政に都合の良い

報しか見で聞けなくなるのではとの穿った見方があ

るが、その辺は大臣らの信憑性が問われるところであり、

簡単に情報を隠蔽したり、都合の良い情報だけを流すと

いう事は逆に難しくなるのではと思う(官僚達は責任を問

われる事がないためそれができた)。もし偏った情報しか

出てこなくなるとしたら、それはメディアがまともな追求を

怠った時ではないだろうか。

各選挙区で候補者討論会をー能力のある人を選ぶために

  先の衆院選挙で大量に当選した民主党の議員が

沢チルドレンとか小沢ガールと呼ばれ、マスコミをにぎ

わせている。自己破産していたのを隠していた方や、色

眼鏡で見られそうな過去の経歴がいくつか抜けいた

方などマスコミが騒ぐための格好のネタとなってるが、

私は個々の件についてどうこう言うつもりはない。しかし、

前々回の衆院選と同様、今回大量の新人議員が当選し

た事に対する不安はある。別に新人だからメというつ

もりはない。ただ彼らに国会議員に値するだけの能力や

政策に関する知識があるかどうかが不安なのだ。選挙

戦においても各候補者の力量を測る機会は少なく、

をすると利権による組織票、政党へ風に乗って大勢の

に立たない国会議員が誕生している可能性もる。

しそうだとすると、これは国とっても国民とっても大き

損害であると言えよう。


  今日の選挙を見ていると、どの候補者を選ぶかを考

際に十分な情報が不足しており、党名や情緒的な

繋がり、個人的な利害などによって候補者を傾向

あるように感じられる。これは小選挙区制度の宿命

かもしれないが、どうしても支持する政党によって選ぶ

く、各候補者個人の資質や能力が十分考慮され

いない所がある。また、選挙前にテレビで各党の幹部

マニフェストなどについて討論するのは良いが、ほとん

の候補者は蚊帳の外であり、自分の住む選挙区の候

者がどれほどのものなのかを知る機会は、皆無に等し

い。確かに選挙候補者が講演する集会や演説会もある

にはあるが、一般人にそれに行けというのは無理がある

だろう。それに日本の政治家の選挙活動は未だに握手

やあいさつ、写真撮影、イベント参加など非常に情緒的

ものが多く、本来吟味されるべき候補者の実力を目に

る機会はほとんどない。そして未だにあの時一緒に写

真を取ったからとか、いつも辻立ちをしていたからとい

情緒的な理由で候補者を選ぶ人もいると聞く。


  もちろんどんな基準で候補者を選ぶかは、色々あっ

良いし個人の自由ではある。しかし、候補者について

知る権利を有権者に担保する事もまた必要であろう。そ

のためには選挙前に最低1、2回は候補者による討論

会を開き、それをネットを通していつでも見れるようにす

るべきではないだろうか。政治家たる者、人と議論する

力は絶対に必要であるし、討論会であれば候補者個人

の能力や政策に精通しているどうかも見定めやすい。実

際問題、国会議員になれば、国会や各委員会に出て激

しい議論を交わし、官僚とも対峙しなければならない。

論会ぐらい無難にこなせる人でないと仕事は務まらな

だろう。これによってまともが議論ができない人や利権だ

に頼ってた来た人、知名度だけで名前が挙がった人、

容姿の良さだけで党の公認が決まったような人たちは試

され、落とされる事になるだろう(もちろんそれを判断す

るのは権者の一票だが)。


  それから、討論会を行なうことによって党の方も下手

候補者を擁立できなくなり、党内の公認を巡る切磋琢

磨も活発化して良いのではないだろうか。より能力のあ

る人に立候補する機会が与えられるようになれば、日本

の政治のレベルも上がるはずだ。逆に能力のない人間

が国会議員になっても何もできなかったり、党内の権力

抗争に利用されるのがオチである。また、選挙をより中

身のある充実したものにし、役に立たない国会議員を増

さないためにも、選挙区ごとの候補者討論会は必要で

あると言えよう。ただ、ひとつ問題なのは、比例代表

に出いる候補者をどうするかということだ。比例

クごとに候補者討論会をやろうとしても、人数

これは理がある。従って比例代表候補の名簿の

方に使い人材が多少混ざっていても、そういうがた

しまうことは我慢するしかない。

コケによる緑化で都市を冷ますーCO2排出削減も

  先月、TBS系の番組「夢の扉」でコケを使って建物

を緑化する技術を紹介していた。緑化と言えば、近年ブ

ームになっている屋上緑化があるが、これにコケによる

緑化という新たなバリエーションが加わりそうだ。緑化は

植物が日しから受けた熱を発散してくれる効果を利用

して、建物が熱を持たり、室内の温度が上がるのを防

いでくれ。そのため緑化が都市部で進めば、ヒートアイ

ランド現象の緩和や、夏の冷房の消費電力の減少、そ

にC2排出の削にも貢献するのではと期待されて

る。はこの緑化にコケを使う技術が発展してい

て、将来より低コストで手軽に緑化ができるようにな

るのではう話をしていた。


  屋上緑化の場合、普通は芝生や好きな植物を植え

りするものだが、この設置には色と手間がかかり、

価格も結構高くなってしまうため、緑普及の障害とな

っている。しかし、コケの場合、あらかじめコケを貼り

けたコケボードというもの使い、それを敷き詰めていくだ

けなので非常に簡単でコストも6割ぐらいですむと言う。

それにコケボードの場合、屋上だけでなく、屋根への設

置も簡単にでき、より多くの建物に対応できると言えよ

。また、普通の緑化の場合、芝生や植物が枯れない

う水遣りしたり、土の管理をしたりとその後のメンテ

ンスが大変だが、コケの場合、基本的に大気中の水

ミネラによって育つためメンテナンスが必要ない

利点がある。コケというと主に湿地に生息する生き

あるが、この場合、日差しや乾燥に強い種類を選ん

り、乾燥して仮死状態になっても雨が振ればすぐに生

き返るそだ。ただそうは言っても、あまり雨の降らない

日が続くと、コケ乾燥しすぎて緑化の効果が薄れてし

まうのではと少し心配ではある


  それから番組では、コケによる壁面緑化ということも

言っていた。夏の強い日差しを受けて温度が上がるの

屋上だけではなく、建物の壁面も同じだ。しかし、

使えば壁面緑化も可能であり、建物の温度上昇を抑

える事ができる。番組の実験ではの日差しを受けた

ンクリートの建物の壁面が38度まで上がったのに対

し、コケで緑化された壁面は27度ぐらいまでしか上がら

なかった。これだけ壁面の温度の上昇を抑えることがで

きれば、室における冷房の使用は相当抑えられ事に

なる(つりCO2の排出も抑えられる)。そうなれば、冷

よる外機からの熱の排出が減り、建物自体から

散さる熱の量も減るためヒートアイランド現象の緩

にも繋がる。コケ壁に貼り付ける方法は単純で、コ

を細か切断したものと保性のある細かい繊維と接

剤とをぜ合わせたコケプレーを作り、これを壁に

きかける。コケ細かく切ってもまた発芽すめ問

はない。コケスプレーはまだ験段階ではあるが、こ

先低価格で簡単にできる緑化法として広めてい

たいと番組に出ていた開発者の方は語っていた。


  コケによる緑化という事では、他にも溶岩を薄く切っ

て、そこにコケや小さな植物を生息させるという方法が

ある。これは溶岩の細かい穴の空いた保水性の高い構

造を利用しようというもので、川の土手なんかに使われ

始めている。それから高速道路の壁面にこの溶岩の板

貼り付けてヒートアイランド現象の緩和に繋げようと言

う計画も一部実験的に行なわれている。しかし、上に挙

げたコケスプレーを使う方法が確立されれば、溶岩の

と比べて幅も取らず設置の手間もほとんどかからず、

コストでできるようになるため、取って代わる部分はあ

かもしれない。特に高速道路の壁面緑化についてはコ

スプレーの方を採用した方が効率的で低価格ではない

かとふと思った。ただ高速道路がコケで覆われるのを見

たくないと言う意見が強ければ、それは実現しないし、住

宅やビルの壁面、屋根、屋上の緑化にしても、コケによ

緑化を良しとする人が増えない限り普及には繋がらな

い。どこまで普かは、ある意味私達の感性や許容

度にかかっていると言えるかもしれない。