コノハとカリンは電車を乗り継いで『アニマル喫茶』にやって来た。アニマル喫茶は獣化体験風俗店のビーストトランスが新たに起業した姉妹店である。こちらは一般向けで、〝いろんな動物と触れ合える喫茶店〟をコンセプトにしている。値段価格も低めに設定しているので、収入はまだ少ないものの、リピーターを少しずつ増やしている。ここで働くアニマルズとは全員、動物に変身した従業員のことである。この店にはフルトランス(完全獣化)用の動物変身薬しか置いていない。軽くキッスするなど多少の悪戯は黙認されているが、R-18行為は禁止されている。何故名前がケモノ喫茶ではないかと言うと、一般向けに〝ケモノ〟という単語は受けが悪いという会議での結果、苦心の末、ケモノではなく、アニマルとなった。


 コノハは初め、ここでバイトするつもりはなかったのだが、TFフェチのカリンが大学生になって意気揚々とビーストトランスに入店。しかし、カリンは最初の接待で、男性客の裸を見て、赤面しまくった挙句、そのまま恥ずかしがり過ぎて意識を失うと言う大失敗から、相手の裸を見ることがないこちらの姉妹店に回されることになった。コノハは抗癌獣化剤をもらいに定期的にビーストトランスに足を運んでいるので、カリンの経緯を聞いた流れで、変身する必要がなく、接客するだけの店員もほしいとのことで、いわゆる普通の喫茶店のお姉さんとしてバイトすることになったのだ。


 カリンがアニマル喫茶の裏口に回り、インターホンを三回連続で鳴らす。
「合言葉」
 インターホンから女性の声が流れた。


「猫は?」
「ケモノ!」
「鵺は?」
「モノノケ!」
「男は?」
「ケダモノ!」


「はーい、入って下さい~」
 カリンが扉のノブを回して店に入って行く。


「前から思ってたんやけど、あの合言葉って……」
 コノハがカリンに言いにくそうに聞いた。
「嗚呼、〝ケッモケモケモ〟は入店客用やから。今のが従業員用やて。うちも入るまで知らなかったわ」
「いや、そうじゃなくて……ま、ええわ」
「?」
 コノハが悶々としている横で、カリンは少し首を傾げた。



 ――従業員の更衣室もとい変身部屋。
「今日はこっちに派遣されてきたわー、よろしくー」
「おぉ、よろしゅう、レイラちゃん!」
「えーっと、二名の予約のお客様で、うちらが変身するのは……トラか」
「トラ」
 カリンはトラの行動を思い返した。相手は動物と思って接して来るので、動物になりきった行動をしないといけない。
「そう言えば、掲示板に〝お化け〟出たの知ってる?」
「え……何なん?」
「あたしもちょうどその現場で見てたんだけど、三日くらい前の獣化スレでさ、奇妙なことが起こったんよ」
 カリンの表情が徐々に固くなる。カリンはお化けとか幽霊とか怪談系は大の苦手なのだ。
「初めはいつも通りのスレだったんだけど、666番を過ぎてから、イキナリ子供の笑う声が聞こえてさ、仕様の変更かチートしたんじゃないかって話になったんだけど、どうもそういう形跡は無いみたいで、おまけに、その子供の声にはIPとかの表示が全く出ないの」
「ふえぇぇぇぇ~……」
「んでね、その子供の声は666番目にブタになりたいって発言した人に対して望みを叶えてあげようって言ってね、その666番に発言した人の〝まるで本当にブタ化しているような声〟が掲示板に書き込まれて、最後に子供の声が掲示板に666番の人のブタ化に失敗して人の部分が残っちゃったみたいだけどこのスレの人は好きだから見たいよねって感じのことを言って、画像を張り付けて――スレが落ちた。そのスレは今も閉鎖中」
「な、なにそれ、こわい……」
「で、タイミングよく保存できたんだけど、その時、子供の声が張り付けた画像がちょっと問題でねー。見てよ」
「う、うん……!!?」
 レイラがカリンに見せた画像は、右手二本が癒合、鼻の一部が肥大化、右耳がブタ耳となり、体全体がブタのような骨格をしているものの、見かけは人のパーツを残しており、その表情は恐怖に歪んでいた。一見すればCGで加工したようにも見えるが、画面の背景に注目すると、どうもネットカフェのようで、リアリティがあった。
「どう思う?」
「CG……やと思うねんけどなぁ……それにしてはリアルな……でも、ここまで複雑に部分獣化できる人っているんやろか?」
「うんー……これをやってみるとなると相当コントロールうまくないとなぁ……それに、そんな撮影聞いたことないし……〝裏切り者〟だったら、問題よねー」
「〝裏切り者〟……」
「そう、動物変身薬は特別な許可が無い限り、店の外に出してはいけない。このルールを破った者は二度と人間として社会復帰はできないってね」
「そんなんあったなぁーどうなるんやろ?」
「さぁ……家畜にされて、そのまま加工されちゃうんじゃない?」
 レイラはサラっと言ったが、それは想像するととても恐ろしい事で……
「それじゃあ、そろそろお客さん来る時間だから、変身しようか」
「そ、そやね」

「そう言えば、最近〝天紋〟はどんな感じ?」
 コノハとカリンが去った後、部室に残ったヒロミが言った。
「少しずつ〝育って〟る……」
 サキが暗い面持ちで言った。
憑きモノ筋の象徴たる〝天紋〟は、彼らが生まれた時から背中に刻まれている奇妙な痣だ。この痣は時間と共に葉が広がるように成長し、羽のような形を形成していく。しかし、これが何を意味するのかは当人達もよくわかっていない。
「何なんやろなー! 〝天紋〟が完成すると、あたいら死んじゃうんかなぁー」
「「「「……」」」」
 親戚の集まりでそういう話を耳にしたことがあった。
「あ、ごめんごめん。言わん方が良かったな。悪い」
 ヒロミは男勝りなヤンキー娘。あまり物を考えずに発言するが、サッパリとしている。


「いや、ヒロミちゃんのせいじゃないよ。でも、どうなっちゃうんだろ、わたし達……」
「そうだな……もし俺が死にそうになった時は、キスを……」
 ミャンにぞっこんなはじめはそう言って、ミャンに近付く。
「ダメダメ! あんとはキスなんかせん!」
「あはは、照れちゃって、かわいい」
「「「……」」」
 サキ、ナナミ、ヒロミはまた始まったかと呆れた。
「そう言えば、最近、めえちゃんとこ行ってないなぁー。今日は帰りに行ってみようかな」
 ナナミはポツリと独り言を言った。

 講義が終わると、受講生が一斉に移動を始める。コノハは横でぐっすりお眠り中のカリンを肘で小突いた。
「おーい、カリン、起きやー。抗議終わったでー」
「むにゃむにゃぁ……」
 起きる気は無いらしい。こういう時はある言葉を耳元で囁く一発で起きる。
「transfur」
「何やてぇー!」
 カリンがピクッと反応したと思いきや、その勢いで飛び上がった。
「カリン、行くでー」
「え? あれ、今、何か重要なことが聞こえたような……」
 カリンは首を傾げつつもコノハの後を追った。


 外に出るとむわぁ~と熱気が広がった。ジィーと蝉の鳴き声が聞こえる。山の中に建つこの大学は田舎を象徴するかのように、年がら年中何かしらの生物の鳴き声が聞こえてくる。二人はざわつく校舎を歩き、〝部室〟へと向かった。


「あれ? ナナミちゃんやんー」
 扉を開けると中にはアイスクリームを食べている鹿目ナナミがいた。ナナミはコノハより二つ上の四回生。
「お、コノハちゃん~講義終わり?」
「うん、そー。あー、いいね、冷房効いてる」
「アイスぅ~いいなぁ、うちも買ってこようかな、コノハどう?」
「そやね、生協に買いに行こかー。それじゃ、ナナミちゃん、ちょっと行ってくるわー」
「はひはひ~」
 ナナミはアイスを食べながらコノハ達を見送った。


 コノハ達が行った部室は正確には部室ではない。何故なら、コノハは部活動には所属していない。所属しているのはサークルだ。コノハが大学に入学した時、部活・サークル勧誘に迷っていたところ、カリンが一回生であるにも関わらず、〝四つ足同盟〟という名のサークルを立ち上げた。それに無理矢理入らされることになり、結局、他のサークルに入る機会を失ったのだ。カリンが上の大学の上の人達にいろいろ掛け合ったらしく、大学内にサークル部屋を獲得したのだ。サークル室と呼ぶのも違和感があるので、みんな部室と呼んでいる。
「アイス♪ アイス~♪ お、あれはテンリやん! やっほー!」
 ウキウキと生協に入ったカリンはテンション高めに、何かを探している日向テンリの肩を叩いた。テンリは高校時代の同級生である。
「お、何やー、カリンか。あ、コノハも一緒」
 テンリがコノハとカリンの方を向いた。
「どもどもー! テンリも講義の休憩中?」
「そうそう」
 カリンはテンリにスキンシップを取るや否や、すぐにアイスを漁り始めた。
「次も講義あるんー?」
「うーん、あることはあるけど、今日はサボろうかなって」
「ほほう、それはいかなる理由で?」
「ふっふっふ。彼と遊ぶのよん♪」
 テンリは大学に入学してから積極的に彼氏を作っている。しかし、どれも半年ももたない……
「くぅー! 羨ましいようなそうでないような! そっか、それじゃ、今日は部室には寄らないね」
「うんー、そやね。また適当に顔出すよ」
 テンリも一応、四つ足同盟に入っている。というか、カリンが勝手に入れている。テンリは彼氏ができると同じ大学でもなかなか会う機会が少なくなる。
「あれ、コノハ、アイスはー?」
 テンリと話している間、カリンはちゃっかりレジを済ませていた。
「あ、早いな、カリンー。それじゃ、テンリ、またね!」
「うん、また! カリンもな!」
「おう!」


 アイスを買い、テンリと別れた二人は再び部室に戻った。扉を開けると……四つ足メンバーが増えていた。四回生の熊野サキ、三回生(留年組)の犬森はじめ、馬場ヒロミ、猫柳ミャンである。
「おぉ、めえのご親戚一同様」
 カリンがそう言って部屋に入る。そう、今、部室にいるメンバーはコノハ、カリンを除くとみんな親戚同士なのだ。親戚一同の彼・彼女らは苗字にある動物の〝憑きモノ〟に憑かれていて、苗字の動物に変身することができる。カリンは大学に入るや否や、憑きモノの彼・彼女らを掻き集め、四つ足同盟に入部させたのだ。初めは面倒臭がっていた人達も、今では暇つぶしの場所としてここを利用している。
「ナナミちゃん、研究室どぉ?」
「うーん、ぼちぼちかなー。サキちゃんとこは?」
「うんー、何か研究室とか初めてでまだちょっと慣れないかなぁ……」
 四回生に普通に進級したナナミとサキが卒研のことについて話している。一方、その他三人は……
「あー、もうしょーもない講義ばっかやん、あんなんやってられないって!」
 ヒロミがパイプイスをガタガタさせながら言った。
「あと単位どれくらい取らないといけないんだっけ……去年は遊び過ぎたなぁ」
「ミャンはあと28単位だろ」
 ミャンが思い出す前にはじめが言った。はじめは誰にでもわかるくらいオープンラブで、ミャンに絶賛片想い中なのだ。しかし、その心はミャンには届いていない様子。
「ありがと。28単位かぁ……」
 何故ミャンの残りの取得単位数をはじめが把握しているのかについての突っ込みはなかった。
「なぁ、ナナミ、サキ、研究室てどんなん?」
 ヒロミがくるっと振り返って、二人の話に割り込んだ。
「うーん何だろ、わたしんとこはまったりな感じ?」
 ナナミが答える。
「私のとこは……ちょっと怖い……」
 サキが答える。
 ヒロミにはどんな感じなのかイマイチよくわからなかった。
「あぁ! そや! 今日、バイトやった!」
 カリンが思い出したように言う。
「あ、そうだったっけ。私も忘れてた!」
 コノハはカリンと同じところでバイトをしている。
「コノハ、急いでいかな。遅れそうやん」
「そやな、それじゃ、みんな、今日は帰るわ!」
 二人がバタバタして部室を出て行くと、中には親戚一同のみが残る形となった。

「〝星の消化〟こと〝ガイア・ダイジェスト〟が起きた後、地球全体の質量が減少したという研究者と特に変わっていないという正反対の仮説が提唱されている。Mike et al. (2322)は前者の地球の質量が減少したという説を支持し、後者のAmatsu et al. (2432)は地球の質量は変わらなかったとしている。果たしてどちらの説が正しいのかは未だ決着は付いておらず、今も激しい議論が繰り返されている。仮にAmatsu et al. (2432)が正しいとした場合、〝ガイア・ダイジェスト〟で消失した我々人類、さしては地球上の生命は一体どこにいってしまったのか。これについては〝蒸発説〟、〝ブラックホール説〟、〝アブダクション説〟など様々な説が提唱されているが、未だにどれも矛盾が残っており、有力な仮説は提唱されていない。」


 第三講義。人類歴史社会学。
 冷房の効き過ぎる講義室で月島コノハは講師の説明するこれまでの人類の歴史に耳を傾けていた。コノハは大学二回生、二十歳。とうとう大人になってしまった。子供の頃は大人になれば何でもできるようになるから早く大人になりたいと思っていたものの、現実は何でもできるようになる訳では無かった。義務教育の延長線上でダラダラと、日々同じようなキャンパスライフを過ごしている。


 この講義が終わると、外で蝉時雨が降り注ぐ暑い夏を嫌でも体感せざるを得ない。〝ガイア・ダイジェスト〟で人類の文明が一時停滞し、地球温暖化が緩和されたといっても、今はかつて人口70億人を超えていたかの時代に再び戻りつつある。歴史は繰り返す。地球温暖化は再び起こり始めた。この現象に人類が大きく関与していることはもう誰もが認めざるを得ない事実だろう。
「あー、〝抗癌獣化剤〟を打たなきゃ……」
 コノハは抗議中、様々な回想に耽っていたが、今日はまだ抗癌獣化剤を打っていないことを思い出した。


 コノハは約2年前、腐れ縁で幼馴染みでもある星谷カリンの頼みで、高校からの帰り道、一見はただの風俗店、しかしその裏の顔は獣化体験ができるというかなり特殊な店〝ビーストトランス〟に同行することとなった。初めは信じられなかった。しかし、その店では〝動物変身薬〟を打つことで、時限的に動物に変身することが可能だった。コノハはその場の流れで〝動物変身薬〟を打ち、初めて〝変身〟という感覚を体験した。しかし、この体験がきっかけとなり、コノハの体の中で眠っていた特殊な遺伝子――仮に〝第三遺伝子〟と呼ばれている――が活動を始めてしまったのだ。この日以来、コノハは触れた動物に変身できるようになった。コノハは様々な動物に変身し、動物の体を体験した。変身は諸刃の剣であることを考えもしなかった……


 大学受験の迫るある日、コノハに変身の反動が起こった。変身を多用することで、急激に活発化した第三遺伝子の複製がエラーを生じ、癌化してしまったのだ。コノハは〝ビーストトランス〟が持つ病院で入院生活を送ることになった。癌化した第三遺伝子が変性を繰り返した結果、コノハの体はキメラのように様々な動物が入り混じった姿となり、ヒトの姿に戻る見込みは限りなく薄かった。しかし、コノハは友人らに助けられ、奇跡的にも癌化した細胞を取り除き、ヒトの姿に戻ることができたのである。


 その後、自発的に変身することはなくなったが、時たま、体が勝手に変身を始めようとすることは何度かあった。そして、その突発的獣化を抑えるために開発されたのが抗癌獣化剤だ。抗癌獣化剤は開発中のものであるが、突発的獣化の確率を下げることができるという。良いのか悪いのか、抗癌獣化剤は〝ビーストトランス〟から無償で提供してくれるとのこと。何故ならコノハから取ったデータは、動物変身薬の開発に大きな意味を持つとのことで、実験体にされている気分でもあるが、実際、突発的獣化を抑える薬があるだけでもありがたかった。

――虹幻世界。
 マイク付きの端末前で話した言葉が自動変換されて掲示板に書き込まれ、また同時に書き込まれた内容を棒読みしてくれるネット上の掲示板。たまに誤変換が起きるが、自分の発言はキーボードで手動修正をすることが可能。ネット住人達にとっては誤変換も一種の娯楽となっている。



600.ケモノになりたい貴方
なぁ、TFのtransfurって造語? 英和辞典で検索しても出てこないのだが。


601.萌王
》600 このスレを見ていてまだtransfurの意味も知らない奴がいたとは……trans+fur=transformation(変換)+furry(獣人) おk?


602.ケモノになりたい貴方
TFで検索してロボが出てきた時のあの虚しさ。


603.ケモノになりたい貴方
》602 奴らは我らの宿敵。


604.ケモノになりたい貴方
》602 603 同志よ 今こそ獣化のチカラを開放して奴らを滅ぼさん! ガルルルルル。


605.ケモノになりたい貴方
》601 ちょwwwwww 最近見ないと思ったらアンタまた帰って来たのかよwwww


606.ケモノになりたい貴方
そういや最近発売されたゲームの『ケモライフ』ってどんなの? TF要素ありとの話なのだが。


607.ケモノになりたい貴方
僕は知っている。萌王はケモノに堕ちたのだ。


608.ケモノになりたい貴方
》606 ケモライフやってるけど、神ゲーの予感。人間界と獣界があってな、獣界に行くと姿が変わるんだわ。しかもシークエンス付き。


609.ケモノになりたい貴方
シークエンス……付き……だと……


610.ケモノになりたい貴方
ケモライフはいいよね。ネット介して世界中の人とパーティー組めるし。自動翻訳機能もあって外人ともプレイできる。これで〝イラドロ〟でTF絵がたくさんうpされれば……


611.ケモノになりたい貴方
MADIKAYO! 俺もケモライフ描いてー!!


612.ケモノになりたい貴方
》605 触れるな。


613.ケモノになりたい貴方
》611 TFフォルダ開けて待機。


614.ケモノになりたい貴方
》613 スマソ 誤変換。


615.ケモノになりたい貴方
ケモライフは攻略進むごとに変身できる種類が増えるのもいいよな。


616.ケモノになりたい貴方
》615 ♂もいる?


617.ケモノになりたい貴方
》616 ♂も♀も選べる。家建てれるし、ダンジョン行けるし、TFできる。


618.ケモノになりたい貴方
なにその神ゲー。


619.ケモノになりたい貴方
投下 http://henka2009.kemono.jp/illust/own/my13.jpg


620.ケモノになりたい貴方
ケモライフのドラゴンはエロイという話だが、詳細求む。


621.ケモノになりたい貴方
あー、こう暑いともう、なんていうか、その、あの……ガウガウ。


622.ケモノになりたい貴方
》621 夏の熱さとTF熱を勘違いしてしまったのですね わかります。


623.ケモノになりたい貴方
》601 サンクス。Furryの意味を調べたら〝毛皮で覆われた〟って書いてあったが、サメやヘビはtransfurに入らない?


624.ケモノになりたい貴方
》623 貴様! TF初心者か!! 許せん、許せんぞ貴様アアァァァァァ!! ようこそTF界へ(^ω^)


625.ケモノになりたい貴方
》623 入らない。もふもふしている生き物だけ。


626.ケモノになりたい貴方
》625 ニンゲン以外へのTF全部transfurじゃね?


627.ケモノになりたい貴方
》626 ああ、あの南極にいるUMAか。


628.ケモノになりたい貴方
》627 話の腰を折るな。


629.ケモノになりたい貴方
》628 腰がまっすぐ伸ばせなくなってそのままケモノになるのですね。


630.ケモノになりたい貴方
》629 乗るなww


631.ケモノになりたい貴方
transfurのfurはfurryだから……哺乳類限定?


632.ケモノになりたい貴方
》631 厳密に言うとブタとか該当しないだろ? 毛無いし。


633.ケモノになりたい貴方
》632 毛あるよ!


634.ケモノになりたい貴方
毛皮だから……鳥類もおkてこと?


635.ケモノになりたい貴方
毛皮で覆われているってことだったら……毛虫もおk?


636.ケモノになりたい貴方
この流れだとヌイグルミ化もおkだな。


637.ケモノになりたい貴方
》636 生きてないから却下。


638.ケモノになりたい貴方
》637 (´・ω・`)


639.ケモノになりたい貴方
実際どこまでが〝ケモノ〟なんだろうな。哺乳類、鳥類、爬虫類までは言えそうだが……サメとかをケモノと言うのはちょっと違和感。


640.ケモノになりたい貴方
ウィキるとケモノやfurryは必ずしも哺乳類であるとは限らないて書いてるぜ。


641.ケモノになりたい貴方
》640 じゃあ人間以外なら何でもおkてことか。Transfur=人間以外の生物に変身すること。


642.ケモノになりたい貴方
ドラゴンとかはどうなんだろ?


643.ケモノになりたい貴方
》642 もちろん可。


644.ケモノになりたい貴方
ラミアやケンタウルスは?


645.ケモノになりたい貴方
》644 人外スレへ逝け。


646.ケモノになりたい貴方
おまいら、せっかく投稿してる人いるんだから反応返してやれよ…… 》619 GJ


647.ケモノになりたい貴方
》646 だって黒いし……


648.ケモノになりたい貴方
一枚絵はなぁ……シークエンスだったらいいんだが……


649.ケモノになりたい貴方
》648 のシークエンス絵に期待。


650.ケモノになりたい貴方
》648 どんなに素晴らしい絵ができるのやら。


651.ケモノになりたい貴方
》649 650 もちつけ。荒らすんじゃない。


652.ケモノになりたい貴方
定期的に荒れることはもはや日常。


653.ケモノになりたい貴方
でも実際、下手な人の絵を見るとがっかりする。


654.ケモノになりたい貴方
》619 乙。そのまま精進してオカズをおくれ。


655.ケモノになりたい貴方
》653 まぁ、そう言うなや。もしかしたらコロンブスの卵かもしれないぞ。


656.ケモノになりたい貴方
》653 この狭い界隈がさらに狭くなる。


657.萌王
まったくおまいらときたら毎回毎回同じことを言って進歩しないなぁ。おまいら全員厨房か?


658.ケモノになりたい貴方
》657 おまいはでてくるなし。


659.ケモノになりたい貴方
》658 おまいも反応するなし。


660.ケモノになりたい貴方
》659 オマエモナ―。プギャ――m9(^Д^)――!!


661.ケモノになりたい貴方
で、結局、このスレ的にヌイグルミ化はどうなんだ?


662.ケモノになりたい貴方
》661 もう好きなようにすればいいと思うよ。


663.ケモノになりたい貴方
ロボでケモノ型になるというのは……


664.ケモノになりたい貴方
》663 貴様! さては刺客だな!


665.ケモノになりたい貴方
》663 オレが萌える絵だったら可。


666.ケモノになりたい貴方
あぁ、ブタになったら、何も争わずただ喰って生きるだけなのに……


》666 わかった。じゃあ、今からブタにしてあげる。クスクスクス……


668.ケモノになりたい貴方
》666 獣の数字おめ。


669.ケモノになりたい貴方
!? 何だ、今、幼女の声がしなかったか?


670.ケモノになりたい貴方
》669 聞こえた聞こえた。そんな機能もあったのか?


671.ケモノになりたい貴方
》670 いや、そんな機能無いぜ。この電子音的な棒読みの声だけ。


672.ケモノになりたい貴方
え……俺も聞こえたけど、幼女の声……


673.ケモノになりたい貴方
え……な、何だ? 体が急にフゴォ!? え……TF? 痛い……痛い痛い痛いイィィィィィィ!!!


674.ケモノになりたい貴方
何だ? 何がどうした?


675.ケモノになりたい貴方
お、おい……スレ遡ってみろ。667の表示が無い……どゆこと?


676.ケモノになりたい貴方
痛ェェェェェ! 嫌だ嫌だ嫌だ。体中が痛いい痛い。はぁはぁはぁ……手が……これは……ブタの蹄? あ、あぁっ、アアアアァァアアアあああ嗚呼アアアアア―――!!


677.ケモノになりたい貴方
》675 ナンバー出ないってことは端末の前にいないってこと?


678.ケモノになりたい貴方
嫌だ嫌だ嫌だあああああ、マジで? マジでブタ化してる? はぁはあはぁはぁ……痛い痛い痛い。助けてくれ、誰か助けてくれぇえええぇぇぇぇー!!


679.ケモノになりたい貴方
》678 え? え? 演技? マジ?


680.ケモノになりたい貴方
》679 まじな訳ないだろ。荒らしは放っておけ。


681.ケモノになりたい貴方
顔があああぁぁ――フゴォッ、い゛や゛だぁぶぎぃぃぃー! ブヒッ! 痛イ゛ブギィイイイィィィィブギイィィィッ――――!!


682.ケモノになりたい貴方
荒らしなの? なんなの? 突然イミフなんだけど?


》677 正解。クスクスクス。666は望んでいた可愛い子ブタちゃんになりました♪


684.ケモノになりたい貴方
ちょ、また幼女の声……なんかヤバくね?


685.ケモノになりたい貴方
オレも聞こえた。幼女の笑い声……


686.ケモノになりたい貴方
ブヒブヒブヒブヒブヒ、フゴォッ!


687.ケモノになりたい貴方
683の表示が……無い……


クスクスクス。ちょっと失敗しちゃって人の部分残ちゃったみたい。みんなにも見せてあげるね。wWw.piGTf.jP

「美、美。おいで」
「はい、お父様」
「我が一族の使命はわかっているな?」
「はい、我ら一族は魔を退け、人の世に平静をもたらすことです」
「よろしい。美、お前は賢い。お前を手放すのは惜しいが、この先、我ら一族を率いていかねばならない。お前はもう異郷の地で修行する年頃になった。彼の地で人々を助けてあげなさい」
「! ……わかりました、お父様。オレ……いや私はどこに行けばいいのでしょうか?」
「インドは霊験を得ることにふさわしい場所だが、今は能力を底上げるのではなく、実践を積んでほしい。私は感じている。この先、世界に大いなる災いが降り注ぐ。すべての人々を救うことは非常に難しいが、出来る限り多くの人々を救済したい」
「お父様……」
「美、お前ならわかってくれるな?」
「はい! お父様!」
「ありがとう。それでは、お前にこれを授けよう。これを使いこなせるように修行なさい」
「こ、これは……わ、わかりました。ありがとうございます!」
 美が受け取ったものは、先祖代々受け継がれてきた〝宝貝〟だった。


(※オレンジ色は日本語以外ということで)

「はぁ……はぁ……助けて……くれ……助けてくれよ……お巡りさん……」
 ある日、息が荒い男が駐在所にやって来た。しかし、男を見た警察官は一瞬にして顔を強張らせた。
「なぁ……助けてくれよ……悪い……夢を見ているんだ……はぁ……はぁ……お願いだ……もう……限界なんだ……アイツが、アイツがまたイルんだよぉ……殺しても殺してもコロしてもコロシテモ何度殺しても次の日に生きているんだよおおおおぉぉー! はぁはぁ……」
 男の着ていた服には紛れもなく、血がべったりと付いていた。
「もう嫌だ……嫌だいやだイヤダ! 殺し疲れた……なぁ、助けてくれよ、お巡りさんよぉ……逮捕でも何でもいい、俺を……助けてくれ……」
 男はガタガタと震え、精神に異常があるように見えた。
「……」
 警察官はこの奇妙な出来事に顔を顰めたが、何があったのか男から詳しく事情を聞くことにした……




 そこに愛は無かった。男が愛した女は、男ではなく金を愛していた。男はひょんなことから大金を手に入れることになった。宝くじで一等が当たってしまったのだ。これを機に貧しかった男の生活は一変した。それは狂い始めたと言っても過言ではなかったかもしれない。
 男は手に余る大金をチラつかせ、女を弄んだ。しかし、その中で一人だけ男が本気で愛した女がいた。しかし、女は男を愛しているように見せかけ……金を愛していた。
 男がその事実に気付いた時、この世はやはり金なのかと、絶望した。同時に、女に注いでいた溢れんばかりの愛が形を変えて男の体を乗っ取った。


 その愛の別の名を憎しみと言う。


 憎しみに憑かれた男はいつもと変わらぬよう、女に愛を注ぐ振りをして――人が超えてはいけない一線を超えてしまった。憎しみに憑かれた男は一線を超えたところで、我に返った。取り返しのつかないことをしてしまった。正気に戻った男はもう二度と動くことの無い女を見て、泣いた。そこには確かに愛があった。
 泣き疲れた男はいつの間にか眠ってしまっていた。目を覚まし、昨日の罪を償うべく、男は出頭しようと決意した。


 しかし、そこで奇妙な出来事が起きた。


 男が振り返ったその先に……女はいなかったのである。撲殺したはずの血だまりを残して。
 男は不安になった。部屋中を探しまわった。しかし、殺したはずの女の体はどこにも見付からなかった。女は生きていたというのか? 昨日の出来事は夢だというのか? 男は今、夢を見ているのか、現実なのかの判断がつかなくなった。
 男は部屋にいたままでは頭がおかしくなってしまうと思い、扉を開けて外に出た。すると……そこに、女がいたのである。理解しがたい事に、女は全裸で何故か手を地面に着き、四足で歩いていた。


「ははっ、アハはあはアハはっひゃヒャひゃはぁハぁはアハハハハハー!」


 男は笑った。嗤った。哂った。自分が殺したはずの女が部屋から消えて外で服も着ずにしかも四足歩行をしている。これほどおかしな状況は他に考えられないだろう。狂ったように笑い続けた男の熱がやがて冷めた時、とりあえず人目に付かないよう、男は女を部屋に匿った。男は田舎のボロい一軒家を借りてくらしていたため、幸いにもこの奇妙な光景は誰にも見られなかった。


 女は何故か抵抗もせずに男の家に入った。しかし、女の様子は明らかにおかしかった。部屋に入った女は相変わらず四足で歩行し、時に足を器用に使って耳を掻こうとしたり、ペロペロと舌で体を舐めたりした。男が服を着せようとすると、女は嫌がり、「ミャァ」と言った……いや、鳴いたのだ。
 女の行動はまるで獣だった。そう、鳴き方から類推するに、まるでネコのようであった。
 男はこれこそ夢を見ているのではないかと思い、自分の体を傷付けたが、目の前の光景は紛れもない現実のものだった。


 女は自分をからかっているのだろうか? しかし、女の取る行動は明らかに獣のそれだった。試しに女に食事を出してみた。すると女は男の予測したように、地面に顔を付けて、口だけでご飯を食べた。
 初めは訳のわからない出来事に拍子をつかれたが、これから先この女をどうしたらいいのかがわからず、だんだんイラついてきた。
「みゃぁっ! みゃぁっ!」
 女は食事の後、さらに餌をねだるように男の足元に体を擦り寄せた。意味がわからない。何故殺したはずの女が消えていたのかも女がネコのような行動しかしないのも。わからない、何もワカラナイワカラナイワカラナイ。
「ハハッ……悪い夢だ。間違いない、これは悪い夢だ。これが悪い夢だとしたらどうしたら目が覚める……?」
 悪い夢、悪いユメ、ワルイユメ……これが夢だとするならば、何をしたって構わない。とにかくこの意味不明な行動をする女を黙らせよう、昨日ヤッたように……
 男は動かなくなった女を庭に埋めた。しかし、男に再び眠気が来るまで、悪い夢は覚めなかった。


 翌朝、男は起きた。そして部屋の中を見回すと、女はいなかった。やっと夢から覚めた。男がそう思って外に出ると……再び女が四足歩行で歩いていた。
「わんわんっ!」
 今度はイヌのような鳴き声を出して来る。行動も昨日と違い、イヌのような行動をしていた。悪い夢はまだ続いていたのだ。男はすぐに部屋から鉄のパイプを持ち出すと、その人間なのかイヌなのかよくわからない女の形を模したソレを撲殺した。
「はぁ……はぁ……」
 男は再び庭に穴を掘ってソレを埋めた。ソレを埋め終えた後、男は昨日埋めた場所が存在していることに気付いた。昨日の出来事は続いていたのだ。自分の記憶が正しければ、ここには昨日殺したはずの女が埋まっている。そう、そのはずだ。
「いない……」
 気になって掘り返したそこには何もいなかった。
 男は背筋がゾクリとするものを覚え、すぐ部屋に籠った。何も考えないように布団の中で寝続けた。もう朝なのか夜なのか、自分が生きているのか生きていないのかも何もかもがよくわからなかった。


「ゲロゲーロ、ゲロゲーロ」
 布団の中に籠っている男の耳元に、カエルのような鳴き声をする女の声が外から聞こえてきた。男は無視した。ひたすら無視した。しかし、鳴き声は止まない……
「このクソがあああぁぁあぁぁぁぁ!!!」
 男は鉄パイプを持って雄叫びを上げながら外に出た。すると、そこには地面に這いつくばり、体をくねくねする全裸の女がいた。まるで手足というものを知らないかのように、その女はひたすら地面を這っていた。まるでヘビのように。
「ゲロゲーロ、ゲロゲーロ」
 そして、その近くで、ピョンピョンともう一人の女が跳ねている。増えていた。姿形が同じ女が二人いる。しかし、その行動はまるでヘビとカエルだった。


「うわあああぁぁ! うわああぁぁぁぁ!」


 考えることを止めた男は目の前の悪夢から逃れるように、一心不乱に二人の女を……
「はぁ……はぁ……はぁ……そうだ……警察……警察に行こう……お巡りさんなら……助けてくれるはず……」
 男は夢遊病者のようにフラフラと体をよろめかせながら駐在所に向かった――




「何だ……ここは……」
 男の妄想まがいの話を聞き、早速男の家に調べに来た警察官は男の部屋を見て唖然とした。部屋の中は男の供述と一致していた。部屋には黒ずんだ血の付いた鉄パイプが転がっており、それは部屋のあちこちに飛び散っていた。


 警察官は男が本当に殺人を犯した可能性があるとみて、仲間を呼んで本格的に調査を開始した。

 ところが、事件は収束するどころか、奇妙な方向へと転がってしまった。男が言う、女の遺体はどこを探しても見付からないのだ。その代わりに見付かったのは、ネコ、イヌ、ヘビ、カエルの体の一部。しかし、鉄パイプに付いていた血痕はDNA鑑定の結果、間違いなく男が供述する女の血液であった。


 さらに奇妙なことがもう一点。男の家周辺で見付かったネコ、イヌ、ヘビ、カエルの体の一部からは何故かその女のDNAが検出されたのだ。警察はこの奇妙な事件に皆、首をひねった。男は自分を逮捕してくれという。しかし、その証拠が出てこない。これでは仮に逮捕してもすぐに釈放することになるだろう。


 奇妙なことと言えばもう一点。男が駐在所に駆けこんだ後、まるで初めからそうだったように、その場所に女が現れることはなかったという……

〟に触れ過ぎてはいけない。


〟は〝機〟に〝鬼〟になってしまう。


〟に魅入られてはいけない。


〟が〝飢〟したなら〝帰〟すことはできない。


〟は境界。


〟は〝喜〟も〝危〟も孕む。


 だから人は、だからこそ人は、その好心を抑えられない。


 怪は人の手に余るモノだと言うのに――

 2010年12月にNASAから発表された極限環境微生物GFAJ-1はリンの不足環境下で、通常の生物では有毒で摂取することができないヒ素を代用するという。当時、ついに宇宙生物発見か?などとネットでは盛り上がっていた。この発見はこれまでの地球上に存在する生物の概念を崩し、宇宙にも生命が存在する可能性を大きく展開させた。


また、現存する地球上の生命の始原は複数あった可能性も示唆された。つまり、現存生物の中には同一環境下での自然選択の圧力により、異なる祖先系の生命が収斂進化して、特殊な方法を用いない限り、見分けがつかないものがいるかもしれないということだった。生命がいつ誕生したのかはタイムマシンでもつくられない限り、推測の域を出ない。地球起源なのか、宇宙由来なのか、はたまた、生命の誕生は一度限りなのか、複数起こったのか……


地球外生命体への期待が高まった矢先、2012年12月。〝ガイア・ダイジェスト〟が起きてしまった。地球上の生命が激減し、人口が回復し始めたある時代、こういった噂が世界中のネット上で広まった。


『ガイア・ダイジェストは宇宙人によって引き起こされた』


 しかし、その科学的証拠は全くなく、単なる噂で終息を迎えるはずだった……
 ところが、事態は一変する。噂がテレビでも取り上げられるほど強くなった時、NASAから『地球外生命体を捕獲した』という公式発表があった。


 発表の内容はこうだった。


『惑星探索機で回収し地球に持ち帰った様々な惑星の土壌を観察した結果、動き回る微生物を発見した。遺伝解析で系統樹を作成した結果、地球上の系統樹と大きく異なるクラスターを形成した。このことから、この微生物は歴史上初となる生きた地球外生命体とみて間違いないだろう』


 この微生物の発見を機に、地球外の惑星から回収された土壌を研究した結果、他にもいくつもの地球外生命体が見付かり、それらは総称してエイリアン・スピーシーズと名付けられた。
 これにより、宇宙規模の生物分類学が設立されたのである。


 一方で、地球上に存在する生命もまだどれくらいの種数があるのかは未解明のままだった。しかし、地球上に存在する生物について、NASAは多くのUMAも捉えることに成功していたという。だが、UMAは新種として論文に発表されることはなく、実際どうなのかはよくわからないままであった。



 〝ガイア・ダイジェスト〟。
 〝星の消化〟とも呼ばれるこの現象は、〝ポールシフト〟が原因と言う説もある。突然宇宙に出現した巨大な磁力を持つ流星に地球の磁場が引き寄せられ、その流星が地球に最も近づいた瞬間、地球上に無数の小規模ブラックホールが瞬間的に発生し、亜空間の中に多くの生物が吸い込まれたという説だ。その証拠に、〝ガイア・ダイジェスト〟発生後に地球上の質量が著しく軽くなり、惑星の軌道が太陽に近付いたというデータがある。
 しかし、現在も地軸は〝ガイア・ダイジェスト〟以前の位置と変わらないことから、本当に〝ポールシフト〟が起きたのかは以前謎のままであるという。


 当然ながら、〝ガイア・ダイジェスト〟を神の裁きだと信じる人々もいる。生き残った人々は選ばれた人類であると。しかしながら、それら宗教上の解釈は科学的根拠を軽視する傾向があり、まさにご都合主義といった側面も垣間見えた。実際に消失したのは人類だけではなく、地球上のありとあらゆる生物なのだ。


 現在の生態系は〝ガイア・ダイジェスト〟以前と大きく変わっているという。ヒトの干渉が減少し、生態学的地位に豊富な空きができた環境下で、再度、激しい生存競争が繰り広げられたという。


 〝ガイア・ダイジェスト〟を機に、多くの生物は新しい環境下にいち早く適応し、多くの子孫を残せるよう進化した。ヒトもまた絶滅の危機に晒される状況下だったため、体のつくりが以前と比べて進化したという話だ。


 〝ガイア・ダイジェスト〟に相当する地球の歴史上の奇怪な衝撃はこれまでに――オルドビス紀、デボン紀、ペルム紀、三畳紀、白亜期――五度あったとされている。一番有名なのは恐竜大絶滅だろう。その恐竜大絶滅でも地球上の生命の七割が絶滅したと考えられている。しかし、当時を知る者はおらず、多くの生命が何故消え失せたのかは未だ推測の域を出ないのである。