皆様、おはようございます。
2012年6月13日水曜日、平日の真ん中です。
今日も昨日も明日も、楽しく学んで、働き、生きましょー♪

昨日も「図書館ニュース屋さん 」を更新しましたので、
興味がある方は是非是非どうぞ。

さて、確かイラクの図書館員さんが、爆撃を避ける為、図書館の本を自主的に避難させたという実話が絵本になっていましたっけ。
バスラの図書館員―イラクで本当にあった話/晶文社
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 ※素敵解説サイト様 新・豆酢館別館
 
そう。そうなんだよな。
本が読めるという幸福って、命の危険性がない&識字率が高いの二つが達成されないと起こらないんです。

今、ミャンマーでは宗教対立が激しくなっているそう。

他宗教の女性への暴行
別人への報復
報復の報復が憎しみの連鎖を強めています

私たちはどこでどうすれば、この連鎖を止められるんでしょうか。

どうか、かの地の人々がイスラム教信者も仏教徒も互いに尊重し合い、
読書できる環境ができますように

何もできない今は、ただ心からそう願います。




■参考ニュース■
バングラデシュ: 深刻化するロヒンギャ族への迫害 MSF、当局に暴力の停止と保護を求める
http://www.msf.or.jp/news/2010/02/4367.php
2010年02月19日 国境なき医師団 日本
 ミャンマーからバングラデシュに避難してきた、数千人に及ぶ国籍のないイスラム系少数民族ロヒンギャ族に対して、現地当局による暴力や迫害が続いている。避難民の住居が点在するバングラデシュのコックスバザール地区からは、当局や現地住民の暴力や迫害を逃れ、多くの人びとがクトゥパロン仮設難民キャンプに身を寄せている。この場所で、負傷者らの治療にあたる国境なき医師団(MSF)の患者の中には、バングラデシュ当局によってミャンマーへ強制送還されそうになった人たちもいる。 2010年2月18日、MSFは報告書*を発表し、ロヒンギャ族避難民への暴力の即時停止と、バングラデシュ政府と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)へロヒンギャ族の保護措置を早急に拡充するよう訴えた。

クトゥパロン仮設難民キャンプには、2009年10月以来、6000人以上が到着し、うち2000人は1月に到着した。避難民たちは過密状態で不衛生な土地の一画で、就業の機会も食糧援助もないまま、避難所の撤去におびえて生活している。MSFは、難民キャンプで受け入れる人数が増えるにつれ、人びとの健康に深刻な影響が出ることを深く懸念している。

バングラデシュにおけるMSFの活動責任者、ポール・クリチェリーは語る。

「バングラデシュ政府は、ロヒンギャ族に対する暴力行為を即座に停止し、保護を提供することが必要です。UNHCRも明確な方針を打ち出すために、大きく踏み出す必要があります。そして国による保護を失った人や保護を求める国がない人びとへの国際的な保護者としての役割が、バングラデシュ政府によって疎かにされることのないように求めなければなりません」

ミャンマーの民族・宗教上の少数民族であるロヒンギャ族は、迫害を逃れるため数十年にわたってバングラデシュへ避難し続けている。しかし、バングラデシュ政府によって限定的な範囲でも難民としての地位を認められ、現在UNHCRが監督する公設難民キャンプで生活しているのは2万8000人に過ぎない。これとは対照的に、難民認定のない20万人以上は援助もなく、非常に弱い立場で苦しい生活にあえいでいる。

2009年1月には、タイ政府がボート難民のロヒンギャ族を拘束した後、外洋に放置した「ボート危機」事件が起きた。この事件が示すように、ミャンマー政府から国籍の取得を拒否されているロヒンギャ族にとって、周辺アジア地域の複数政府による解決策は早急に必要とされている。

*MSF報告書要約(英文)

MSFは1992年からバングラデシュで医療を提供している。現在、クトゥパロンでのプログラムに加えてMSFはフルバリア郡でカラアザール治療プログラムを開始し、チッタゴン丘陵地帯で基礎的な医療プログラムを運営している。MSFは2009年5月末にバングラデシュを襲ったサイクロン「アイラ」による数万人の被災者にも対応した。

 国を持たない人々。ミャンマー西部ラカイン州に暮らすイスラム教徒のロヒンギャ族は、しばしばこう形容されてきた。30年前、ネ・ウィン将軍の独裁体制の下で施行された法律で「国民ではない」と定められたからだ。その数は80万とも100万ともいわれている。


日経新聞2012.6.12 春秋
▼ミャンマーといえばアウン・サン・スー・チーさん、スー・チーさんといえば民主化運動――。こんな連想が働く人は少なくないようだ。ただ同国には130の少数民族がいるとされ、複雑な民族問題でも知られる。なかでも、ロヒンギャ族の境遇は深刻だ。国連は「世界で最も虐げられている少数民族の一つ」という。

▼そのラカイン州で先週、多数派の仏教徒と少数派のイスラム教徒が激しく衝突した。5月から民族・宗教対立が高まっていて、とうとう暴発したらしい。家屋に火をつけたり刀剣で斬りつけたり。ネットには、ロヒンギャの人たちを「テロリスト」と決めつける書き込みも。憎悪が憎悪を生む、悲しい連鎖が起きている。

▼スー・チーさんは近く、1991年に受賞したノーベル平和賞の記念講演を行う。21年の時を経て、ようやくオスロ行きが実現する。昨年来の「民主改革」の進展を世界に印象づける機会ではある。一方で、ロヒンギャの人たちへの「国民ではない」との差別はなお続く。歴史を引きずるミャンマーの現実がそこにある。


西部州に非常事態宣言 ミャンマー宗教抗争激化
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012061202000103.html
2012年6月12日 東京新聞朝刊

 【バンコク=杉谷剛】ミャンマーのテイン・セイン大統領は十日、西部ラカイン州で激化しているイスラム教徒と仏教徒の抗争をめぐり国営テレビで緊急演説し、同州に非常事態を宣言した。

 現地からの情報によると、抗争は五月末、仏教徒の女性がイスラム教徒に暴行され、死亡した事件を機に始まった。

 今月三日には同州タンガップで数百人の仏教徒がイスラム教徒のバスを襲い、乗客ら十人が死亡した。

 八日には千人を超すイスラム教徒が報復として仏教徒の居住地区を襲撃し、仏教徒七人が死亡し、家屋約五百戸が放火や破壊の被害にあった。

 抗争は州都シットウェなどにも拡大。計四郡で夜間外出禁止令が出されていた。非常事態の発令は昨年三月の大統領就任以来、初めてとなる。

 大統領は演説で「平和と安定を取り戻すために、国民や政党、宗教リーダーが政府と力を合わせることを求める」と呼びかけた。その上で、報復や破壊活動が広がれば、改革や国の発展に悪影響を与えかねないと懸念を表明した。

 最大都市ヤンゴンでは十日、中心部にある仏塔シュエダゴン・パゴダに大勢の市民が集まり、抗争終結を願って祈りをささげた。

□参考メルマガ□
【毎日1分!英字新聞 #3032】sectarian tension 2012_6_12
http://archive.mag2.com/0000046293/index.html

State of Emergency Declared in Western Myanmar

Myanmar's president Thein Sein declared a state of emergency in the
western state of Rakhine where sectarian tensions between Buddhists
and Muslims led to a spate of violence.

■対訳 
「ミャンマー西部で非常事態宣言」

ミャンマーのテイン・セイン大統領は、仏教とイスラム教徒との間の
宗教的緊張から、暴行が相次いでいる西部のラカイン州で非常事態宣言
をした。

■訳出のポイント

emergency は大災害など 「非常の場合」 「緊急の事態」 という名詞。

declare a state of emergency だと 「非常事態を宣言する」
という言い方になります。

sectarian は 「宗派の」 「党派の」 という形容詞。

そこで sectarian tension で 「宗派間の緊張」 →
「(異なる)宗教間の緊張」 ということです。

ここでは、sectarian tensions between Buddhists and Muslims なので
「仏教とイスラム教徒の間の宗教的緊張」 としています。

日本語でも 「リードする」 といいますが、動詞 lead は 「導く」 「率いる」
「先導する」 の意。

lead to ~で、「~へ連れていく」 → 「~(という状態)に至らしめる」
→ 「~(という状態)を引き起こす」 「~を招く」 「~の原因となる」
という言い方になります。

spate は主に英国で使われる名詞で、もともと「大雨」「豪雨」「洪水」
を意味し、「多数」「多量」「大量」といった意味でも使われる語です。

a spate of ~ で 「多数(多量)の~」 → 「一連の~」 「相次ぐ~」
という言い方になっています。

したがって  led to a spate of violence で 「相次ぐ暴行を引き起こした」。

ラカイン州の住民は主に仏教徒で、その州名自体が仏教を信仰する
民族グループの名前に由来しているそうです。

しかし、州内には、国連が世界で最も迫害された少数民族だとしている
ロヒンギャ人 Rohingya など相当数のイスラム教徒も暮らしています。

仏教徒女性がイスラム教徒に暴行され殺害された事件を発端に、報復の
応酬とみられる襲撃事件が相次いでいる同州では、3日には女性暴行犯人ら
が乗っていると誤解した仏教徒たちがバスを襲撃して10人のイスラム教徒を撲殺。

8~9日には仏教徒の村の住宅数百軒が放火され合わせて7人が死亡しています。

これら一連の暴力事件の裏には、ミャンマー政府がロヒンギャ人を
自国の民族ではなく外国人だと見なしており、多くの市民は隣接する
バングラディッシュからの不法移民として敵意を持っているという
背景もあるようです。