Lちゃんのお泊り | へなちょこ母さん カナダ小話

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カナダ人の夫の山熊さん、息子、保護犬1匹と保護猫1匹とカナダで暮らしています。

Lちゃんは、恰幅が良くて、お日様と肝っ玉母ちゃんと台風をかき混ぜたような、見た目や服装は男性だけど、話し方は女性の、ラテンアメリカ人です。

 

そのLちゃんが義理兄のパートナーだった頃、家族大好きのLちゃんは、時々我が家にもやってきました。

 

ある金曜日の夕方、山熊さんがまだ仕事から戻らない時間に、スノーボードが入りそうな1.5メートルくらいあるような、とても長くて大きなバッグを持ってLちゃんが我が家にお泊まりにやってきました。

 

家に着くなり、

 

Lちゃん:くぅちゃ〜ん。さっそくお料理始めるわよ〜

 

と、バッグの中から、トルティーヤ用の平らなフライパンのようなもの、お鍋にトマト、にんにく、玉ねぎ、パクチー、鶏肉…。

次から次へと出てくる、出てくる。

わざわざバンクーバーからこんなに沢山持ってフェリーに乗ってやってくるなんて、凄いパワ〜。

Lちゃんペースでお料理開始。

 

そして、Lちゃんが玉ねぎを切っている時、

 

Lちゃん:くぅちゃん、玉ねぎってね、切ってると涙が出るでしょ。

友達が涙が出ない方法を教えてくれたの。

 

と、玉ねぎの外側の茶色い皮を頭の上に乗せました。

 

Lちゃん:こうやってね、玉ねぎの皮を頭に乗せると涙が出ないんですって。

 

見た目はまるで、タージマハール…。💧

 

Lちゃん…それ、騙されてると思うんだけど…💧

 

でも、Lちゃんがあまりに大真面目なので、笑うわけにもいかず、吹き出すわけにもいかず・・・。

仕方ないので、私はLちゃんを見ないようにして、うつむき加減でごまかしながら料理のお手伝いを続けます。

 

そして、しばらくすると、

 

Lちゃん:こんなものっ、全然効かないわっ❗❗ムキー

 

と、玉ねぎの皮をブン投げました。

 

さて、完成したLちゃんの本格ラテン料理は、

 

Lちゃんお手製のトルティーヤ

チキンライス

チキンファフィータ

サルサ

グアカモーレ

リフライドビーンズ

 

もう、それはそれはとても美味しくて・・・。

今でもその時のレシピを見ながら、うちでも作っています。

 

Lちゃん:ねぇ〜くぅちゃん、美味しいでしょ〜?

でもね、こういうのを毎日食べてると、こーなっちゃうのよ〜。

 

と、大きなお腹をポーンっと叩いてみせました。

 

さて、夜も深け、すっかり酔っ払ったLちゃん。

お喋りをしながらお酒を倒してしまいました。

するとLちゃん、急に真面目な顔をして、

 

Lちゃん:くぅちゃん、見て。霊よ、霊。ここは霊がいるわっ。

山熊さん、ろうそく準備して、ろうそく。

 

Lちゃん…それは霊ではなくて、単にあなたが酔っ払い過ぎただけだと思われてよ…。💧

と思いましたが、あまりに真面目なので、何も言わずにろうそくを準備して、火を灯しました。

 

その後、Lちゃんは、パジャマに着替え、エルフのような帽子をかぶり、アイマスクをしっかりつけてお布団へ。

Lちゃん、カワイイ〜。

 

当時いた長男犬は、Lちゃんが泊まることに大喜び。

ベッドの上をダッシュしまくり、興奮のあまり、シーツに失禁えーん

シーツを剥がし、洗濯機へ…。

で、また喜んで猛ダッシュで、またも失禁笑い泣き

結局3枚目のシーツ交換をしたところで、長男犬をLちゃんから引き離したんでした。

 

台風のようなLちゃんで、毎回必ずなにかが起こるんだけど、一緒にいて楽しかったなぁ、Lちゃん。

義理兄がいない時、山熊家の家族みんなで懐かしいよねぇ、また会いたいね。と話になります。