サムエル記上28章1~7節
〔新共同訳〕
【サウル、口寄せの女を訪れる】(1)
1そのころ、ペリシテ人はイスラエルと戦うために軍を集結させた。アキシュはダビデに言った。
「あなたもあなたの兵もわたしと一緒に戦陣に加わることを、よく承知していてもらいたい。」
2ダビデはアキシュに答えた。
「それによって、僕の働きがお分かりになるでしょう。」
アキシュはダビデに言った。
「それなら、常にあなたをわたしの護衛の長としよう。」
3サムエルが死んだ。
全イスラエルは彼を悼み、彼の町ラマに葬った。
サウルは、既に国内から口寄せや魔術師を追放していた。
4ペリシテ人は集結し、シュネムに来て陣を敷いた。サウルはイスラエルの全軍を集めてギルボアに陣を敷いた。
5サウルはペリシテの陣営を見て恐れ、その心はひどくおののいた。
6サウルは主に託宣を求めたが、主は夢によっても、ウリムによっても、預言者によってもお答えにならなかった。
7サウルは家臣に命令した。
「口寄せのできる女を探してくれ。その女のところに行って尋ねよう。」
家臣は答えた。
「エン・ドルに口寄せのできる女がいます。」
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(聖句雑感)
サウル王。
どんどん「道」を離れていく。
してはならないことをしていく。
その原因は「恐れ」。
5サウルはペリシテの陣営を見て恐れ、
その心はひどくおののいた。
とあります。
「託宣」と「占い」は違う。
「託宣」が与えられ、それに従う人は幸い。
されど、サウル王は、これまでも
その「託宣」に「従う」ことはなかった。
「託宣」を軽んじ、
ハーフ&ハーフで見積もってしまった。
サウルは、既に国内から
口寄せや魔術師を追放していた。
とあります。
かつては、サウル王も
「主」に従おうとしていたのだな、と思います。
今は、自ら追放した「口寄せ」を探し求めるサウル王。
なんという惨めさだろう。
なんという悲しさだろう。
サウル王は
彼自身を苦しめているのは
彼自身の「欲」にあることを知っていたのだろうか。
彼はその「欲」に勝利することができなかった。
手放すことが出来なかった。
わたし(たち)の苦しみのほとんどは、
あるいは、自身でも気づかないほどの「欲」に起因するのかもしれない。
そんなこと思いました。
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解説を見てみます。
■新実用聖書注解464p
これは、悲しくも恐ろしい箇所である。かつて国内から霊媒を追い出したそのサウルが、主の答えを期待できないことを知り、自分自身その霊媒の女に伺いを立て、自らの破滅を知らされるのである。
サムエルは死に、葬られた(3)。
神への不服従は、恐ろしい結果をもたらす。
ガリラヤ湖の南西約30kmの地点にあるシュネムにに集結したペリシテ人を迎え撃つために、その南ギルボアに陣を敷いたサウルは(4)、恐れにさいなまれていた(5)。
アモン人ナハシュを撃ってヤベシュの人々を救い出した際の勇気は、もはや彼の内に見られない(参照11:6)。そればかりか、主ご自身サウルには何もお語りにならなくなった。
ヨセフは夢によって(参照 創37:5-11)、エルアザルはウリムによって(参照 民27:21)、ダビデは預言者によって(参照 Ⅱサム7:5-16)、それぞれ神の御心を教えられたが、サウルには、この3つのどの方法によっても、神は何も語って下さらないようになった(6)。
切羽詰まって、彼はペリシテの陣地の更に北方に当たるエン・ドルまで出かけて行き、各時代にわたって神の忌み嫌われる霊媒に頼ろうとした(7,参照 レビ19:31,申18:10-11)。
※レビ記19:31(新共同訳)
31霊媒を訪れたり、口寄せを尋ねたりして、
汚れを受けてはならない。
わたしはあなたたちの神、主である。
※申命記18:10-11(新共同訳)
10あなたの間に、
自分の息子、娘に火の中を通らせるも怨、
占い師、卜者、易者、呪術師、
11呪文を唱える者、口寄せ、霊媒、
死者に伺いを立てる者などがいてはならない。
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■BIBLEnavi269p
サウルは国土から魔術の罪を取り除いたが、自分の心から取り除くことはしなかった。正しいことは何かを知り、間違っていることを非難することは、正しいことを「行う」ことの代わりにはならない。
人生の困難は神の導きに自分をゆだねるようにとの知らせである。神以外の者や人に頼れば、災難に遭うだけである。
神はオカルトを厳しく禁じられた(申18:9-14,出22:18/22:17)。オカルトを行う者はサタンや悪魔から情報を得る。神は御心を彼らには明かされない。
神はご自分の方法で語られる。聖書、イエス・キリスト、聖霊である。
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■clay解説全文
問題を抱えるふたりの英雄
ダビデ
きょうの箇所では、堂々と生きていたはずのふたりの英雄が、ともに嘆かわしい行動を取っています。究極的な原因は、神に対する信頼の欠如です。
(1)ダビデは約束の地から離れ、ガテの王であるアキシュのもとに身を寄せています。この当時のダビデの生活には、一貫性がありませんでした。
(2)そして、予期されていたとおりの大変な事態が訪れます。ペリシテ人がイスラエルとの本格的な戦いを展開することになったのです。アキシュは、ダビデにペリシテ軍との同行を命じます。もし断われば、ダビデのいのちが危うくなります。しかし、イスラエルと戦うことなど、決してできません。ダビデは板ばさみになりました。
(3)ダビデは、あいまいな答え方をして時間稼ぎをします。ところがアキシュは、ダビデの答を自分に都合のよいように解釈し、ダビデを護衛の長に任命します。
サウル
先に進む前に、時間の流れについて一言書いておきます。ここは、時間の順に並べられているのではありません。28章3~25節までは挿入句であり、本来は31章の直前に来るべきものです。28章1~2節は、29章1節に続きます。
(1)ペリシテ人は、ガリラヤ湖の南西約30kmの地点にあるシュネムに集結し、サウルは、シュネムの南にあるギルボア山に陣を敷きます。戦車での攻撃から身を守るためです。
(2)敵の陣営を見て、サウルは恐れました。すでにサムエルは死んでいましたので、サウルには危機に際して相談できる人がいませんでした。
(3)そこで彼は主にお伺いを立てるのですが、夢によっても、ウリムによっても、また預言者によっても、主からの答は来ませんでした。主は沈黙されたのです。
(4)かつてサウルは、国内から霊媒を追い出したことがありました。霊媒はモーセの律法によって禁じられていたからです(レビ記19:31、申命記18:10~11参照)。ところが今やサウルは、その霊媒を通して主の声を聞こうとするのです。彼は、シュネムよりもさらに北にあるエン・ドルに霊媒の女がいることを知らされます。
どんな英雄でも、信仰から離れると惨めな姿になります。
あなたは、ここからどのような教訓を学びますか。
きょうも信仰に立って歩もうではありませんか。
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きょうの祈り
天の父よ。信仰がなければ、あなたに喜ばれることはありません。どうかきょうも信仰によって歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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年間聖書通読
列王記第一1~2、使徒の働き15
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2024年6月18日(火)☔28℃
朝早くから携帯のベルが鳴ります。
「6/18日6時58分洪水警報発表」とのことでした。
自主避難場所の掲示です。
過ぎた金曜日の午前中の大雨。
あと1時間降り続いていたら
もっと大変だったはず、とその日、
車で外出していた妹が言っていました。
土砂崩れの現場を目の当たりにすると
大雨の脅威を生で感じます。
高台に建つ家々を見ますと、
そんな日には
普段とは違った景観に映ります。
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BIBLEnaviさんのお勧め。
「神の語られる方法」
「聖書、イエス・キリスト、聖霊」
アーメン
現在の私(たち)、
信ずる者にすべて与えられているものですネ。
神は常に 今の時代の私たちに、
「語られている」のですネ。
感謝です。
clayさんのお勧め。
「危機に際して相談できる人」の存在を思いました。
普段ちょっと仲が悪くても、ウマがあわないと思っている人であっても、「危機に際して相談できる人」がいます。そんなときは、さすがに、ありがたいなと思います。
「危機に際して相談できる人」の存在。
さまざまな問題。
それぞれに得意とする分野がある。
この問題はあの人に、その問題はこの人に。
思えば、身近に、そんな「助け手」が置かれている。
あらためて、ほんとに、感謝したいと思いました。
ハレルヤ
尊き主イエスの御名を崇め
常に喜び絶えず祈り
凡てのこと感謝できますように。
アーメン