サムエル記上13章8~15a節
〔新共同訳〕
【ペリシテ人との戦い】(2)
8サウルは、サムエルが命じたように、七日間待った。だが、サムエルはギルガルに来なかった。兵はサウルのもとから散り始めた。
9サウルは
「焼き尽くす献げ物と和解の献げ物を持って来なさい」と命じて、焼き尽くす献げ物をささげた。
10焼き尽くす献げ物をささげ終えたそのとき、サムエルが到着した。サウルは彼に挨拶しようと迎えに出た。
11サムエルは言った。
「あなたは何をしたのか。」
サウルは答えた。
「兵士がわたしから離れて散って行くのが目に見えているのに、あなたは約束の日に来てくださらない。しかも、ペリシテ軍はミクマスに集結しているのです。 12ペリシテ軍がギルガルのわたしに向かって攻め下ろうとしている。それなのに、わたしはまだ主に嘆願していないと思ったので、わたしはあえて焼き尽くす献げ物をささげました。」
13サムエルはサウルに言った。
「あなたは愚かなことをした。あなたの神、主がお与えになった戒めを守っていれば、主はあなたの王権をイスラエルの上にいつまでも確かなものとしてくださっただろうに。
14しかし、今となっては、あなたの王権は続かない。主は御心に適う人を求めて、その人を御自分の民の指導者として立てられる。主がお命じになったことをあなたが守らなかったからだ。」
15aサムエルは立ち上がり、ギルガルからベニヤミンのギブアに上って行った。
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(聖句雑感)
「あなたは何をしたのか」
「あなたは愚かなことをした」
「今となっては、あなたの王権は続かない」
私なら、こんなこと
面と向かって言われたら、
大ショックで立ち直れない、と思います。
「覆水盆に返らず」
後悔ばかりして過ごしてしまいそうです。
サウル王様はどうだったのでしょう。
「あなたの王権は続かない」
そんなことを断言されては、逆に
ますます「王権」に執着してしまいそうです。
王の心は疑心暗儀でますます
臆病と恐れに取りつかれていくのも
わかるような気がします。
これから戦う、という時に
物凄いシビアの言葉を受けて
サウル王の戦意に影響はなかったのでしょか。
ギリギリのところに置かれたとき、
人は どこまで 「神」を信じられるのか
試されているような気がします。
このときサウル王は
「サムエルの足を早めてください」と
「敵が迫っています」と
そこにいる一同とともに、主に
膝をかがめることもできたのではなかろうか。
「主権」が「神」にあることを
王自らが民に示せたのかもしれません。
ギリギリのところでの「選択」。
早まって自己判断で動こうとする前に
一呼吸すること学びます。
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解説を見てみます。
■新実用聖書注解448p
<待ちきれなかった王>
サウルは、サムエルが命じたように(10:8)7日間待ったが、なかなか彼が到着せず、民がどんどん戦列を離れ散って行くので(8),とうとうしびれを切らして、祭司の役割を自ら果たそうと決意し、全焼のいけにえささげてしまった(9)。ところが皮肉にも、ちょうどそのいけにえをささげ終わったところへサムエルが到着した(10)。もう一刻の忍耐が足りなかったのである。
サムエルの義憤に対しサウルは、謝罪もせずに、口実を並べて言い逃れようとする。それによると、悪いのは民とサムエルであり、サウルは主に嘆願したのだから善を行ったことになる(11-12)。こうして、残念なことに、サウルは不適格者として退けられ、まだ名は挙げられていないが、主は<ご自分の心にかなう人>を代わりに立てられる、との宣告が下るのである(13-14)。
■BIBLEnavi255p
祭司を待たず、サウルは自らいけにえをささげた。
これは神の律法に反することであり(申命12:5-14)、サムエルが命じたことにも反していた(10:8)。迫りくるペリシテ人の圧力に負け、サウルは事態を自分で解決しようとして神に背いたのである。彼は良いことをしていた(重大な戦いの前に神にいけにえをささげること)が、間違った方法で行った。
サウルのように、私たちの真実な霊性は圧力を受けたときに明らかになる。目的を達成するためにどのような方法を用いるかは、目的を達成することと同様に重要である。
申命記12:5(新共同訳)
必ず、あなたたちの神、主がその名を置くために全部族の中から選ばれる場所、すなわち主の住まいを尋ね、そこへ行きなさい。
同12:8
あなたたちは、我々が今日、ここでそうしているように、それぞれ自分が正しいと見なすことを決して行ってはならない。
同12:12-13
あなたたちの神、主の御前で、息子、娘、男女の奴隷、町の中に住むレビ人と共に、喜び祝いなさい。レビ人には嗣業の割り当てがないからである。
あなたは、自分の好む場所で焼き尽くす献げ物をささげないように注意しなさい。
持っているものが失われていくと感じるときに神に信頼することは難しい。
サウルは時間がなくなると感じたとき、神の時を待つことができなくなった。儀式さえあればよいと考えて、サウルは儀式を神への信仰とすり替えた。
困難な決断に直面したら、忍耐力のなさから神に背くことをしてはならない。
神が何を求めておられるかを知っているなら、結果を問わずに神のご計画に従おう。
神は私たちの従順と忍耐を試すためにしばしば事を引き伸ばされる。
サウルは不従順について多くの言い訳をした。
しかしサムエルは本当の問題点にのみ目を向けた。
「あなたの神、主が命じた命令を守らなかった」。
サウルのように、私たちは自らの過ちや罪を言い繕い、「特別な」事情のために行動を正当化しようとする。
しかし私たちの言い訳は不従順以外の何ものでもない。
神は私たちの本当の動機を知っておられる。
神は私たちが自分の罪について正直になるときにのみ、赦し、立て直し、祝福してくださるのだ。
言い訳で自分の罪を隠そうとしたことにより、サウルはその王座を失った(13:14)。
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■clay解説全文
信仰のテスト
待ち切れなかったサウル
戦いの前にいけにえを捧げなければならないということは、サウルにはよくわかっていました。その約束は、10:8に出ていました。そこには、サウルがサムエルの到着を待つ期間は、7日間であることが明記されていました。
さて、サウルが主に忠実な王であるかどうかを試す状況が訪れました。
(1)ペリシテ人との戦いを前にして、サウルはギルガルでサムエルの到着を待ちました。サムエルを通して、主にいけにえを捧げるためです。
(2)しかしサムエルはなかなか到着せず、民がどんどん戦列を離れて行きました。サウルにとっては深刻な事態です。
(3)しびれを切らしたサウルは、祭司の役割を自ら果そうと決意し、全焼のいけにえを捧げてしまいます。その日は7日目になっていましたが、まだ約束の7日間が満ちたわけではありませんでした。
これは、モーセの律法に対する違反です。
いけにえを捧げるのは、祭司にのみ許された特権です。祭司はレビ族から出ますが、サウルはベニヤミン族出身でした。
(4)ちょうどいけにえを捧げ終わった時に、サムエルが到着します。サウルは、もう一刻の忍耐が足りなかったのです。
サウルの弁解
祭司でない者がいけにえを捧げるのは、重大な律法違反です。
サムエルがそのことを指摘すると、サウルは罪の告白もせずに、口実を並べて言い逃れをしようとします。
(1)民は離れ去ろうとしていた。
(2)サムエルは定められた日に来なかった(まだ7日目が終わっていなかったのであるから、これは事実ではない)。
(3)悪いのは民とサムエルであり、自分にはこうするしか方法がなかった。しかも、自分は主に嘆願したのだから、結果的には善を行なったことになる。
この段階で、サウルは完全に信仰のテストに失敗したことが明らかになりました。
その結果、「サウルは不適格者として退けられ、まだ誰になるかはわからないが、主のみこころにかなう人が代わりに立てられる」との宣告が下ります。
あなたは今、信仰の試練に会っていますか。
それは、あなたをより高い祝福に導くための神の計画です。
「もう一刻の忍耐」を働かせ、信仰による勝利を獲得しましょう。
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きょうの祈り
天の父よ。どうか私に、「もう一刻の忍耐」を与えてください。信仰のテストに合格させてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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年間聖書通読
申命記15~16、箴言13
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2024年3月25日(月)☀&☁27℃
湿気が多くジメジメしています。
大雨が降ってくれるといいのですが。
さて、今回は、
「もう一刻の忍耐」というお勧め。
耳に痛いです。
思えば、知らず知らず、私的に、
このテストには
落第点ばかりだったかもしれません。
それでも、人生は続き、
まだまだ生かされていますから
主を知るチャンスは
まだまだあって
常に喜び絶えず祈り
凡てのと感謝する機会に
恵まれていますこと
主イエス・キリストの御名によって
感謝いたします。
ハレルヤ
今回もみことば
ありがとうございました。