マルコ福音書14章60~65節
(マタ6:57-68,ルカ22:54-55,63-71、ヨハ18:13-14,19-24)
〔新共同訳〕
【最高法院で裁判を受ける】(2)
60そこで、大祭司は立ち上がり、真ん中に進み出て、イエスに尋ねた。
「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」
61しかし、
イエスは黙り続け何もお答えにならなかった。
そこで、重ねて大祭司は尋ね、
「お前はほむべき方の子、メシアなのか」と言った。
62イエスは言われた。
「そうです。
あなたたちは、
人の子が全能の神の右に座り、
天の雲に囲まれて来るのを見る。」
63大祭司は、衣を引き裂きながら言った。
「これでもまだ証人が必要だろうか。
64諸君は冒瀆の言葉を聞いた。どう考えるか。」
一同は、死刑にすべきだと決議した。
65それから、ある者はイエスに唾を吐きかけ、目隠しをしてこぶしで殴りつけ、「言い当ててみろ」と言い始めた。また、下役たちは、イエスを平手で打った。
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(雑感)
「お前はメシアなのか」と聞かれ
「そうだ」とお答えになったイエスさま。
それは、
「神を冒涜」する「言葉」となり、
イエスの処刑が決まった。全員一致。
なんだか、おかしい。
「人間」が「神」を裁いた。
このように、
創世以来、
「人」は「神」を裁き続けてきたのですね。
「神」は「神」を示し続けてきたのに、
「人」には「神」が見えない。
なぜだろう?
創世の初め、「女」は誘惑された。
野の生き物の中で最も賢く造られた「蛇」。
「蛇」は「女」を誘惑した。
創世記2:8
主なる神は、東の方のエデンに園を設け、
自ら形づくった人をそこに置かれた。
創世記2:9
主なる神は、
見るからに好ましく、
食べるに良いものをもたらす
あらゆる木を地に生えいでさせ、
また園の中央には、
命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。
創世記2:16-17
16主なる神は人に命じて言われた。
「園のすべての木から取って食べなさい。
17ただし、
善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。
食べると必ず死んでしまう。」
蛇は女を誘った。
創世記3:1b
「園のどの木からも食べてはいけない、
などと神は言われたのか。」
女は答えた。
創世記3:2-3
「わたしたちは園の木の果実を食べてもよいのです。3でも、園の中央に生えている木の果実だけは、食べてはいけない、死んではいけないから、と神様はおっしゃいました。」
蛇は女を誘う。
創世記3:4-5
「決して死ぬことはない。
5それを食べると、目が開け、
神のように善悪を知るものとなることを
神はご存じなのだ。」
蛇の「ことば」を受けて、女の思いに変化が生じる。
創世記3:6
女が見ると、
その木はいかにもおいしそうで、
目を引き付け、
賢くなるように唆していた。
女は実を取って食べ、
一緒にいた男にも渡したので、
彼も食べた。
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蛇は「決して死ぬことはない」と言い切りました。
完全な「嘘」「騙し」。
「目が開け、神のように善悪を知るものとなる」。
神に造られた「女」は、
「神のように」なるだけ、と言われ、
ますます耳を傾けてしまったのですネ。
彼ら「人」にとって、
「神」はどんな存在だったのでしょう。
「神のように」なりたいと思わせるほどの存在。
それを食べても、
「神のように」なるならきっと「死なない」と、
自分に都合のよいように解釈してしまったのかもしれませんね。神さまのことばの重みがどんどん軽くなる。
「その木」もまた女の目を「唆して」いた、とあります。
被造物がこぞって「誘惑者」になってしまったよう。
「誘惑」は「欲望」を掘り起こして刺激する。
どうやってそれを制することができるだろう。
常々、イエスに殺意を持ってきた人々。
彼らのカミは、イエスによって冒瀆された。
イエスを「殺さない」理由はない。
時の宗教指導者たち、
彼らのカミとはどんなカミだったのだろう。
彼らはどんなカミに支配されていたのか。
彼らは、「神」を裁いてしまった。
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解説を見てみます。
■clay解説全文
イエスの裁判(2)
〔イエスの証言〕
前回に続いて、イエスの裁判の様子を取り上げます。すでに触れたように、イエスの裁判は二段階で行なわれました。
今行なわれているのは、冒涜罪を立証し、イエスを死刑にするためのサンヘドリン(ユダヤ議会)による宗教裁判です。
この裁判を指揮しているのは、大祭司カヤパです。これで死刑が確定すると、次はローマ人の法廷での政治裁判に持ち込まれます。
さて、イエスはここまで全く沈黙しています(黙秘権が認められていました)。
ところが、それに業を煮やしたカヤパは、神の御名によって証言することを命じます。
カヤパは、「あなたは、ほむべき方の子、キリスト(メシア)ですか」と問います。
以下、イエスの答です。
(1)そのとおりである。
(2)その証拠に、
人の子(メシア)は父なる神の右の座に着く。
(3)さらに、天の雲に乗って来る。
以上は、
イエスの昇天と再臨の預言となっています。
〔カヤパの裁定〕
これ以降、数々の律法違反が続きます。
(1)大祭司が衣を引き裂くのは、律法違反です。
(2)訴訟を指揮している大祭司が、自分の判断を差しはさむのは律法違反です。しかし彼は、証人もなしに、「神をけがすことばを聞いた」と断じています。
(3)通常は、有罪判決があって3日後に、量刑が決まります。しかしこの時は、議員たち全員で「死刑に当たる罪がある」と決めています。これもまた、律法違反です。
(4)本来、全会一致の決定は認められていませんでした。そうなるのは、事前工作があったと推測されるからです。全会一致の場合は、無罪が宣告されました。イエスの裁判では、この規定も無視されています。
(5)議員たちは、イエスの顔につばきをかけ、こぶしでなぐりつけ、平手で打っています。これらの行為は、すべて罰金刑に値します。しかし、罰金が課されたという記録はありません。
イエスの裁判には、正義も秩序もありませんでした。
一刻でも早く死刑を宣言したいだけでした。
王の王である方を裁くとは、なんと愚かで、恐れ多いことでしょうか。
私たちもまた、王であるイエスを平気で裁いているような時があります。
霊の目が開かれ、イエスの前にひざまずく者とされるように、祈りましょう。
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きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。イエスは主であり、王の王です。どうか私が、イエスを裁くような愚かなことをすることのありませんように、知恵と霊的な目を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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2024年1月18日(木)☀25℃
昨晩から 妙な具合の悪さです。
「発症」というのは、そういうものなのだろう。
「突然」なのだ。
そんな時でも、
ちょこっとPCを開けば
「clay」さんを通じて
聖書のことばに触れられますから感謝です。
「解説」を頂けることはとても感謝です。
目が開ける思いです。
(すぐ、忘れてしまいますけども・・)
「知識」だけで満足し
「信仰」を働かせず
信じて祈る日常がなければ
それもまた虚しいことなのだろう。
幼子のごとくあれ。
これもまた忘れてはいけないのだと
思わされます。
鳩のように直く、
蛇のように敏く。
素直で聡くありますように。
Ⅰコリント4:20
神の国は言葉ではなく力にあるのですから。
(アーメン)
神は言葉。
その言葉が力をもって働くことがなければ、
異常事態なのだ。
「ことば」を聞いて満足するだけでは
「ことば」は 働かないのかもしれませんね。
「信仰」がいかに大切か
教えられます。
ハレルヤ
尊き主イエスの聖名によって
今日のみことばに感謝いたします。