ロマ書5:12~14
<新共同訳>
【アダムとキリスト】
12このよなわけで、一人の人によって罪が世に入り、罪によって死が入り込んだように、死はすべての人に及んだのです。すべての人が罪を犯したからです。
13律法が与えられる前にも罪は世にあったが、律法がなければ、罪は罪と認められないわけです。
14しかし、アダムからモーセまでの間にも、アダムの違反と同じような罪を犯さなかった人の上にさえ、死は支配しました。実にアダムは、来るべき方を前もって表す者だったのです。
********************************
アダムの行い(1)
人類の代表アダム
「そういうわけで、ちょうどひとりの人によって罪が世界に入り、罪によって死が入り、こうして死が全人類に広がったのと同様に、─それというのも全人類が罪を犯したからです」(12節)とあります。
(1)「そういうわけで」というような接続詞が出てくる時は、よく注意する必要があります。接続詞は前後の文脈をつなぐ役割を果たします。ここでの「そういうわけで」は、これまでに述べた「義認に関する結果」が正しいのなら、次のことが言える、という意味です。
(2)ここに出てくる「ひとりの人」とは、アダム(14節)のことです。ヘブル語では、アダムは固有名詞であると同時に、普通名詞でもあります。普通名詞では「人」を指します。
(3)アダムには、人類の代表としての役割が与えられています。つまり、アダムは全人類の代表として行動したので、その結果が全人類に及んだということです。このことをよく理解しておく必要があります。
罪が世界に入る
アダムによって罪が世界に入りました。
しかし、
最初に罪を犯したのはエバです。
なぜ、「エバによって罪が世界に入った」と言わないのでしょうか。
その理由は、エバには人類の代表としての役割が与えられていないからです。
(1)アダムの罪によって、肉体的死が世に入りました。それが全人類に及んだのです。つまり、肉体的死はアダムの罪の結果なのです。
(2)私たちは、自分が犯す「個人的罪」のためではなく、アダムの罪に参加していたために死にます。なんの罪も犯していない赤子でも死ぬのは、そのためです。
(3)私たちはアダムの罪に参加していたというのが、「転嫁された罪」の内容です。
ピレモン18〜 19節にこうあります。
「彼(オネシモ)があなた(ピレモン)に何か損害を与えたり、負債を負ったりしていたら、それは私(パウロ)の借りにしておいてください」。
「借りにする」という言葉は、「エロゲオウ」というギリシア語です。
ここでは、オネシモの罪をパウロが負うということ、つまり、オネシモの罪がパウロに転嫁されるということが示されています。
転嫁された罪の解決法は、「キリストの義の転嫁」です。
キリストを救い主と信じた人は、その義の転嫁を受けました。
私たちは、もはや「転嫁された罪」に支配されることはありません。
信者にとっては、死は呪いではなく、復活のいのちにつながる道です。
このことを神に感謝しましょう。
*********************************
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。私は「転嫁された罪」から解放されました。死は私にとって、呪いではなく、永遠のいのちに至る門となりました。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
***************************
年間聖書通読
ネヘミヤ記9~10、詩篇129 ~ 130
***************************
~~~~~~~~~~~~~~

