ヘミングバードの囁き -11ページ目

料理上手


料理上手

ワケアリさんは料理上手だ。
なんたって包丁捌きは天下逸品。目の前にあるものは何でも美味しく料理しちゃう。あんまり美味しそうでないワケナシさんだって、あっという間に酒の肴(恰好の話題)に料理されちゃうのさ。

え、何でそんなに料理上手かって?
そりゃ腕が身を助けるからね。

勧め上手


酒

ひと仕事終わったオヘンナシはやっぱりコレ。
太陽が西に傾き赤い提灯が灯ると、尻がうずうずしてしまう。
友達の友達は皆友達だ。提灯の灯りが消えるまで、飲んで歌ってそりゃもう大騒ぎさ。

電源


コンセント

電気工事の得意なオヘンナシは空いているコンセントを見つけると電源プラグを差し込まずにはいられないのさ。家主さえ忘れてしまったタンスの裏のコンセントだって見逃さないよ。
え、コードの先には何が着いてるのかって。そりゃ、未来を映し出すオーラビジョン、囃子が聞こえるお祭りスピーカー、 昭和の時代に逆戻りタイムマシーン、人恋しくなると必ず灯る人呼び赤提灯などなど。不思議な機械達が着いているのさ。

オヘンナシ-2


ペンキ

ペンキはオヘンナシの遊び道具。錆びた電柱、汚れた壁を見つけるとペンキを塗らずにはいられない。ワケナシの皆は気を付けないとね。道端にボーっと立っていると、奇麗な色に塗られちゃうのさ。

*)ワケナシ=ワケアリでない輩

オヘンナシ


釘

オヘンナシの必需品はトンカチだ。
頭の出ている釘を見つけたら打たずにはいらねない。朝から晩まで街中を廻っては出ている釘を打っている。出る杭は打たれると言うやつか?ちょっと違うかな。いやいあやそんなことも無いことは無い。オヘンナシにとっちゃあ、頭が出ていれば何だって打たずにはいられないのさ。

隠れ蓑


傘

この街に来て日の浅いワケアリさんは傘を持って歩く。雨の日はもちろん雨傘、晴れの日だって日傘に好都合。でも本当の理由は、偶然見知った人に会ってしまった時に姿を隠すためなんだ。
ぢゃあ曇った日はどうするかって?もちろん外出しないのさ。
それほど用心深いワケアリさんが傘を持たなくなると街に居着いた証なのさ。
でもワケアリさんは何年経っても昔の性で傘屋の前を素通りできない。用も無いのにじっと傘を見つめてしまう。

ワケアリの街


風呂敷

これから少しワケアリさんとオヘンナシさんの話が続く事になるので、少し事前説明をしておこう。

東京の郊外、西の外れにワケアリが集まる街がある。ワケアリは職業ではない。その名の通り、分けの有る輩だ。分けの内情は様々だけど、大きな壁にぶつかり、それを背負って来ている人たちだ。ワケアリは風呂敷に人生を包んでやってくる。街に着くとさっそく風呂敷を広げる。風呂敷からは出るわ出るわ、今まで見た事も聞いた事もないようなものが。そしていつのまにかその風呂敷が家になったりお店になって新しい生活が始まる。まったりとした呼吸がしやすいこの街では、もともと棲んでいるオヘンナシが暖かい。オヘンナシは他人の面倒が大好きだ。それが過ぎて気か付くとワケアリになってしまったオヘンナシが沢山いる。ワケアリとオヘンナシが繰り広げる騒動は、朝-日が登り、夜-提灯の明かりが消えるまで続くのである。

もの創り


創作
創るって難しい。
作ったり、造ったりするのとは違う、他人には決して教えてもらうことが出来ない何かが必要だ。
だから完成したものは、まるで自分の分身になる。自分を映す鏡のような存在だ。
って言う事は創る人が素晴らしくないと、素晴らしいものは出来ないってことか。
う~む。
やっぱり、創るって難しい。

秋もよう 三日目


歌う

秋三日目にして芸術に目覚める。
腹がいっぱいになると余裕ができるものだね。
食足りて礼節を知るというやつだ。

ほら心に余裕が出来たら秋の空に向かって大きな声で歌ってみよう。
メロディーが心を振るわせ、言葉が魂になって空高く飛んで行く。
そして少し出来た心の隙間に新しい魂が舞い降りる。

変身成功!

秋もようー二日目


サンマ

秋、二日目。
もうすでに関心は空もようから腹もように移ってしまう。
トンボさんが早々と主役交代だね。なんてゲンキンなんだ。
(この現象を略して空腹と言うのだそうだ)

まあ、○○心と秋の空って言うからね。