お役に立ちません。 -14ページ目

お役に立ちません。

本・漫画・映画のレビューブログ。
本は月に10冊ほど、漫画は随時、
映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

さよなら子供たち [DVD]/ガスパー・マネス,ラファエル・フェジョー,スタニスラス・キャレ・ド・マンベール
¥3,990
Amazon.co.jp
第二次世界大戦下のフランス。寄宿舎学校に転入生がやってきた。
名前はジャン・ボネ。
本が好きでおとなしい彼と、初めは反発しながらジュリアンは仲良くなるが。

巨匠ルイ・マル監督の名作。
タイトルがあんまり素敵で観てみた。
ラストシーンにガツンとやられる。

寄宿舎学校の少年たちの友情が、微笑ましい。
ジャン・ボネははじめは馴染めなくて、
からかわれたりしてるんだけど、
本を通してジュリアンと友情で結ばれるくだりとか、いいなぁ、って思う。

それと宝探しのシーン!
あれは見所だと思うな。
真っ暗になってしまった森で、二人で協力し合うシーン。

全編淡々としていて、少しかすれたような色合いとか、
雰囲気がすごく好き。

寄宿舎学校だから、寝るのも大部屋でみんな一緒とか、
なんか、いい。

それなのにラスト。
ラストは本当、衝撃。

ジャンは実はユダヤ人で、寄宿舎学校にかくまわれていたんだけど、
先生たちの努力空しく連行されてしまうのね。
その他の、ユダヤ人の生徒たちと一緒に。

そして、先生が叫ぶ。
「さよなら、さよなら子供だち!」

まさか、タイトルがここから来てたなんて!
そのさよならに、どれだけの思いが込められていたんだろう。
別れの挨拶しか出来ないふがいなさ?
これからの運命を思いやって?

ジャンも振り返ることしかできない、
ジュリアンもぼうぜんと見送ることしかできない。

そこで映画は終わる。
ジャンがどうなったのか、
ジュリアンたち寄宿舎学校がどうなったか何も語られない。
今まで友情の話だったのに、この唐突さ。
それが逆にリアルで、見ている側も、
ジュリアンたちと同じように呆然と見送ることしかできない。

ある意味、三崎亜記のとなり町戦争ってこういうことなのかな、って。
日常の中に潜む、戦争というか。

とにかく印象深い映画でした。

ウォーリー [DVD]
¥2,395
Amazon.co.jp


地球上にただ一つ残ったお掃除ロボットウォーリー。
お友達は虫だけ。
毎日毎日掃除をし続けるところに、ある日一台の宇宙船が降りてきて…


あまりのウォーリーの可愛くなさに舐めてたら
おもろかった。
ごめんなさい。
動きが加わると、無機物もこんなに可愛く思えるものなんだね。

ストーリーは単純。
初めてであった仲間、愛するイブをひたすら追いかけ、
イブのために体を張るウォーリーの話。

基本的に
「エーヴァッ」
しかしゃべらないので、字幕なしでいける。
しかも、なぜか、広告とか宇宙船の案内とか日本語だし。
日本に慮ったのか、デザインとして採用したのかは謎。
知んない。

でもウォーリーの純真さはすごくいい。
未来少年コナンとか、昔の少年少女アニメってこんなんだったかも。
少女のために、頑張るんだよね。
ただその人が大事だから。

最後、ウォーリーが壊れちゃって、
イブがようやくウォーリーを本当に気にかけてくれるとことかいい。
すごくいいシーンだった。

快適すぎる全自動宇宙生活から戻ってきた人類が、
ひゃっほー、これからピザ育てちゃうもんね!
とか、人類がお気楽過ぎるのが気になったけど。

どう考えても、無重力+機械生活だった人間に筋力ないよ。
重力耐えらんないし、
荒野で生き抜く根性ないと思うんだけど。

でも案外おもろかったです。
One piece (巻31) (ジャンプ・コミックス)/尾田 栄一郎
¥410
Amazon.co.jp
スカイピア編。
何を隠そう、はじめてワンピース読みました!
王道苦手っこでごめんなさい!!

初めて読んだらさー
あまりの面白さにびびった!
まるで初めて漫画に遭遇したこのようだよ。
面白すぎだよ、ワンピース!

大好きなのはドラム(チョッパー)編だけど、
とりあえず、今読んでるスカイピア編から。

雲の上に乗れる。

それだけでわくわくする!
雲の王国とか、ほんと夢だよね。
ちっちゃいとき空見て、「絶対雲の上に島あんな」
とか思ったのが叶ったよ!

ぽいーん、ぽいーん、て雲の上歩けるんだよ!?すごくない!??
いいなぁ、エンジェルビーチ行きたいなぁ。
雲の椅子やお布団で寝たいなぁ。

そんな夢の国だと思ってたら、実は。
実は!!!

極悪非道な悪魔、ゴッド・エネルがいたりして。
あんな変な眉&下まつ毛なのにさー。

好きなシーンはいっぱいあるけど、キャラで言うと、コニスちゃんの頑張ってるところと
ルフィの仲間大事にするところかな。

「超特急エビ呼んだの私なんですよね…!!!」
ってあれ、すんごい勇気だったと思うんだよ。
一般市民が死を覚悟で”神”に逆らうんだよ?
本当にいいこなんだね。

ただ待つしかできないのも良かった。
一般人に出来ることは少ないけど、
でも、何が起こっても信じて待っているって、
凄いことだと思う。

あとエネルと戦う時のルフィ!
ニコもゾロも秒殺だったから、雷効かないときスッキリしたぁ。
あとナミに、一員の自覚持て!的なこというとことかね。

ニコが黄金都市みつけるとこも良かったなぁ。
マヤ文明とか好きだから、
古代の謎に触れる瞬間て高揚する。
未だにニコは読めないから馴染まないけど、
考古学者ってロマンだよねぇ。

バトルは玉の試練がおもろかったなぁ。
おもろバトルだった。
びっくり箱みたいで。
ウソップとかなにげに活躍してるし。
超人たちに埋もれそうな一般人なのに、説明役にならずにうまく活躍してるし。

しかしエネル怖かった~~
非道すぎ。
どんなAKIRA?!
強すぎだし。
しかし、フェアリーヴァースがまさか月とは…
青海に降りるもんだとばかり思ってて、「どーせ下には強いのいっぱいいるし」とか思ってた。
さすがに、「エネルエネル!死ぬから!」と言ってしまったよ。
空気ないよ!

あと、ひとりで船で待ってるチョッパー可愛かったー
生贄祭壇に連れてかれたときのやつ。
チョッパー好きすぎて読んでるようなもんなんだけど、
チョッパーやればできるこなのに、
ひとりぼっちとかないよね。
そりゃホイッスル吹くさ。
お帽子がとにかく可愛い。
お口のもにっとしてるの可愛い。
驚いてる時のまつ毛生えるの可愛い。

でも、帽子と角が一緒に吹き飛んだのはびびった。

ひまわりっ~健一レジェンド 11 (モーニングKC)/東村 アキコ
¥560
Amazon.co.jp

とうとう読みました。
ひまわりっ11巻。
12巻はまたあとで。

最初関先生嫌いだったけど、やっぱおもろいかも。
リアクションとかあり得ないし、
出てるだけでおかしい。

新キャラのエミリちゃんは可愛いね!
中身超いいやつだしさ。
素直すぎるんだけど。
猿渡主任にいいようにされすぎだからね、
みんながだけどね(笑)

見所はギャルVS腐女子なんだけど、
あきことかどこいった?的な。
あれ?主人公喪失?っていう。
健一との仲が気になるけど、
完全にエミリと古川うなぎの漫画家卵の恋バトル☆だからね。

エミリ素直可愛いし、優しいのに、副部長たちひどいー
それだけシャイなんだろうけどさー

持ち込みで(副主任のせいで)鉢合わせたときね。
肉食VS草食だもんなー

猿渡主任もおかしいよねー
どんだけコンサートみたいんだよ、っていう。
信頼関係仲良すぎ。

とか思ってたら、最後に節子くるからね。
節子こえー。
肉食越えてるよ。
クーガー?
いや、更に越えてるね。
見開きであれはびびった。
怖すぎ。

そして、いちばーんラスト。
「呂布ひでぇなっ!」(反り返り)
なんかツボった。
すごい素直な読者だ(笑)
サリオもあんなん、ともだちとやってみたい。
ワンピース読んで「エネルひでぇなっ!」とかね。
かってに改蔵 (5) (少年サンデーコミックス)/久米田 康治
¥410
Amazon.co.jp

久米田さんにやられました。
ええ、ネタの通り、遡ってるからね、絶望先生から入ってね(笑)

とりあえず、レンタルで16巻まで読んだよ。
最初の方とか絵とか違って面白い。
今以上にカクカクしてる。
トーン(デジタルだけど)使いとか嫌いじゃない。
わたせせいぞう好きなのかな?

最初は下ネタきついね~
好きじゃないから、ちょとしんどい。
てか、これが嫌だから読まなかったんだった。

1~3巻くらいまでは、羽美ちゃん可愛いね。
普通だし、呪ったりしないし(笑)
地丹くんも、わりと普通の少年だったり。
今だったら、鉄道おたくでもわりと受け入れられるのにねー
タモリさんもいるし、くるりの岸田さんも相当だしさ。
個性になるかもなのに。
改蔵にいじられすぎなのか。
てか、改蔵が上から目線になるのって地丹くんにだけだよねー。

それが巻を重ねるごとに、なんか、羽美たんの壊れっぷりがすごいことに。
山田さんも結構おかしいはずなのに、全く目立たない。
だって羽美たん怖すぎだもん…

10何巻で、ネタとして作者本人突っ込んでるけど、
だんだん改蔵が解説者というか、ネタのナレーターになってくるよね。
天才塾とか飽きるけど、ネタは結構好き。
あるある!とか思ったり。

あと、他の漫画家いじりが面白い!
藤田先生いじられすぎw
ほんと仲いいんだろうねー
わかんない漫画家さんだと困るけど、
よく知ってる漫画家さんやキャラいじられてるのっておもしろい。

あるるかーんとか、
「ぼっちゃんと呼んでいいのは~~だけ!」とか。
羽美たんのメイド服、可愛かったのにー。
同棲生活なのに全くラブ要素のないとこが凄すぎ。

あとやっぱ表紙かなー
表紙超綺麗!
11巻か、12巻あたりの、冬の3人娘とかほんとおしゃれだった。
3色でここまでできるんだね。

あと久米田先生がうつじゃない(笑)
いや、今のもキャラ作ってるだけだろうけど。
巻末の読者コーナーとかうけるんだけど。
どんだけ水着待ち望んでんだって。
さよなら絶望先生 第18集 (少年マガジンコミックス)/久米田 康治
¥440
Amazon.co.jp

やべー、これほんと面白い。
この巻とか、とうとう小森ちゃんが表紙だしね!
小森ちゃんまじ好き。
どうでもいい話のエピソードの、小森フューチャーはほんとやばかった。
「どーっちだ?」って!!!

今回も飛ばしてます。
千里ちゃんは、羽美ちゃんほどじゃないけど、
猟奇キャラとしてますます「きっちり」恐ろしいことになってるし、
まといちゃんもなんか立ち位置決まっちゃったね。
てゆうか、まといちゃんの袴姿、毎回ほんと楽しみ。
下にレースのシャツとか着てたりね、お着物の柄とかね。
足袋まで凝っててさ、まじ可愛い!!!
改造の頃からだけど、久米田さんほんとおしゃれ。
柄好きなんだろうね、ほんとにね。

これだけ巻を重ねても、ネタの勢い衰えないとこがすごい。
改造はわりとこのあたりから飽きるんだけど、
萌えの力かな(笑)

ダメ引力とかおかしかった。
あるある!
ダメと知りつつね、更に踏み込んじゃうんだよねー。
いけてないギャグを二度繰り返してしまったり、
果ては説明してしまったり。。。ははは。。。(経験者)
映画普通に見てればいいのにB級、カルト掘り出し始めたり、
とかな!

起源もあるねー!
食べ物やもそうだけど、ネットだとすごいよねー。
この擬音はなになにの漫画が起源!とか、
このネタは何が起源!とか。

こういうあるあるネタがほんと尽きないね。
尊敬するよ、まじで。
政治ネタもあるしさ、
小ネタ満載だしさ。
すごいサービス精神。

にしても、「絶望したっ!」って名セリフ。
すごい、まじ凹むことあっても、
心の中で「絶望したっ!」て叫んでると、なんか笑えてくるもん。
最新刊は買ったんだよねー
読むの楽しみだし。

お茶にごす。 11 (少年サンデーコミックス)/西森 博之
¥420
Amazon.co.jp


とうとう終わってしまいまひた。
面白かったのになー。
やっぱ、ブルーが敵にならずに中途半端にいいひとになっちゃったのが
いかんのかも。

テーマははっきりしてたね。

「優しさとは何か」

優しさのカタマリ部長と、対極にいるように見えて優しさを芯に持つまーくんの話。

今回のはキャラがすんごい好きだった。
ある意味、天使な小生意気より好きかもしんない。
部長美しすぎるし、夏帆たんツンツン可愛いし、智花たんはも少し顔可愛くても…
ま、バランスがね。
小動物ぽくて可愛かった。
ヤーマダもまーくんとナイスタッグだったし。
まーくんはほんと顔怖いけど、中身超いいやつだったし。

でも主人公としてはちょっと弱かったかも。
源造とか、道志朗みたいなインパクトはなかったなぁ。
「やさしさ」を求めて、自分なりの哲学を通すのはかっこよかったけど。
西森作品でベストオブ男子主人公セリフはやっぱり、源造だしさ。
「俺は絶対、くずじゃない!」
ああかっこいい。
何度このシーンを読んで元気をもらったか。



それにしても秀逸なのは部長です。
あの美しさと優しさ。
あるようでないよね。
本当にいてほしい。
夏帆ちゃん状態になる、まじで。
優しいけど凛としてて、おばあさまとの逸話とか、
もっと掘り下げて読みたかったなぁ。
途中から敬語やめて普通に話すのも萌だった。

あれはやっぱり、部長とまーくんが結ばれる話?
そうあってほしいような、欲しくないような。

後半の夏帆たんほんと可愛かったし。
不良相手に

「馬鹿じゃないの」

「死ねば」

…。
夏帆たん最高。
かわゆすぐる。
なにげにまーくんのこと一番分かってるし。

最終巻の夏帆たんの友情と、
文化祭エピソードが一番見所だったかも。

文化祭エピソードまじいいよね!
あのまーくんとヤーマダが、茶道部のために暴力我慢するんだもん!
代わりに夏帆たん張り手だし。
いいねー熱いねーそんな仲間欲しい!!

西森さんはほんといいチーム描くよね。


無限の住人 25 (アフタヌーンKC)/沙村 広明
¥550
Amazon.co.jp


1年半ぶりでございます。
気まぐれの住人サリオでございます。
検索でうっかりヒットしてしまったひと、ありがとう。
ここの読者はそれオンリーだ(当たり前)

しまった!!!!
レンタルコミックしちゃったけど、買えばよかった!!!


ってくらいおもろかったのが最新25巻。
いよいよ死闘の末、尸良をやっちゃう話。

24巻は、尸良が嫌いすぎて買わなかった。(読んだけど)
25巻は
「ちっ、また尸良か」と思ってレンタルしちゃったけど

し ま っ た … ! ! !

久々の卍さんの活躍、
それ以上にたんぽぽたん、目黒たんの大活躍! ! !

大体、目黒たんが尸良に立ち向かった時どうしようと思った。
ツンデレ可愛い目黒たんが、最悪魔人の手にかかる!
またサド酷いことになる!!!
ぎえ~~~~っっ

とか思った。
凶!
おまえはまたか!
またも助けられて役立たんのか!
使えない奴め!!

とか思った。

したら目黒たん意外に強かった…
蒔絵姉さんとどっちが速いんだろね?
武器変えたらランク大幅アップじゃね?

でもやっぱり、速いだけなので、
危ない!恋の二の舞に!!
ってとこでヒーロー登場。
久々の卍さんの活躍だぁ~~~!!!

片腕を失って、しかも凍傷寸前の卍さん。
片や、卍さんの腕をくっつけて無限の住人になった尸良。
これは見ものの戦いですな!
実際見ごたえあり…ました。
まぁそこそこ。
なんか、思ったほどじゃなかった。
てか剣技期待するからいかんのだね。
片手で不老不死同士じゃあ、野獣の戦いだよね。

それでもさすがは卍さん。
尸良の弱点を突いて弱体化、
ラストは

馬。

すげー。
馬つえー、ておもいまひた。
きっとみんなそう。
目黒たんの突っ込み超妥当。
凶くんはいつになったら強くなるのだろうか。
第一回目尸良打倒祭がマックスだったな。


んで、サービスシ~~~ン。
目黒たんとたんぽぽたんの人間湯たんぽ。
卍さん知らない間に美味しいことになってますな。
しかしこのくのいちさんたちは親切だね。
たんぽぽたん好きだー。

まぁ、そういう巻なんだけど。
たんぽぽたんと目黒たん好きなひとにはたまらない巻だ。

あ、錬造?
錬の助は不幸だったね。
てかここで出てくるとは思わなかったけどさ。
せっかく凛ちゃんが腐心したのに、風車は止まらなかったね。
錬造、ついてなさ過ぎだよ…
あと尸良に感情移入しないように。
いやわかる、わかるんだけどさー。
人を殺してきてるって点じゃなんにも変んないけどさー
善悪ってなんだろうとか思うけど!
戦国時代だったら尸良ヒーローだろうけど!

あー、話の深みポイントはわかる。
尸良の最期がえぐすぎるのもわかる。
でも、あれだけやらかしといて、最後にいいセリフ吐くのが納得いかん。

あ~~むげにん終わってほしくないよ~~~~


(再開お役に立ちませんはただの感想ブログとして生きていきます。
しかも最近漫画しか読んでねぇ)

ジャック・タチの世界 DVD-BOX/ジャック・タチ
¥16,405
Amazon.co.jp

ぼくの伯父さんの授業 ジャック・タチ主演

映画『プレイタイム』の劇中劇的作品。
出演者に、ジャック・タチ扮するユロ伯父さんがパントマイムの授業をする。
煙草の吸い方、テニス、乗馬、壁のぶつかり方まで。

一見しただけだと、
ユロ伯父さんが何故か先生になり、人間観察の授業をする作品。
予備知識なしでも、穏やかな笑いを引き起こす小品。

んで、なんだったんだ、というと、映画『プレイタイム』のサービス編、みたいなもの。
出演者に、パントマイムのレクチャーをする、という設定を面白おかしく撮ったもの。

自由人ぽい、ラフなスタイルのユロ伯父さんが、
スーツのおっちゃんたちに、大真面目に妙な授業をするさまが面白い。
なにしろ、人間観察と称し、
1、上品な婦人の煙草の吸い方(人差し指を立てる、動かす)
2、初心者の煙草の吸い方(むせる)
3、庶民の煙草の吸い方(人差し指と親指で持つ)
なんかを、無表情に繰り返すわけ。
生徒も、笑いひとつ立てずにそれを見て、さらに、”実技”し、
「はー。なってないぞ、諸君。もっと観察しなさい!」
とユロ伯父さんに怒られてしまう。
この調子で、テニス、乗馬、階段のつまづき方、なんて続いていくわけ。

おおげさで単純な例を淡々と繰り返すのがユーモラス。
問題は、そのどれもが日本人にはなじみの無いことだな…
煙草の吸い方からして、日本人とはまるで違うもん。
フランスの、しかも、古きよき時代の、例なんだな。
でも、充分、「あるある!そんな感じ!」と思えるので楽しめます。

あと、パントマイムの偉大さを知れる。
大げさにやってるんだけど、ものまねみたいに、特徴を的確に掴んでるんだよね。
だから、何も無い場所、何も持たずに演技しても、そのものみ見える。
さらっとやってるけど、名人芸。

とはいえ、授業が一通り続いて終わるだけの小品なので、
ユロ伯父さんシリーズをコンプリートしたいならともかくこれだけ見てもそう面白いものではありません。
トム・ヤム・クン! プレミアム・エディション/トニー・ジャー
¥1,197
Amazon.co.jp
トム・ヤン・クン! トニー・ジャー主演

カームは、家族同然に育てていた象の親子を攫われてしまう。
タイマフィアによる犯行と突き止め、密輸出先のシドニーまで追いかける。
象を取り戻すまでの壮絶・リアル・アクション。

「僕の象はどこだ!」
ひたすらこの台詞を叫び、ばったばったと敵を倒す話。
笑っていーやら、悪いやら…
象は大切だよね。家族同然に育ってきたんだもんね。
それを不正輸出して、しかも食材だなんて許せないよね。

それはわかる。
わかるんだが、
「彼女を放せ!」とかでなく、「僕の象だどこだ!」
しかも、1匹つれてる状態でも「僕の象はどこだ!」
あんたの隣にいるよ!と、思わず突っ込んでしまった…

アクションは果てしなくすごいけど、あんま好きじゃないなー。
香港のクンフー映画は、アクション主体でも、あっかるくて笑えるの多いじゃん。
でもこれは、あくまでもシリアス、シリアスな筋立てなんだよねぇ。
アクション主体だから、話はそれほど重要じゃないとはいえ、
シリアスすぎるとなんだか楽しめないんだなぁ。
妙にシリアスすぎて、なんか心地よくアクション楽しめないんだよねぇ。
すごいやなやつとか出てくるしさ。

アクションは、足技主体ですごく綺麗。
重々しくって、どずん、どすん、と確実にダメージ与えてる感じ。
特に回し蹴りはうっとり。
ほとんど舞だよね。
古典芸能の舞と武術は近いって、よくわかるわー。
極めると美しいもん。

好きなシーンは、黒人マッチョと戦うところかな。
カポエラっていうの?よく知らないけど、ブレイクダンスみたいな、円舞と足主体のやつ。
すんごい綺麗なの!
やっぱ、リズム感が違うからかなー。
信じられないほど早くて、円舞を中心とした動きで、しなやかな蹴りなの。
水溜りの上でさ。
綺麗だったなー。
戦いが好きなわけじゃなくて、超人的な動きや、極めた美しいアクションが好きなだけだからさ。

だから逆に、マッチョマンが出てきて、
「へへへ、おまえの攻撃なんて効かないぜ。なぜなら俺は丈夫だから!」
みたいな展開は萎える。
おまえは意味無い!みたいな。

この主人公の格闘技はムエタイっていうの?わかんないけど。
足技って最強だよね…
すんごい、強いじゃん。
マスターのキックは500キロ近く行くらしいよ。
まじに人死んじゃうどころか、熊も倒せそうだよね。

ムエタイv.s.ムエタイの、タイマフィアの若手とのバトルも良かったなぁ。
中蹴り、高いとこへジャンプ蹴り、降りざま、足へ蹴り、
これが、3回の回転連続技なんだよね。
効果的かつ、見た目は殆ど舞踏。
ハッとして一番目に焼きついたシーン。

こういう、肉体アクションの見所は、その体張ったところだと思うんだよ。
基本は1対1だし、フェアでいいよね。
相手だって鍛え上げなきゃいけないわけで。

なのに、ラスト、技より力のマッチョマン複数が、ラスボス一歩手前って。
もう技でもなんでもないじゃん…
しかも、倒す方法は”筋を切る”だよ。
なんだそれ。
達人武術を見たいのに!なんか卑怯じゃん、そりゃ筋切っちゃえば動けないさ。
でも、アクション映画のバトルして間違ってるだろー

で、ラスボスは鞭使いだしさ。
ムエタイじゃなくて、体当たりで倒してるし/。
がっかりだよ。

てわけで、超人的なアクションはすごいけど、最後に行くにつれ、
全然武術出てこない、びみょーな作品でした。

なお、タイトルは中身と激しく関係ありません。
しいて言うなら、ラストバトルの舞台の名前ってくらいだ。
アジアンテイスト出す目的以外はなさそう。