- ホルモー六景/万城目 学
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面白いなぁ、シリーズ化してくれないかなぁ。
”horumo"って何??
大学の書庫の奥から見つけた、古い木箱から出てきた謎の手紙。
その謎を解こうとする女子大生他、ホルモーを巡る6編。
きが~るに読める、
ホルモーを巡る短編集。
前作の脇役を初めとして、時空列も自由自在に編んだ諸話。
凡ちゃんを巡る淡い恋の話、
高村のちゃんまげ秘密(そういう理由だったのか!驚愕(笑)
芦屋の曖昧な恋愛が生んだ、思わぬ副産物。
ホルモーの生んだ、熱すぎる女の友情、
更には、『鹿男あをによし』に出てきた”狐のは”も出てきちゃったりして、
ほんと、ベテラン作家かと思うような、卒のないライトで、楽しい後日譚。
一番続きが読みたいのは、
甦っちゃった、第5のチームかな。
復讐に燃える、強き(たぶん)女、巴と、留学生ウーくんの混じる新生チームが
どう波乱を巻き起こしていくのか、激しく読みたいわ(笑)
競技のばかばかしさ(でもちょっとヒヤリもする)もだけど、
恋愛理由に悪戦苦闘する人間をめちゃくちゃ面白く書くんだもん、このひと。
あとは意外や意外、”東京ホルモー”も。
果たしてどんなことになってるのか。
丸ビルホルモーとかあるのか。
でもあれだね、『京都だったら何でもアリな気がしたんです』て、万城目さんが言ってた通り、
東京ホルモーだと、なんとなく、違和感があるというか、
”ありえないけど、でもちょっとあるんじゃないかと思わせる雰囲気”
てのがないよね。
下町ホルモーとか、両さんとか思い浮かべちゃうよ。
それにしても、
話は突拍子もないのに、主にモテナイ男女、うまく行かない若人の恋愛事情
(基本的にダメなかんじ)が話の芯なもんだから、
”理解できないファンタジー”ではなく、
”笑える青春もの”として、どれもさらっと読めるのがこの人の一番の強みかも。
似たような立ち位置の作家だと森見さんがいるけど、
あのひとより、ずっと文章も読みやすいし、
構成的な意味でもスッキリして読みやすいよね。
ただ、万城目さんのが、はっきりとエンターティメントだよね。
(本人も意識してライトに書いてるらしいけど)
森見さんは、ちょっとスライドすれば文学書けそうな感じ。
もちろん、ふたりとも大好きで、著作はこれからも全部読んでく。
超お気に入り作家。
あと、話的に好きなのは
”長持ちの恋”と”もっちゃん”かな。
ベタっちゃベタだけど、素直に読めて、驚いて、ほろりと出来るのが好き。
なべ丸頑張れ、死んだらいけん、とか、
ずっと待っててくれたんだね、なべ。
とか思っちゃう。
と、素直に書いても間抜けな文章になる万城目マジック。
ネーミングセンスあるなぁ…
もっちゃんもびっくり。
きっちり途中までだまされてたし。
阿部シリーズはあかんがなぁ、と思いました(笑)
元をただせば、やっぱり、清明なのかなぁ?
鬼=式神らしいしねぇ。
あー、ほんと、シリーズ化してくれないかなぁ。
ホルモーネタ一本で、昔話から現代話、近未来まで書けるんじゃないの?
この人なら、手塚治虫的未来世界のホルモーでもなんでも、
面白く書けるよ。
多少不ぞろいが出ても、他のひとより絶対面白いもん。
↓
この中で、最初の女の友情話だけ、面白いけど、若干苦手だったんだよね。
モテナイ男の土臭い友情をそのまま女の子に移し変えちゃっただけだから、
ちょっと違和感あってさ。
花の根っこはみたくないというか、カワイイ女の子のきちゃない面は見たくないみたいな心境で。
それでもおもしろかったけど。
そんな若干のばらつきは無問題だもんね。
鹿男だってシリーズ化して欲しいし、
もう、何書いても面白いんじゃないの?このひと。
あー新作読みたい。
今何書いてるのかなー