鴨川ホルモー | お役に立ちません。

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本・漫画・映画のレビューブログ。
本は月に10冊ほど、漫画は随時、
映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

鴨川ホルモー/万城目 学
¥1,260
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肝心のこれを書くのを忘れておったw

葵祭の帰りに手渡された謎のサークル勧誘。
新歓コンパで出会った鼻の美しい同級生に恋をして、うっかり入るも、
ホルモーとはとんでもなく奇天烈で恐ろしいスポーツだった!?

いやいやいや。
いやいやいや。
このひとの3冊読んでるけど、これが一番好きだね。
1、大学生の情けない青春
2、ホルモーというあほらしい競技のいじり方のうまさ
3、ユーモアがツボすぎる
という点で好き。

まず、万城目さんは文章上手いよね!
以前にコピーライターかなんかやってるのかと思ったくらい。
これが、初めて日の目を見る作品とは思えないし、
失礼ながら、なんでこんなマイナーな出版社から出てるのかと(笑)
自分の実力読み間違えたんだろうなぁ…
シリアスなのだと、どこにもひっかからなかったらしいから、ユーモアもあかんと
思っちゃったのかなぁ。

と、いうくらい、読みやすく、テンポの良い文章。
分かりやすい構成…とはいえ、構成、ストーリーテリングはちょっとぎこちないか。
それでも、初作品にしてはかなり巧みな方。

んで、内容。
ホルモー。
ワンアイディアSFならぬ、ワンアイディアユーモアなのに、使い方うますぎ。
想像してたのと違って、ファンタジー展開で、しかも、ここまで本格的に細かく
陰陽師っぽい設定があるとは思わなかったけど。
もっとおかる~い、あかる~いもんかと思ったよ。
さらに、くだらなさにぎゃはぎゃは笑わせておいて、まさか後半、そんな展開になるとは。
そんな秘密が隠されているとは!!
と、驚かせ、楽しませてくれる。
それにしても、『ホルモー!!!!』の絶叫はないよね(笑)
意味不明な単語なのに、おかしみがあるし、こんなものを全力で絶叫しなきゃいけないとかって。

あと、登場人物もみんな曲がってるよね(笑)
”顔”でなく”鼻”に美とエロティシズム(?)を感じ、恋してしまう主人公や、
金持ちなのに、身なりに頓着せず、頭髪にも頓着しない友人、
なぜか凡ちゃん(大木凡)ヘアの女の子とか。

設定は変だが、一応、大学生らしい青春・恋愛模様は楽しめるし、
なにより、そのふっつー、の日常描写のおかげで、奇天烈な物語にすんなり感情移入できる。
コンパとか、下宿とか、なんか、覚えのある感じなんだもん(笑)
内容はともかく、サークルのくだらなさとかね。
とにかくくだらないのに、主人公達の話し方とか妙に堅くてギャップで笑えるし、
そもそも、ホルモーという突拍子もないスポーツの説明に、
さも歴史的素晴らしき出来事のような口調で、いちいち説明がつくのがいちいち笑える。
「これが後の鴨川ホルモーである」みたいな。
そんな。
「である」とか言われても。

いっちばん、好きなのは、神社の裸踊りのシーン。
あれは耐えられん!
あれはおかしすぎ!
今まで読んだものの中で、ベスト3、いや、1をとってもいいくらいオカシイ。
しかも、なんとなく、そんなあほなことをやる大学サークルとかありそうでさ…
うちのサークルも、”ブリーフマスター”とかいたしね…
キャンプファイヤーの前で、自前パンツをブリーフに履き替えるという、危険な技のマスター。
もちろん、他はなんも着てないぜ。
だから、京大にこんなことしてるひとたちいるんじゃないかと思って(笑)

絶対オススメ、必ず楽しい、
最強エンターティメント。