- 有川 浩
- 図書館危機
これこそ、ドラマ化か映画で良かったのでは…
漫画ちっくだけど、最近のドラマ殆どマンが原作だし、違和感ないけどな~~
シリーズ3作目。
恋する”王子様”の正体が判明し、動揺を隠せない主人公。
しかし、内乱、かく乱、陰謀、騒ぎは尽きないわけで。
いきなり3作目から読み始めちゃったんだけど、問題なし。
というか、実はこれがかなり面白かったり。
たった一つの事実だけを大幅に改編した小説は好き。
SFでもよくある手法だよね。
図書館が武装する、なんて突拍子もない設定なんだけども、
そこに至る原因の事件が、ちょっとありえそうなトコとか、いい。
この作者の特色はエンタメと、下調べを徹底してるとこだよね。
基本は少女漫画で、
ギャグメインのあ・かるいやりとりに、あ・かるい主人公に、
スーパーマンな仲間たち。
美形陰謀家、美形で頭も良くてスパイな友達とか。80年代的というか。
明るさと体力がとりえ、ちょっとおばかで親しみやすい主人公(=読者感情移入)に、
仲間はみんな頭良く、かっこよく、敵もかっこよく、
特に親友は頭脳、美貌、全て持ってて非の打ち所なし、
でも、心の隙間を埋めるのに主人公求めてるとか。
どれだけ愛されてるんだよ、という(笑)
でも、べたでも、脇まで含めてよく性格描かれてるし、
人間関係も、丁寧。
”実はスパイ、悲しいわたし”みたいな、べたに気を引く展開もあるけども(笑)
んで、このべたべたさがチープに見えないのは、
背景がハンパなくしっかりしてるから。
架空の設定なんだけど、これでもか、と詳細に調べられ、設定され、描かれてる。
組織、条約、歴史、戦闘シーンとかね。
戦闘シーンとか、本当凄い。
きっちり描かれてる。
この部分だけでも読ませるくらい。
ど器用な作者。
超・少女漫画な主人公の暴走ぷりがたまにいやになるけど、
でも面白いから読んじゃうな。
もうちょっと、主人公の一人脳内暴走が止んでくれると落ち着いて読めるんだけど…
80年代のマンガに良くあるような、学内戦争ものみたいなノリなのも好き。
戦争だけど、戦争じゃない(内乱?)要素が、
真剣な青春、ぼくたちの青春、みたいな雰囲気になっていて、そこはわくわくするな。
この巻の、敵方の攻め方は、頭の良さに舌を巻くと共に、
嫌らしさにむかついた(笑)