- 有川 浩
- 図書館内乱
遡るで~~
図書隊の一員として、平穏無事ならず、不穏騒動に明け暮れるヒロイン。
頑固な肉親の襲撃、身に覚えのない罪を吹っかけられ、
仕事もプライベートも追い詰められる。
戦闘シーンは減って、内乱メイン。
ヒロインの内乱=理解のない両親との確執
仕事の内乱=図書隊内の、2派閥の勢力争いに巻き込まれる。
相変わらず、天下無敵の二刀流。
ヒロインの確執は誰でも身に覚えがあるんじゃないかと。
己の価値観をこどもに押し付ける親との確執ね。
それも愛情起因だからたちが悪いという。
嫌いじゃないからこそ、やりにくい、そんな親との不器用なやり取りは、
共感しやすいし、物語にはまりやすい。
そんな馴染みやすさを縦軸とするなら、横軸は、組織の内部闘争。
架空の組織の架空の覇権争いという、めんどくさい設定ながら、
おばか主人公の視点メインで描かれるから理解しやすいし、
組織のドロドロと面では素っ頓狂でもないから理解しやすい。
それにしても、そのどろどろ争いも上手い。
何故、組織が二分されて対立してるのか?
若干説明調過ぎるところもあるけれど、ヒロインの美人親友の恋愛模様と絡めて説明する辺り、
面倒くさいところをいかに面白く説明するか、よく考えられてる。
それで背景をしっかり説明した後、実際、その対立、覇権争いがどう行われているのかが描かれるけど、
これが、いあや~~な腹芸。
あーあー、こんな役所のおっさんいるよねぇ、とか、
偉い人とtか回りくどくくてまじむかつくわとか、
経験もないのに、妙にありえそうで納得してしまうのが凄い。
いやらしーい、やり口、腹芸、なのですわ。
全編、そんな感じ。
分かりやすい、バトルという正面衝突はなく、
内部争い、ヒロインの両親との争い、美人親友の周囲のひがみとの争い、
ヒロインの同僚の兄との争い、ヒロインの上司の恋愛模様、
とにかく内乱勃発花盛り。
人によってはややこしいと感じるかもだけど、
リアル感溢れる、人間関係の複雑な糸は読見ごたえあり。
複雑ながら、POPにデフォルメされてるから読み易く、共感しやすいし。