- ダイアナ・ウィン ジョーンズ, Diana Wynne Jones, 浅羽 莢子
- ダークホルムの闇の君
ハウルの動く城、
もうすぐDVD出ますね。
あの原作者の辛口ファンタジー小説。
ファンタジーといったら、冒険者が悪い魔王を退治して…が王道ですね。
これもそんな王道のひとつ。
だけど、よくある話かと思ったらとんでもない!
だって、このファンタジー世界は、
我々資本主義世界の一事業家によって搾取され、
無理やり持ち回りで魔王をやらされ、世界まるごとひとつがテーマパーク化されちゃってるんです。
今回魔王”闇の君”に奇しくも選ばれちゃったのは、
しがないお父さん。
子沢山で夫婦仲はあまりうまくいっておらず、
魔法もあんまりうまくないけど生物を作りだす腕は一級品。
なにしろ7人の子供のうち5人はグリフォンですからね!
お父さんがラスボスに選出されてしまったがために、
お母さんは魅惑の魔女(セクシー衣装で冒険者を誘惑)、
こどもらもそれぞれ、冒険者を導く魔術師だとか、
魔王の城のデザイナーだとかに扮さなくちゃいけない。
これでまた家族が揉める揉める!
リアルドラクエを演出しなきゃいけない普通のひとびとの奮闘、
そして家族の物語。
そんな家族や人々の奮闘もさりながら、
そこらじゅうに仕込まれた謎がまた良く出来ていて、
思わぬ複線が大きく化けたり、
初めそうと見えたものが実は全く別の正体だったり。
とにかく面白い。
強烈な皮肉と物語の仕掛け。
大人向けファンタジー。