北欧伝説を題材にカイ・ニールセン (こんな内容 )が挿絵を書いたもの。
岸田理生訳、新書館出版だが、現在は古書で手に入れるか、図書館で探すかしかない。
わたしは図書館で見る。
小さい頃から何度も借りてる。
すごく好き。
細かく描きこまれた線を基調に、全体的に陰のある色調。
多色使いなのにどこか物悲しく、余白を生かした画面構成は浮世絵を思わせる。
劇めいたポーズの人物、
物憂げな表情。
特にお気に入りなのは、
好奇心から最愛の王子をなくした娘の絵。
森の中、下着姿で顔を覆う娘が画面中央に描かれる。
下草に花は生えているけれども森は暗く、膝を付いて嘆き悲しむ娘。
後悔が伝わってくる。
もうひとつ、裏表紙の、悪魔と姫。
黒い羽毛に覆われた体は蛇のように伸び、
唯一人間である顔は娘を覗き込む、
娘は聖女のように白く美しく。
何の物語なのかは分からないけれども、
黒基調に燭台や王冠の黄金が映えた色彩がすごく気に入って。
大きな布に転写して部屋に飾れたらな。