人生講座(11) うまくいかないことが楽しい (10/21)
「デディケーション」、「昨日は晴れ、今日も朝」、それに「遅れず」という私の3つの人生訓の話をしました。先日のフジテレビで「デディケーション」を放送していただいたのはとてもうれしく感じました。その時に「**さん、一度、2,3ヶ月給料をもらわないで働いてみたらどうですか? 幸福になりますよ」と言ったことも放送していました。
ところで、私はブログに「まずいものを食べること」という趣味を書いていますが、それは人間の五感のことでもあり、「人生、うまくいかないことが楽しい」ということでもあります。
(後は音声です)
1)まずいものを食べる、
2)降れば濡れる、
3)連休の羽越本線と鼠ガ関・北陸本線の事故と40万キロのタクシー
不幸な者は幸いである。幸福になることができる。
お金持ちは不機嫌である。
(平成24年10月21日)
--------ここから音声内容--------
このブログは比較的気軽な気持ちで書いておりますので、何かこう…事がありますとですね、ちょっと心に衝撃があって書けなくなってしまうことがあります。例えば中部電力の課長がですね、「福島の事故は事故ではなかった」なんて言いますとですね、「ああ、あの時にあんな寒い所を逃げ惑った多くの人たちがいるのに、なんでそんなこと言うのかな」というショックがですね、私の体から消えないわけですね。
それからまた福島の子どもたちの甲状腺異常のニュースが流れるとですね、またそのような気持ちになり、このブログでも「人生講座」をはじめとして「男と女の話」なんてもう書けなくなっちゃってですね、色々「こういうことも書こう、ああいうことも書こう」と思ってたんですが、今ちょっと中断をしてると。まぁあの、「人生講座」くらいは回復しまして、かなり書けるようになりました。
今まで「デディケーション」、人のためにやるのが結局幸福な人生になる。「明日は晴れ、今日も朝」と、昨日はどんな土砂降りでも「ああ、晴れだ」と思おうと。「昨日は晴れ、今日も朝」ですね。昨日が土砂降りの不幸な日だったけど、晴れてたんだと思えば幸福に感じる。今日も朝が来たんだなぁと思えば、また今日の一日が充実する。そして「遅れず」、どんな時でも自分は遅れないというですね、決意、こういったものを話しましたが。
そのうち、先日フジテレビでですね、私の「デディケーション」という信念を放送して頂きました。とても嬉しく感じました。その時最後にですね、ディレクターの方ですが、「なんとかさん(○○さん)、一度2, 3か月給料をもらわないで働いてみたらどうですか」と、「幸福になりますよ」とかなんて言ったんですけども、なかなか普通にできることじゃありませんけど、まぁ2, 3か月給料をもらわなくても、気持ちよく働くということがいいんではないかなと思ったりします。
ところで私はブログに「まずいものを食べる」ってことが書いてありますが、これは人間の五感の特性を利用したことでもありますし、またこのブログの、今度のこの記事のタイトルですが、「人生うまくいかないことが楽しい」ということでもあるわけですね。
で、このまずいものを食べるっつぅのはですね、どういうことかと。割合と簡単なことなんですが、人間の舌という…味覚っていうのはですね、相対的にしかわからないんですよ。前に食べたものとかですね、最近食べたもの、それの平均的な美味しさと、今食べてるものとの美味しさの比較なんですね。絶対的な美味しさはわからないんですよ。
ですから例えばお金持ちがよくブツブツ言ってるんですが、美味しいお寿司だけを食べるという、そういう人がいる。千円のお寿司を食べて、1500円のお寿司を食べてって、どんどんどんどん値段が高くなってきまして、一万円のお寿司を食べる。それでも美味しくない、だんだん美味しくなくなっていくんですね。それは当たり前なんです。「差」しかわかりませんからね。
そこでしょうがないから、色々人に聞いて、沼津にどうも美味しそうなお寿司屋さんがあるっていうことで、そこに行って食べる。ところが毎日別に沼津に行けるわけじゃないので、他のお寿司屋さんに行くと「あそこの沼津の寿司屋は美味しいけど、ここはダメだなぁ」と思いながら、不満になって食べるっていう、そんなふうになっちゃうんですね。
ところが私なんかは時々学食を食べます。学食っていうのはですね、誠意持って作ってんですよ。だけどもなんて言っても、あの食べ盛りの学生にですね、300円ぐらいで食べさせるわけですから、腹一杯。やっぱりそれほど味はですね、二の次になっちゃうんですね。それを食べますと私の舌がリセットされます。そうしましてサラリーマンのですね、600円ぐらいの昼食を食べると「おいしいなぁ」とこう思うわけですね。
もちろん千円の寿司なんか食べりゃあ、もう天にも昇る気持ちと、こうなるわけですね。これが…「まずいものを食べる」というのが、非常にこう大切と言うわけじゃないですけども、人生を充実させて美味しいものばっか食べる一つの方法であるということになります。
それからもう一つ、まずいものにぶつかった時ですね、それは大変に幸福なことだ、幸運なことだと思うことだということですね。「雨が降れば濡れる」ということをよく言うんですが、私はあまりですね、実は傘を持たないし、天気予報も見ないんですね。そうすっとまれに雨にずぶ濡れになりますと、まぁ洋服は…せっかく買った洋服はダメになり、靴はぐちょぐちょになるってことなりますね。
それで家に帰ってきてももちろん風呂は沸いてないと。それは11月の寒い日だった、冷たい雨に濡れて体の芯まで冷えてきたけども、ワガママ言っても風呂を沸かすには20分かかりますからね。それをじーっと我慢して、体の…芯まで冷えた体を湯船に沈めると、手の先までじーんと温まっていく、「あぁ、人生生きてて良かったなぁ」とこう思うわけですね。
でも毎日ですね、平凡な時を送り、普通の暖かく暖房された部屋にいて、お風呂に入っても、感激は味わえないですね。現在の人間の、日本人の社会というのは、ほんとうにこうそういう点ではですね、平凡な毎日ということも言えるんですね。これが傘を持たない理由であります。これは「自ら若干望んで不幸に入る」ということですね。
この前連休で羽越本線を新潟から秋田の方まで行きました。二時間半ぐらいかかったかですね。で、座れないんですね。まさかと思いましたけど、指定席が取れないんです。で、私はですね、立ちまして、その時もですね、指定席が取れないなぁと思って立ってると不満になりますけども、まぁたまにね、こうやって立つのもいいや。戦争の時には日本の兵隊さんがですね、輸送船の中にぎっしり詰められまして、立ったまま一晩輸送されるってことがあったんですよね。それから見ればわずか一時間、二時間のことを別に不満に思わなくていいやと。立ってる方が景色もよく見えるなぁぐらいでですね。
幸いしかしその時は座れちゃったんですけどね、30分ぐらいで。そうすっと、鼠ヶ関(ねずがせき)という知らない駅がありました。日本海と山の間にですね、ひっそりとある群落でしたけど、「ああこんな駅があるんだなぁ。知らなかったなぁ」というふうな感想もありました。
またこの前北陸本線の事故で、列車がキャンセルになりましてですね、特急が。40万キロも走ったガタガタのタクシーに乗って行ったんですけども、これもまたですね、不幸と言えば不幸。まぁそれもいいやと思えばなかなか楽しい旅でもありました。
「不幸な者は幸いである。その人は幸福になることができる」って、ほんとですねぇ。幸福になる者は…幸福である者は幸福になれません。しかし不幸になる(である)者は幸福になれます。ほんとうにこの人生の真理というものは難しいものだというふうに思いますね。
そういう点では、お金持ちが不機嫌だと私いつも言うんですね。お金持ちっていつも不機嫌なんですよ。先ほど言ったお寿司もそうですけども、いつもいつも美味しいもの食べてますんでね、どこ行っても美味しいものが食べられないんですよ。可哀想ですよね。それから車でもそうですね。非常に良い車を持っておられるので、いつも走りますと前に軽自動車がいてですね、「あいつ、遅いな遅いな」っつって、やっとの思いで軽自動車を抜きますとね、しばらくするとまた前に軽自動車がいるんですよね、今度は軽トラだったりなんかして。田舎のじさま(爺さん)が運転してるっていうですね。またイライラするという。
だから金持ちはいつも自分のお金で思うように世の中がいくと思ってるもんですから、非常に不機嫌な人が多いですね。そういう点では、人間っていうのはほんとにうまくいかないことが楽しいんだと、そういう感じが致します。