人生の節目・衝撃の一言:えっ!森がCO2を吸収しないってホント?! (6/30)
すでに10年以上前のことですが、千葉の放送大学のホールでフランスと日本の文化の比較についてのシンポジウムが行われ、その場で「日本の環境」について講演をしました。
そこで私が「森林はCO2を吸収しない。少なくとも現在、問題になっている地球温暖化とは関係がない」と説明をしましたら、そこに同席しておられた科学技術総合会議議員の東大教授が「えっ!森がCO2を吸収しないって?!」と驚かれました.
その東大教授は超大物で法学がご専門でしたが、法学的立場も科学技術の発展に資するので科学技術総合会議の議員になっておられたのです.法学ですから、「森がCO2を吸収するか、それが温暖化に影響を与えるか」ということを考えるのに必要な光合成、腐敗、地中への埋没、地球物理学などの知識は持っておられず、専門の先生にウソを教えられたようです。
私の説明にも信じられないという顔をされていましたが、日本の中枢の知性はこんなものか!と私の方もビックリしたものです.
(平成24年6月30日)
--------ここから音声内容--------
えー、思い出せばですね、もう今から10年以上前なんですが、千葉の放送大学幕張のホールでですね、フランスと日本の文化の比較のシンポジウムみたいのがありまして、大変にレベルの高いシンポジウムに出させていただいて、「日本の環境問題」について講演をいたしました。
その中で私がですね、「森林はCO2を吸収しない。少なくとも現在、問題になっている地球温暖化とは関係がない。ちょうど今問題にしてるCO2の量の一万分の一ぐらいならですね、変動があるんですけど、まぁそんなもんですから、現実的には森林が二酸化炭素を吸収するってことはない」ってことをお話ししましたら、そこにおられたですね、科学技術総合会議の議員の東大の教授がですね、「えっ!森がCO2を吸収しないって?!」ってすぐ驚かれたんですよ。
この東大教授は大変に大物の先生で、法学がご専門ですね。そういう立場から科学技術総合会議の議員になっておられたわけですが、おそらくはご専攻が法学ですからね、「森がCO2を吸収するか」とか「何分の一ぐらいか」っていうのはですね、光合成の技術、知識…腐敗であるとかですね、地中への埋没の確率であるとか、その他、地球物理学などの知識が必要ですから、おそらく非常にちゃんとした先生でしたので、専門の先生にウソをつかれたんだと思います。
で、私の説明に信じられないような顔をされていたわけですが、私がこれでですね、非常にある意味での、こうビックリしたっていうことはですね、科学技術総合会議の議員って言いますとですね、名だたる人なんですよ。ま、日本の知性の中枢っていう感じですね。その人たちがですね、まさか、あの…小学生なら騙されてもいいっていう感じがしますが、森がCO2を吸収するっていうことを信じておられたっていうことにビックリいたしました。
やっぱりこれは日本に、文科系と理科系の区別があるってことによって生じたことでしょうね。くしくもこの時、フランスの文化というものを議論したんですけど、フランスには文科系、理科系ありません。フランスはエリート主義なんですが、フランスのエリートは、文科も理科もできないとエリートになれないんですよ。つまり、地球温暖化を考える時はですね、地球温暖化の経済的な関係とか、人生だとか、それからやっぱりC02は…森でCO2が吸収されるかって理科的なこと、熱バランス両方考えないと、CO2考えられないんですよね。ですからまぁ、国の指導する人は文科系、理科系知らなきゃいけないっていうフランス良識、それを議論しているシンポジウムで、こういうことが出たってことに私は非常にビックリをしました。
えー、やはりですね、まぁこの法学の先生にウソをついた理科系の人も理科系の人ですけどね。日本の中枢の科学技術を決める科学技術総合会議がですね、小学生だったら理解できないかもしれない、高等学校の生徒だったら絶対に理解できるってことを間違っているということはですね、私がその後、これはですね、「どうも、この知性とか学問っていうのは別のもんなんだな」と思った一つのきっかけになった事件でした。
(文字起こし by haru)