若い人も年配者も注意しよう! 論文から見た被曝による発がん (5/3)
先日、放射線影響研究所からの最新論文をご紹介しました(第14報)が、すでに第13報でも、「閾値がないこと、直線近似できること、発がん性は若い人が、ガンになる時期は年配者が、危険なこと」が示されています(このブログにも解説をしてありますが、グラフ化した労作もあります(http://blog.livedoor.jp/hardthink/archives/51932680.html
)。
よく「閾値はみとめられていない」とか「1年100ミリ以下はデータが無い」というのはハッキリとした間違いですから、学者は「低線量の被曝で健康に障害がでるというデータは多いが、私の意見は違う」と学会で述べるにとどめるべきです。医師や資格を持った専門職がそのようなことを言えば、医師は医師免許を、専門家は専門職を辞する必要があるでしょう。これについての理論的なことは小学館でネット放送している「ガリレオ放談」をご覧ください。
さて、この図は、10才の時に被曝した人が30才までにガンになる確率は、30才の人が50才でガンになる確率の実に5倍という数を示しています。若い人だけが危険ということではありませんが、私たち大人が原発の電気は欲しがったために子どもたちを被曝させ、原発を動かせば必ずでる核廃棄物の貯蔵もせずにそれを「危険だから」という変な理屈で子どもたちに回そうとしています。
今回の原発事故をきっかけにして、「大人が責任を回避し、利益だけをとって、後は子どもに任せる」といういつの間にかついた悪い習慣を止めたいものです。若い人が希望に満ちて生活できる社会、それが年配者にも楽しい人生をもたらします。
とても悲しいことですが、今のように学問的にも法律的にも許されないことを子どもたちにしていたら、将来、子どもたちは病気になるでしょう。そのときにこれも悲しいことですが、補償問題で裁判になるでしょう。かなり厳しい裁判になると思います。なにしろそのお子さんのガンが福島からの被曝によるものという証明が難しいからです。
せめて、そのときのために被曝の履歴や、「被曝しても大丈夫」と発言していた人の記録を取り、個人的にでも賠償を請求するしかないと思います。少なくとも統計的にはガンの発症が増えるでしょうから、大人としてはそれに備えるだけの精神力が求められると思います。
悲しい日本になったものです。こんなことを防ぐには線量の高いところの子どもを戦時中と同じように疎開させればすむことですし、原子力の年間予算4500億円でおつりが来ます。大人の決意だけで子どもを守ることが出来るのです。自治体が「大丈夫おじさん」を呼んで住民にさらに被曝させることが続いています。
日本のような閉鎖的な社会では自治体が作り上げた雰囲気を壊すと村八分になると思って、子どもを守る行動に出ることが出来ない人も多いのです。今一度、放射線による被曝の病気は「時間がかかる」ということを確認し、1年1ミリが法律の限度、1年1ミリが広島の原爆症の認定基準、1年5ミリが成人男子の白血病の労災認定基準、1年1ミリが電力会社の被曝の内部基準ですから、子どもについては大人は十分に注意してあげたいと思います。
(平成24年5月3日)
--------ここから音声内容--------
ええっと、あのー、この前、あの放射線影響研究所からですね、えー、最新論文(を)紹介しました。ま、14報でありますが。ま、13報でもですね、えー「閾値がない」とか、被曝と健康の関係ですね、「直線近似ができる」とか、まぁそれから、あー「発がん性は若い人が多い」とかですね、あのー、そういうのがずっと知られております。ま、このブログにも書きましたし、またそれをグラフ化…論文をグラフ化していただいた、ま、労作もあります。ちょっとここに参考に示しておきました。
えー、こういうもんから見てですね、まぁ割合閾値がないとか、一年100ミリ以下はデータがないといった、えー、まぁ間違えをですね、ずいぶんマスコミも報道してしまいましたので、えーこのところですね、「一年100ミリ以下はデータがないんだ」というのを当たり前のように言う人がいてですね、ま、ちょうどあの、「温暖化したら南極の氷が溶ける」みたいな感じで、まぁ先入観でみんなそんなふうに言ったわけですが。
えー、もうまったく間違ってますからね。ま、このぐらい大きな間違いは、もし医師とか専門家が言うってことになるとですね、これやっぱり資格の停止みたいなやつがいるんでしょうね。ま、これについては、えー、ガリレオ放談でも詳しく説明します。
ところでこの図もですね、ある読者の方から教えていただいたもんでありますけども、えー、10才の時に被曝した人が30才までにガンになる可能性は、30才の人が50才でガンになる可能性の実に5倍であるっていう数字もあります。えー、もちろん若い人だけが危険ということではなくてですね、えー、年とった人もガンが早く発生したりするんですけども、ま、いずれにしても、ま、そういうことですね。
えー、原発を動かせば必ず核廃棄物が出るわけですが、それを危険だからといって、えー、ま、子供たちにツケを回そうとしております。えー、ま、こういった大人の全体的な態度ですね、えー、大人が責任を回避する、と。利益だけを取る、と。えー、後の汚いものは子供に任せる、といった今の悪い風習・習慣をぜひやめてもらいたいというふうに思いますですね。
若い人が希望に満ちて生きていけるような環境を作るってのが非常に重要だろう、と。ま、だけども現状はですね、福島を中心としてかなり高濃度、高被曝をしている子供たちが多いので、ま、この人たちが将来補償問題になった時に、えー、かなり厳しい裁判になると思うんですね。
今の裁判官じゃですね、おそらく国側の方につくと思うんですよ。「いや、あなたはガンになったかもしんないけども、これは福島原発(が原因)かどうかわからない」と、こう言うでしょうね。どうしたらいいか、どうしたらそういう…まぁ、もちろん第一は病気にならないっていうことですけども、病気になった子供たちをどうやって守るのかっていうのは難しいですね。
ま、やっぱり今ですね、あの、被曝しても大丈夫だとか、一年100ミリとか言ってる人の発言を記録しとくことなんでしょうね。ま、それしかちょっと方法がないかなぁと思ったりしますね。ま、それでも裁判官は、えー、「そうかもしれないけども、あなたのガンはわからない」というふうに言うでしょうね。えー、非常にこう…難しいことが予想されます。
ま、かといって、今その、そういうことを守れないわけじゃないんですよ、実は。えー、私がこれも言ってるように、原子力の年間予算4500億もあるんですから、えー子供たちを戦時中みたいにですね、放射線のない所に疎開させることもできるんですよね。
だけど現実的にはまだ自治体がですね「大丈夫だおじさん」を呼んで、住民にさらに被曝を勧めてるっていうことがありますね。で、こういうことやりますとですね、ま、残念ながら日本は閉鎖的な社会なんで、ま、自治体が作りあげた「大丈夫だおじさん」の雰囲気に反すると村八分になるんで、なかなか子供の健康を守る行動に出にくいっていうことがあるわけですね。
しかし私たちはそういうことじゃなく、今一度ですね、放射線による被曝の病気ってのは時間がかかると…まぁいうことを認識して、それから、もう、我々が守ってきた…大人が守ってきたのはですね、一年1ミリが法律の限度である、一年1ミリが広島の原爆症の認定基準である、一年5ミリが成人男子の白血病の労災認定基準である、一年1ミリが電力会社の被曝の内部基準…ま、平均ですけどね…である、と、まあいうことをもう一回思い起こして、ま、子供については大人より十分に、ま、注意してあげたい、と…まぁいうふうに思いますね。
えー、まぁ、このブログでほんとに度々お話してますけども、一年100ミリ以下はデータがないなんていうウソがですね、もう普通に、こう…語られるっていうぐらい、この一年間で、えー、政府の政策は成功しましたね。まぁNHKとかそういったマスコミが、それをまぁ言いました。えー、政府の発表してることならなんでもいい、と。真偽を確かめずに、えー放送しましたので、結果的には多くの被曝者を出しましたね。
ま、これが今度どうなるか。えーほんとに心配ですので、ま、準備もしとかなきゃいけない。裁判がいかに信用できなくても、やっぱり我々は、司法というのは持ってますから、やっぱりそれをやっておくべきじゃないかと私は思います。