瓦礫問題(音声だけ)
瓦礫問題の音声だけです。
(平成24年3月26日(月))
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えーと瓦礫の問題はですね、多くの人が心配してるわけですね。ま、これに対して、えー、戦う、助け合わないといけない、とかですね、温かい心、絆、恩がある…というですね、およそ科学とは関係ない…人間にとってこれ大切ですよ、人間にとって大切ですが、今問題になってんのは科学であってですね、あの、温かい心の問題じゃないんですね。瓦礫のことを心配してる人は、科学を心配してるわけですからね。えー、これをですね、無理やり空気を作って押し切ろうというのはですね、まぁ、あまり日本人としてのプライドを傷つけます。
っていうのは日本は近代国家であって、科学技術立国であり、法治国家なんですよ。だからやっぱりデータに基づき、違法なものは違法である、と。ようするにですね、なんか勘違いしてるんですよ。瓦礫が心配だという人はですね、被災地を助けたいと思ってるんですよ。助けたいと思ってるけども、だから法律に違反していいとか、ウソをついていいとか、我が子を危険にさらしていいとかってことじゃないってことを言ってるんですね。
えー、ある三重県の市長さんとテレビの解説者がほんとひどいことを言ってました。「理由なき反対をしている」ってんですね。理由はあるんですよ。それを一つお示しします。えー、データが出てきました。例えば岩手県の陸前高田市の瓦礫ですね。ま、この中に繊維の放射線量が1kgあたり1480ベクレルというのがあります。これはどうなのか。えー、法の下に平等というのがあるとしたら、えー、昨年の夏にですね、14才の少年が、放射性物質をわずかに含んだ蛍光塗料を持ったキーホルダーを持ってたってことで書類送検されました。
私がこれをすぐ持ち出すのはですね、この繊維は少ない…量が少ないと言うんじゃないかと思ってですね。あなたね、えー、14才の少年が持ってた蛍光塗料には(放射性物質の量は)ものすごく少ないんですよ。だけども書類送検されてるんです。違法なんですね。少ない、多いの問題じゃないんですよ。それを14才の少年にやってるんですよ? 私はそこん所をきちっとしなきゃダメだっつってるんですね。
で、まず文部省はクリアランスレベルを定めてます、と。これ違反すると一年以下の懲役か、100万円以下の罰金になります。それから文部省はですね、えー、土壌のセシウム濃度に対してどのくらい被曝するかっていう式を出しております。ここで使用してるのはどっちかって(いうと)…ちょっと国に有利な甘い、えー数値ですね。えー、文科省二つ出してますけど、そのうちの一つをまああんまり議論をめんどくさくてしたくないので、それを出してますね。
えー、これで計算する…つまりその焼いたやつがどうなるかわかりませんし、瓦礫を埋めるっていう説もありますからね。堤防作るとかいろんなことありますから、ま、一応これを土壌とした時ですね、一般土壌。それからもちろん法律的には一般人が被曝していい量は一年1ミリであり、放射性物質は1kg 1万ベクレルであり、その1/10で普通規制が行われるということを一応法律的に知っとって下さい。
これをもとに計算しますと、繊維は1480ベクレルですから、被曝量が一年に2,32ミリシーベルトになります。クリアランスレベルの232倍ですからね。えー、まず、この繊維だけ、これで、まぁ書類送検はされるでしょうね。14才の少年が書類送検されてんですから。市長さんが書類送検されないはずがないですよね。そんな差別じゃいけませんよ、そりゃあね。
次に、えーと、まぁこの繊維が非常に量が少ないんで、こんな少ないことを問題にしてもダメだ、という人がいるでしょうから、平均汚染度を出してみました。そうしますと1kgあたり116ベクレルになります。この値を今度はさっきの文科省の式を使って計算しますと、一年に0,29ミリシーベルになりまして、えー、これも29倍になります。従って、この瓦礫を搬出してどっかの市が受け取ったらですね、両方の市長さんは懲役一年の刑は免れないでしょうね。だって14才の少年を逮捕…あの、逮捕っていうのかな、書類送検してるわけですから。
さらに、それからもし焼却して体積が1/20ぐらいになると、焼却灰は1kg 2314ベクレルになりますから、一年に3,35ミリシーベルトに相当します。えー、焼却をおこなった市の市長さんは逮捕されなければいけませんね、これは。実は環境省が勝手に決めた8000ベクレル、これね、なんか外国でとかなんか言ってますけども、外国関係ありませんからね。だからこういうことやっちゃいけないですよね。
えー、実はクリアランスレベルっていうのは、あの、原子炉解体した時は違うじゃないかって言いますけども、まず第一に日本の国民の健康を守るために決まってるわけですから、場合がどうだなんて関係ないですよ。それからもう一つは今度の瓦礫はですね、原子炉を解体したとも言えますからね。爆発によってバーンっと原子炉解体されたわけですから。その破片が陸前高田市に散ったわけですから。ま、この法律でもいいし、ま、この法律が不適切であってもですね、あの、適用するのが不適切であっても、人間の健康っていうのは関係ないですから、どういう原因で起こったかは。
私はですね、難しい法律論議で逃げようとする人がいるのは、もう間違いないんですが、どの法律を使っても同じなんですよ。日本人を守るための規制値ですから。で、それで、この計算は陸前高田市だけを今計算しましたが、岩手県、宮城県の多くの瓦礫はクリアランスレベルを超えております。
科学的事実…数値が規制値を超えているのに、空気的事実…安全だという空気を作る、温かい心っていうのを作る。これは問題ですね。