「乱入した」と言われた人が警察を呼ぶべきである (1/19)
緊急性が高いので録音にしました(最初の録音で音が飛んでいたのでやりかえました)。大飯原発の再開問題で保安院の会議が混乱しましたが、この状態でストレステストとか、運転再開を議論すること自体が「安全第一」を無視するものと思います。
日本でもっとも安全が大切な原発が、「安全第一」という概念がまだできていないのには、本当にビックリします。
保安院が「警察を呼ぶ」と言っていましたが、警察は「権力のもの」ではなく、「国民のもの」なのですから、「乱入」と言われた人が110番して、警察を呼び、原子力基本法を守るために保安院を排除するべきだったのです。警察は法律を守るために国民が持っている組織です。
(平成24年1月19日)
--------ここから音声内容--------
ええと、昨日あの、慌てて録音したものがですね、ちょっとコンピュータの調子が悪かったか、音が飛んでるんですね。それで私も聴きづらいなと思いましたもんですから、もう一回録音し直しました。
ええと、こういうふうにちょっと代えますとね、いろんな人がいまして。なんか「武田は内容を変えたんじゃないか」とかですね、「訂正するときは、訂正したと言え」とかってですね、言われるんですけど。まぁ、このブログはですね。ほんとにあの、皆さんの被曝を何とか少しでも減らせる、そういうきっかけになればということと、私が自分の考えを整理する上でやっておりましてですね。そんな責任問題とか、そいから私の場合は何か目的があってやってるわけじゃないんで。目的って言いますか、自分の名誉とかそういうことでやってるわけじゃないもんですから。
ええと、まぁあの、そこんところはですね一応、もう少し気楽に考えていただいてですね。ま、時々ちょっと間違いあるかもしれないなっていうぐらいですね、ま、“おっちょこちょいのお父さん”ってこう言ってるんですけども。愛情はあるけども、少しおっちょこちょいなところもあるというぐらいで、ちょっと勘弁していただければと思いますが。
実はですね、大飯原発の再開問題で保安院の会議にですね、ま、新聞によると、その「反原発派が乱入した」と書いてありますが、これがまた表現が悪いんですけども。これについてちょっとですね、系統的なお話をしたい、と。ほんとはあの書いた方がいいんですが、ちょっと今時間が無いもんですから。えー、録音に致しました。
まず第一に、保安院は安全問題を議論はできません。もちろんあの内部で議論するのは大いに結構なんですけども、公的な議論はできません。従って、保安院が安全だと言ったから、それが何かの影響を及ぼすってのはいけないわけです。絶対いけないんですね。これは原子力基本法その他の、日本の原子力は推進と抑制という2つの機関を置いてですね、相互には連絡はあまりしないというのが原則なんですね。ところが、これがなしくずしになって、経産省というですね、電力を推進する方の中に「保安院」というですね、なんか安全を見るというような感じの組織を作ったんですよ。2001年だと思いますが。これがですね、もともと原子力を危険にしたんですね。
ええと、安全と推進を余り議論させちゃいけないんですよ。どうしても推進に影響受けますから。従って、安全は安全でちゃんとやるということで作ったもんですから。まず第一に経産省にある保安院というのをですね、保安院ではなくて「原発推進院」かなんかにしなきゃいけないんですね。あくまでも、経産省と独立した組織がですね、安全を見なきゃいけないんです。ですから新聞もですね、そのことはもう初歩的なことですから、まずは「こういうところで安全の話をしてはいけない」という記事を書くのが、まず第一です。これがもう、はっきりしとかなければいけないと思いますね。
それからもうひとつはこれも原子力基本法で、原子力を日本で進めるには「自主・民主・公開」の3原則をする、と。それで公開の原則っていうのは私もずっと体験してきましたが、あらゆる会議とか、人と人との打ち合わせが、国民に見えるようにする。つまり「闇取引をしない」ということがですね、条件になってるんですね。あの、保安院なんか、そんなの勝手に変えられませんよ。これは「原子力基本法」ですからね。原子力基本法をお役所が変えちゃいけないんですよ。
で、お役所はもちろん、お役人というのは何かの理由をちょっと見つけるわけで。今度は、前の会議んときに「不規則発言をした人がいるんで締め出す」と、これダメなんです。不規則発言をした人がいて不適切であれば、その人はちょっと別にするにしてもですね。公開の原則っていうのは、もっと大きなもんですから。何か1人がちょっと不都合なことしたからって、ダメなんですね。お役所でですね、例えば経産省で1人犯罪を犯した人がいるから、経産省を潰すということは無いんですよ。ま、そういうですね、へんてこな理屈をこねてはいけないということですね。
それから、まぁ悲しいのは新聞が「乱入」という言葉を使ったことですね。確かに反原発の人は非常に激しいんですよ。私もですね、かつて非常に困ったことが何回もありました。つまり冷静に議論ができないわけですね。ただこれはですね、反原発の人が悪いのかっていうと、そうでもないんですよ。要するにですね、国が強引にやりますから。
じゃ強引にやるのに、警察官なんか入れたりするわけですよ。いや、それはね、反原発の人が警察呼びゃあいいんですよ。あの警察っていうのはですね、国民の味方ですから。別にお役人の味方じゃありませんからね。だから、もし反原発の人が排除されそうになったら、そこから110番しましてね、「原子力基本法に基づく公開の原則を破って、保安院が我々を排除しようとしてるから、保安院を排除してくれ」とこういうふうに警察に言えばいいんですね。
つまり日本はですね、警察っていうのは常に権力側に付いてると思いますけど、そんなことないんですよ。民主主義ですから、警察は国民側に付いてるんですね。必ず国民側に付いてなきゃいけないんですよ。当たり前なんですね。ですから新聞も「乱入」なんて書くのはですね、原子力基本法違反ですから。
それからもうひとつはですね、もっと技術的に基本的なことは、今度の福島原発はまず地震で壊れて、震度6ですね。それから、津波じゃなくて浸水で壊れたわけですね。このことについて、大飯原発の3号機・4号機がどのような基本的なことをやったかというのが問題ですが、新聞には何か、地震の1.8倍とか津波の4倍とか、何か全然関係ないことが書いてあるんですね。これは誠にもう御用学者が集まって、(運転再開を)「とにかくやる」ということです。
で、最後にですね、私は今から40年前に化学工場、コンビナートに勤めたんです。そんときはですね、叩き込まれたのは「安全第一」という概念なんです。実は安全第一という概念はですね、損をするから、多少不安全でもいいとかですね、製品をどうしても出さなきゃなんないから、安全がちょっと危なくてもいいということは絶対ダメだって、もう徹底的に言われたんですね。安全はほんとに大事なんだ。だからお客さんから矢のような催促があっても、絶対に工場が安全でなけりゃ操業しちゃいけない。
安全第一っていうのはその頃ね、こう思ってたんですね、僕が入った頃。「安全第一っていうのは建前で、こう旗が掲げてあるけども、ほんとは違うんだ」って心ん中では思ってたわけですよ。それ、全部変えられましたね。いや、ほんとに「安全第一」なんだと。工場長以下ですね、もう絶対に安全第一じゃなくちゃ操業してくれないんですよ。どんなに急いでても。で、私は「あぁなるほど、安全第一というのはこういうことなんだ」 「人間の進歩っつうのは、こういうことが大切なんだ」ってことを憶えましたね。
その点では今度、電気が要るから安全はいい加減にする、保安院という安全を協議できない機関で協議し、反対する人を締め出し、そして全然原因も対策も無く実施するというのは正にですね、安全第一じゃないんですよ。その点では申請した関西電力も、審査した保安院も、それに携わった先生方も全て、安全第一ということをもう一回勉強し直してもらいたいと、こういうふうに思いますね。この問題は非常に緊急を要するんで、録音にしました。もうひとつ、緊急を要するやつがあって、今日とりあえず録音を2つ出すことにします。
(文字起こし by danielle)