緊急速報 急なセシウムの増加はどのぐらい危険か?(1/7) | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

(文字起こしをお手伝いして下さった方からの投稿です。danielle(ダニエル)様、ありがとうございました)





緊急速報 急なセシウムの増加はどのぐらい危険か?(1/7)


--------ここからブログ記事--------

2011年暮れから新年にかけて福島を中心として比較的広い範囲(おおよそ関東)にわたってセシウムの増加が見られました。数値はこのブログの下に示しましたが、これがどの程度、危険なのかについて、昨夜から少し検討をしています。

結論としては、「普通の生活をしていても大丈夫だが、マスクをかけた方が安全」というもので、期間は「ここ数日」と思われます。また、原因は「福島原発かまたは二次飛散」と考えられます。

もっとも大きな問題は、これほど急激に増えているのに、政府も報道もなにも言わないことです。簡単でも良いから、たとえば「セシウムの濃度があがっているが、この原因は***と考えられ、生活は***に注意すれば大丈夫」ぐらいは説明して欲しいものです。何のための報道でしょうか?

・・・・・・データと簡単な説明・・・・・・・・・

概要はそんなものなのですが、具体的に検討してみます。まず、新しいデータを示します。このデータは従来から福島県が文科省に報告し、文科省で整理して発表していたものと考えていますので、福島県と言ってもよいし文科省と言ってもよいと思います。

つまらないことですが、今までの経緯を見ると、福島の担当者と文科省の間では必ずしもデータのやりとりでうまくいっていなかったようです。ときどき、福島のデータが届いていないということが文科省に乗っていたり、文科省の計算間違いを福島県が指摘したりしているからです。


お手伝いさんのブログ これがその表ですが、10月、11月とこの「定時降下物」は、福島はほとんど「検出せず・・・2ぐらい以下」で、ときどき5から20ぐらいの値(すべて1日で1平方キロメートルあたりメガベクレル、これからは単にメガと言います。)がでています。毎日の報告を一応、私の調べられる範囲で全部調べてみました。それから言うと、極端に高い値が暮れから正月にかけて出ています。 また、法律ではすべてを足すことになっていますが、ここでは数値を説明するのでセシウム137で話をします。

一度だけ、7月に数100メガというデータがありますが、一日だけであること、そのデータは最初は数10メガで報告されていたのですが、「間違っていた」と文科省が訂正した曰く付きのものです(最終的には700メガ)。

また、月平均での1日の降下量は4月の高いときが3000メガ、7月は150メガですから、暮れから正月にかけて一気に7月まで戻ったということになります。

また土壌汚染が危険になるのはアルファ線がでていないものについての核種の合計で1平方メートルあたり4万ベクレルですから、1月2日の状態が80日になると危険になるというレベルであることが判ります。

・・・・・・・・・対応・・・・・・・・・

1月5日のデータが少し下がりましたので、今後の状態によりますが、

1) 生活に注意が必要ですが、まずはここ1週間

2) このまま減ってこれば、普段の生活に戻って良い

3) 逃げる必要はない

4) 学校は少し開校を遅らすか、あるいは良く測定して子供を守る

5) 学校が開校したら、仕方が無いので子供に2,3日は注意させる

6) 食材や水に行くかどうかは今後のこと

ということです。また読むのに困難な方もおられますので、音声もつけました。

(平成24年1月7日)



--------ここから音声内容--------


ええと、あのセシウムが急激に上がったことについてですね、多くの人がご心配になってますし、心配する・しないも前にしてですね。こういう時には、どうしても報道する必要があります。



そこで私の方でですね、少し整理をしてみました。文字が見やすいっていう方と、音声の方がいいって方とおられますので、音声も付けることにしました。ええと、内容はほとんど同じですので、文字を読まれた方は音声は必要ないと思います。



実は私が時々、10月とかそういう時にですね、この「定時降下物」と、要するに放射性物質が空から降ってくる、というのを見ててですね。それに伴って、もうマスクはいらないですよ、とか、風の強い日だけやってください。とか、まぁこういうこと言ってたわけですが。



ええと、毎日毎日見てたわけじゃないんですけども、大体12月の福島って言いますとね、「検出されない」、これは2メガベクレルぐらいなんですが。それ以下のときとかですね。たまに5とか20ってデータがありますかね。ま、そのくらいのときが時々見られる、というぐらいになってたんですよ。まぁ、でるときも、ぽつんぽつんと、ちょっとある日があるな、と。だから風でも吹いたかな?と、こんな感じで見てたんですけども。



25日ですかね、クリスマスぐらいからですね、上がってきたんですよね。上がってきたな、でもいつものようにまた無くなるだろうなと思っていましたら、27日には23、29日には52、大晦日に41、と四捨五入して言ってますけども、40.7と…いうふうにですね、どんどん上がってくるんですね。それで、これは変だな、と思ってたら、元旦には8.10とまぁ下がって、その次の日は検出せずに戻ったんで、ちょっと今度は期間は長いけど、値も高いけど、まぁこのくらいなら起こるのかなぁ、と思ってたんですね。



ところが、2日になって250に。これはビックリしちゃってですね。なんだ?と思ったわけです。というのはですね、一日の平均の降下量って言うのはですね、福島で4月は3000メガ、高かったんですよ。これはもう4月の福島ですからね。これはしょうがない、と。ところがだんだん減っていって、7月には1日150メガになったんですよ。



ということは252メガっていうのはですね、7月以前(の状態)に戻ったって事なんですね。で、これはね普通じゃありません。文科省はですね、私の読者の問い合わせに対して、「普通ですよ」なんて…これ、何が普通なんですかね!?それでまぁビックリしまして、これは調べようと思って、一生懸命調べ始めたら、その後71.8、26.0、ちょっと発表がですね、1日ずれますので、今朝では多分26.0が最新だと思うんですけどね。もっとこの2日はどうなっているか判りませんが、とにかく下がってきました。そいでホッと安心してるんですけども、これ分かりません。波打つかもしれませんからね。



悪く考えれば、最初の山が23、次の山が51.9…ピークがですね、次の山が252でしたから、次もう1回うんと上がるんだってこともあり得るので、ちょっと皆さんにこれは注意してもらった方がいいと思いました。252でも注意しなきゃいけないですけどね。



で、なぜこういうことが起こったのか?っていうのは、次のブログかその次の次ぐらいにやりますから。まぁとにかくね、まずここは“何が原因かよりか、何をすればいいのか?”っていう方に僕は注意がいくべきだと思います。



昨日の東電の記者会見も、記者の人が質問していただいたのはいいんですけど、「何が原因ですか?」と聞いちゃったんですね。だから変なことになりました。
つまりですね、私に言わせれば、火事が起こっているわけですよ。火元が台所かもしれないし、お風呂場かもしれないんですけど、現在、火が皆がいる居間に来そうなわけですね。



そういう時にはまず何をすべきかって言ったら、今から皆がどこの通路を通って外に出るか、逃げるか、ってことが問題なのであって、そのとき一生懸命ですね、風呂場が火元なのか、台所が火元なのか調べてもこれはダメなんですよね。



ですから、私は、原因追究はちょっと後にして、何しろまずは子どもを救わなければいけない。子どもを救うためには何をすればいいか?ってことを、決めなきゃいけない、ということですね。



それでいろいろ考えまして、今日書きましたけど、まずは生活に注意は必要です、と。ただこれは、今後の状態を見なきゃいけないから、ま、一週間ぐらいですね、と。今252が最高ですけども、これがですね、500ぐらいになるとですね、ちょっと避難も考えなきゃいけませんから。ま、何しろマスクしてですね、あんまり外に出ない、ということぐらいはしなきゃいけない。



つまり、データが2日遅れますんでね。2日遅れるのは仕方ないって言うっていうのは、そりゃまぁ、お役人はそう言うでしょうけども、被曝する方からとってみれば、仕方ないはありませんから。だから一応、ここ一週間ぐらいは、マスクをしたり、外出を少しおさえたりするといいんですね。



それからこのまま減って、また昔のようにですね、一ヶ月ぐらいはほとんど検出しないか、10ぐらいというのが続くようだったら、まぁ普通の生活に戻れる。従って今のところ、逃げる必要はありません。それから、冬休みが終わりかけてるんですけども、教育関係者が今ちょっとダメですから、見込みがないんですが。学校はほんとはちょっと2、3日開校を遅らして、様子を見たほうがいいと思うんですけどね。だけどまあそれは一応呼びかけましたが、しないでしょう。仕方ないので、子どもに2、3日は注意させながら、登校させるということでいいと思いますね。




それから、食材とか水に汚染が行くかってことは、今後によります。つまり、空気中にセシウムがもう飛んでるわけですから。普通に考えますと、後半月ぐらいで水道だとか、葉もの野菜に移るはずなんですが。それはこのままの値だったら、1キロ40ベクレルにいきません。私はそう思います。これ、様子見てみますけれども。




そういうことで、とりあえず、ずっと監視しながらやりたいと思います。ただですね、文部科学省がですね、「全然変化がないので、発表は一ヶ月にいっぺんにする」って言ってますので、福島はちゃんと発表していただいてるんですけども、他の県は判らないんですよ。断片的にしか判らないんですが、今私が知ってるのは、千葉・東京・神奈川・静岡・北海道あたりからデータがきておりまして、それを見ておりますと、やっぱり暮れから正月にかけて少し高いんですね。



だけども全く統一の取れたデータではないので、組み合わせのデータになりますので、抽象的なことしかいえませんが、まぁ福島から北関東の人は注意をして、それ以外の人はですね、何かそういうことがあるな…ぐらい(に)思っておいて頂いたらいいんではないかと思います。まぁ昨日の夜から今日に掛けてですので、一応ですね、今までの3月12日から、おとといぐらいまでのデータは全部一応見て、振り返ってみました。



もう一度結論を言いますと、今度の汚染は6月以来の降下物である、ということですね。これは何なのか?っていうことは、非常に興味があるわけですが、それはともかくとして、今はとにかく方法だけを言いたい、と。我慢してですね。それから一日ぐらいは確かに(700)、これ、計算間違いを直した値なんでちょっとね…私、(  )をつけちゃってるんですが、・・・数百なんて値があるんですが。こんなに長い間もう一週間ほどですね、50以上を越えるなんていう事は今までなかったんですよ。ですから、ちょっと原因が難しいんです。



たとえば東京電力が昨日言ってたみたいに、「何か風で飛んだんじゃないですか」って言ったらですね、このぐらいの風だったら、いくらでもありましたからね。雪なのか? 4号機の問題なのか? それとも…だけど測定してるってことは、測定値を疑っていたら、測定を考えることができないんですよ。



これ科学の王道なんですけど、まずは測定値を信じるんですよ、まずは。測定値おかしいことありますけど。最初から測定値がおかしいと言っちゃうとですね、何でも言えちゃうんですよね。ですから、とりあえずは測定値どおり考えて、行動をして、その後、測定値も含めて検討すると。ま、こういうやりかたですね。




えぇ…もう早速、私のところにいっぱいバッシングが来て…バッシングなんかどうでもいいんですけどね、何を言っておられるか、よく分かりませんね。あの「危険を煽る」って言ってるんですよ。いえ、危険を煽ってない!と。現実に、福島県とか文部科学省のデータが極めて高いんですからね。高いということをそのまま、やっぱり我々は認めるべきで。



「危険を煽る」っていっておられる方の気持ちは分かるんですけどね、あの、怯えておられるんですよ。怖くてしょうがないんですね。ですから、「怖くない、怖くない」と言っておられるんですけど、我々はそんなことでは子どもを守れません。大人がビクビクしてたらどうにもならないんで。しっかりした感じで、気持ちを持ってやるってことですよね。これは十分にそう言ってやれる問題で、もし逃げなきゃなんないときは、逃げるってのは仕方ないことですから。一応、これで終わります。