息子は統合失調症 -25ページ目

息子は統合失調症

1992年生まれ。18歳で発症した息子の記録。

幻聴とは周りの人間の理解で、
本人には、まぎれもない現実の声。
だから苦しい。

それは幻聴!
そう言っても納得など
できるわけがない。

だから、今日は幻聴ではなく、
確かな声として聞こえている彼に
私の想いを伝えた。

私のお腹の中から出てきた君。
誰がなんと言おうと、
誰よりも君のことを知っている。

本当の君は明るくて楽しい。
とても真面目で親孝行。

たかが1週間の付き合いの
病棟の人たちにわかるはずがない。

本当の君に戻れる日を
お母さんは信じてる。





午前中、病院から携帯に電話が‼︎
家に帰りたい、
そう言って泣き出したらしい。
薬を飲ませ、様子をみているから、
会いに来てほしいと、
看護師さんからの連絡だった。
昨日の面会で、
今度は1週間後ね、と伝えたことが
不安を増大させたよう。

それもこれも息子が決めたこと。
毎日だと周りの目が気になるからと、
日を置いた。
洗濯も自分でしなきゃいけないと
さらにハードルを上げた。

相変わらず聞こえる幻聴との戦い。

   死ね。
   一生退院できない。
   みんながそう言っている。

どんどんどんどん自分を追い詰める。

   自殺しちゃいけない?

絶対にいけない!

   どこへ行っても、見られている。
   自分の心の声が聞こえている。

いつもはオープンスペースでの面会。
今日は、ガラス張りだけど、
ドアが閉まる空間。
それでも、周りの声を気にする。

いったいこの症状は
いつまで続くのだろう?

2時間ゆっくり話をして、
少し安心したのか、帰る頃には
顔つきは穏やかになっていた。

また、明日ね。




3日ぶりの面会。
私の目を見て話さない。

   自分は甘い。
   自立していない。

蚊の鳴くような声で話すと
息子の頬には大きな涙が流れていた。

   集団生活では自分を制しなくて
   いけない。

何を制する?たとえば?

   わからない。

できないことは
無理にしなくてもいいんじゃない。
頑張り過ぎなくていいんじゃない。

   お母さんは甘すぎる。

えー、そう?
もっと厳しくしたほうがいいの?

入院して1週間。
ツライよね。
それなのに頑張ってるよ。

   お母さんの前では、
   強がってるだけ。
   もう何度も泣いてる。

   向かいの部屋のAさんが、
   「うざい」って言ってた。

そうか、そう聞こえてくるのか。

   お母さんを泣かせたり、
   悲しませたりしてはいけない。

真面目で優しい息子。
今その性格が彼を苦しめている。

なんて言葉をかけたらいいのか?
どうすればいいのか?

強い男になって帰ってくるのを
お母さん待ってるよ。

   それは約束できない。

ふー、そうか。
でも、お母さんは待ってるよ。
少し前に読んだ本。
息子に重なるところがたくさん。

お笑いコンビ「松本ハウス」の

ハウス加賀谷さんもまた中学時代

   自分は周りから臭いと思われている

そう思い込んだところから始まる。

自己臭恐怖症というらしい。


まさにこれか!

これもまた精神疾患。

そこから統合失調症の症状

幻聴や幻覚が現れ、彼も入院している。



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洗濯物を持って面会。
昨日、先生の診断あったようで、
厳しい顔で報告があった。
   
   まだ入院することになった。

そりゃそうだ。
今の状態で帰っても、
いいことなんかひとつもない。

そしてもう一つ。

   面会の頻度を少なくしてほしい。

え?いいの?なんで?

   病室の人が、「またか!」と言う。
   俺のこと、みんな悪く言ってる。

そっか。そう聞こえてしまうのか。
やはり、症状は相変わらず重い。

   洗濯も自分でしてみようかな。

おー、スゴイね。
できるんじゃない。
じゃ、ハンガーとか洗剤必要だね。

ちょっとした自立の練習かな。

ツライのは家にいても同じ。
閉鎖病棟から誰もが出たいと思う。

見守るしかできない。