ハロー大家さん!
「占有移転禁止の仮処分」の続きです。
明け渡しの裁判を起こす場合、原告は大家さんで、被告は部屋を使用している人です。
例えば、田中一郎さん(仮名)という人が部屋を使用しているなら、田中一郎さんを被告にします。
しかし、もし田中一郎さんが部屋から居なくなって、正体不明の人が部屋を使っていたらどうでしょう。
明け渡しの裁判の被告は、現実に部屋を使っている人でなければなりません。
正体不明の人が部屋を使っていたら、その人を被告にしなければなりません。
ところが、正体不明ですから、名前も素性も分かりません。
ですから、裁判を起こすことができません。
被告の名前は???では、裁判所は訴えを受け付けてくれないのです。
こういうときには、裁判所に、「占有移転禁止の仮処分」の申立てをします。
すると裁判所が、「占有移転禁止の仮処分命令」を出してくれます。
申立てから命令が出るまでの時間は、3日くらいです。
この命令が出ると、裁判所の執行官という人が部屋に行きます。
留守でドアに鍵がかかっていても、鍵をかけて居留守をつかっても駄目です。
執行官は、鍵屋さんを連れて行って、勝手に鍵を開けて、部屋に入ってしまうのです。
そして、もし部屋に誰か居たら、その人に、「あなたは誰?」と聞きます。
その人が契約上の入居者、つまり田中一郎さんなら問題ありません。
しかし、他の人なら、その人に「名前」や「なぜ部屋にいるか」を聞きます。
その人が「部屋を借りている」と答えたら、根拠になる資料を見せるように要求します。
執行官の質問に答えなければ、罰則の対象となります。
こうして、執行官は、部屋を使っているのは誰かなどを確認して、書類を作るのです。
これで、部屋を使っている人が誰か分かります。
今回依頼された事件は、正体不明の人が部屋を使っています。
ですから、占有移転禁止の仮処分の申立てをして、執行官に部屋に行って貰わなければなりません。
面倒な事件です
