私がテレビを観ていると、
夫はいつも音がうるさい、と言ってくる。
30くらいの音量は、普通の人にとっては大きすぎるようだ。
でも私にとってはちょうど良い。
なぜか。
そう、私は難聴なのだ。
ここにも書いたが、
私の母は商売を始めたことで、
母のイライラ度合いは前よりも増していた。
兄のことだけではなく、
店のことや疲労から、母は家では始終しかめ面で、
常に兄や私を叱りつけていた。
そんな環境のせいなのか、
積もり積もったものなのか、
高校生になったばかりの私の耳は、
ある日突然聞こえなくなった。
片方だけだったが、
ある日の朝、起きると突然全ての音が水の中のようにしか聞こえなくなったいた。
只事ではないと、近くの大学病院へ行くと、
私の耳は突発性難聴と診断された。
強いストレスや疲労からなることが多いそうで、
私のは明らかにストレスからだった。
軽いものなら投薬で治るらしいが、
私のは酷かったようで、
鼓膜を意図的に破り、再生する方法がとられた。
その時はしっかり治療してもらったが、
40年経ったいまでも、
私の片方の耳は普通の人よりも聞こえが悪く、
テレビの音はついつい大きくなってしまうのだ。
聞こえにくい私の大切な耳。
私の悪いところは耳だけではない。
大人になり数々の難病を患っていることから、
私はあまりにも多くを犠牲にしたと思う。
幼い頃の環境は、その子の未来の健康や性格に大きく影響してしまうのだ。
40代半ばになって、日々そう痛感している。
