望んだことが出来なかった人たち① | ひとやすみの日記

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自分のための整理ノートです。
   
読んでくれても ありがとう☆

この間伯父が亡くなったのだが
その伯父について私はよく知らなかった。


ちょっとスローな人だなあと思ってたくらい。
優しい印象なのだけど、抜けてる感じ。ふわっとしてていつも視点が浮いている。

つまり、スローな人なのだ。


実際彼はもともとそうだったのではない。
後から聞いた話では、
もともとはものすごく頭が良くて、シャキンとした人だったそうだ。
田舎に住んでいたのだが、頭が良いがために、中心部の大学から勧誘?もきたそうだ。

彼は農家の二男坊。
家は大きな家で、代々、その村の村長を務めるような立派な家だった。

長男がその役目を果たすところだが
長男はさっさと家出をしてしまった。

その為、二男である彼が、その家を継ぐことになってしまったそうだ。
つまり、農家、だ。
学校に行く必要はない。
本人は行きたかったそうだが、大学は断った。それは彼の祖父の強い力によってなされた。

そして彼は農家を継ぐことになった。
本家の長男である。
好きな女性がいたが、同様に祖父母や親に反対され、あきらめることになった。
そして見合いして今の奥さんと結婚した。

その奥さんがまた曲者。まあ後からわかることなのだがそれはいいや。

で、結婚後
彼は交通事故にあった。
そしてどうやら脳を損傷し、私が最初に述べたような
スローな人になったのだ。


彼はそれでも農業をし、子供を三人作った。
農業を続け、家を支えた。

しかし村長はもうなかったようだ。


私が祖父のお通夜の時に彼のそばにいたら
その時すでに酔っていた彼は涎を垂らしながら「俺のこと、ばかだと思ってるだろ、俺はな…」と過去の話を始めた。
私は馬鹿だと思っていなかった。そんなそぶりもなかったはずだ。
彼はきっとこうやって被害者意識で生きていたのだろうと
そう思った瞬間の一コマの思い出だ。

自分の人生を
望み通りにできなかった、
もしかしたらこんな風に思っているのかもしれない。

母はしきりと「兄はかわいそうな人なんだ」
そういった。


しかしそうなのだろうか。

かわいそうなのだろうか。


確かに、彼のその人生は、梶が取れてない感じがするが
果たしてかわいそうなのか。


しかし望んだことが出来なかった人の人生は他にも身近にあった。

つづく