保育園こそ一緒に行かなかったけど
朝も夜も、ずっとずっとうさぎと私は一緒だった。
そんなある日
以前からウサギのぬいぐるみを離さないことを
よく思っていなかった父が
そのウサギを捨ててしまったのだ。
「ぬいぐるみの国へ帰った」
号泣する私に
彼はそういった。
私は幼かったけど
それは嘘で、捨てたんだとわかっていた。
父は憎かったが
それより喪失感による悲しみの方が強くてそれどころじゃなかった。
死にそうなほど泣いたと思う。
母は「代わりにまたぬいぐるみ買ってあげるよ」と言って
他のぬいぐるみを買ってくれたけど
それはウサギの代わりにはならなかった。
あれは
私の大事なものだった。
うさぎは
私の分身だったのだ。