私は中学一年生の時、
万引きをして警察に捕まった。
そのとき
彼は、泣いた。
何度も泣いた。
たぶん、自分を責めて泣いていたんだ。
万引き事件から、少し時間がたった後
父は、普段来ない、私の部屋に突然入ってきた。
そのとき、私は絵を描いていた。
でも父に見られたくなくて
ぱっと隠した。
すると父はドアの近くに立ったまま
「何を描いていたんだ」と
冷静に聞いてきた。
私は無言で下を見ていた。
「見せてみろ」
静かに父が言った。
私は「やだ」と下を見たまま反発した。
「どうしてだ、みせろ」
少し強めだった。
また私は拒否した。
すると
父はそこに立ったまま
震えて泣いた。
「どうしても、見せられないのか」と。
私は胸が痛かったけど。
彼はそのまま、部屋を出た。
父は私の絵が見たかったわけじゃない。
それは分かっていた。
今思い返してもわかるけど
子供が苦しい思いや
問題を抱えたとき
親は
自分を責めることしかできなかったんだ。
力になれもしない。
ただ、
自分を責めることしかできなかった。
父には申し訳ない。
あのときは、本当に。
傷つけてしまった。
つづく