NPOから株式会社ラッシュジャパンへ転身し、チャリティ・キャンペーンの担当として奮闘されている秋山さん。エシカルプロジェクトで是非お会いしたかった方のひとりです。以前CSR専門誌「オルタナ」主催のセミナーでご登壇されているのを見て、その歯切れ良い話し方と、ユニークな経歴に魅かれ、ぜひインタビューをしたいと今回お話を伺いました。
秋山映美(あきやま・えみ) 【株式会社ラッシュジャパン チャリティ・キャンペーン担当】
2002年8月からNPO法人監獄人権センターで事務局スタッフとして勤務(現在は理事として活動に関わる)。
2009年7月にラッシュジャパンに入社し、「化粧品のための動物実験反対キャンペーン」「パームオイルキャンペーン」などの社会活動キャンペーンの企画・運営と、人権・環境・動物福祉の分野で活動する草の根団体を助成する「LUSHチャリティバンク」の事務局を担当。
-ラッシュジャパンに入社される前は、NPOで働いていたとお聞きしました。
秋山 2002年から7年間、NPO法人「監獄人権センター」という受刑者の人権擁護活動を行う団体で、たった一人の正式な事務局スタッフとして働いていました。センターの主な仕事は、受刑者からの「適切な医療が受けられない」などの相談について、アドバイスをしたり、弁護士に調査依頼する等の対応です。相談の多い問題に関しては、ロビー活動や政治家へ政策提言を行ったり、啓発のためのパンフレットを作ったりしていました。そのような仕事の中、私は活動資金確保のため、助成金獲得に力を入れていました。受刑者個人の支援を行っている団体は結構あるのですが、受刑者全体や刑務所をテーマにしているのは当センターくらいしかなく、その独自性のおかげで様々な助成金に助けていただきました。助成金をいただいている1つにラッシュがあり、監獄人権センターの活動に共感して、評価していただいていました。それがキッカケとなり、「チャリティーを担当するNGO出身者の方を探しています。良かったら働きませんか。」と声を掛けていただきました。
-ラッシュに入社後は、どのような仕事をしていますか?
秋山 入社当時はエシカルキャンペーンを担当していました。いわゆる販促キャンペーンとは異なり、最初に手掛けたのは核兵器廃絶キャンペーンです。ちょうど NPT再検討会議(核不拡散条約の運用状況検討会)があり、ラッシュジャパンから核兵器廃絶を世界に発信しようと、国内でキャンペーンを展開しました。そうしたところ、イギリス本社からニューヨークのラッシュ店頭で実施しようという提案があり、単身ニューヨークにわたり、現地のスタッフたちと一緒に店頭イベントや国連にデモ行進をしました。
現在は、化粧品の動物実験反対やパームオイルの抱える問題について紹介する活動に取り組んでいます。以前はラッシュのソープにもパームオイル由来の石ケン素地を使用していましたが、より環境負荷の少ないココナッツオイルと菜種オイルに変更し、パームフリーの石ケン素地を使用したソープをつくりました。それをきっかけに、「なぜパームフリーなのか」を訴求するキャンペーンを行いました。マレーシア、インドネシアでは、熱帯林が伐採された後にアブラヤシのプランテーション*農場がつくられたため、そこに住むオランウータンは絶滅が危惧されていて、先住民族の人たちも住むところを失い彼らの生活様式がかわりひどい貧困状態になったり、ときには政府軍との争いになって命を落とすような状況になっているという問題をみんなに知ってもらおうとしたのです。
*プランテーション:熱帯、亜熱帯地域の植民地で、原住民や移民の安い労働力を使って商品作物(綿花・タバコ・ゴム・コーヒー・紅茶など)を栽培する大規模農園。
※プランテーションの様子
キャンペーンを行う前に、まず社内で問題を共有しようと、原材料調達担当スタッフとショップ店長の2人と一緒に、この問題に取り組んでいる国際環境NGOの「FoE Japan」の案内で現地に行ってきました。実際にプランテーションを見て、さらに開発をするために切り開かれた山にも行きました。山頂は全部伐採され丸裸で、伐採後にアブラヤシの苗が植えられていました。森は国有林ですが、先住民族の人たちが先祖代々使ってきました。その彼らの畑を取り上げたり、わずかな金額の利用料で借り上げているのですが、一度プランテーションになると、殺虫剤等で川の水や畑、山は使うこともできなくなるのです。
(中編に続く)





