バランについてのメモ | hellocqcqのメモ帳

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バランとコモンモードチョークについてのメモです。

バランを使用する目的は、「平衡型のダイポールアンテナを不平衡型である同軸ケーブルで給電すると同軸ケーブルの外部導体に電流分布の波形が乗るという問題」への対策です。
マッチングを改善する手段、インターフェア対策、ノイズ対策の意味もあります。

バランの種類は主に強制バランとソータ-バランの二つです。

ソーターバランは、フロートバランとも言います。コモンモードチョークの機能を持っています。

強制バランは、不平衡である同軸ケーブルを平衡型のアンテナに接続するときに、不平衡と平衡の変換を行うために使います。
強制バランはその構造の種類によって(1:4)のようにインピーダンス変換の機能を持たせることもできます。

ダイポールアンテナなどの平衡アンテナであっても、低い周波数用の規模の大きなアンテナでは、アンテナを完全には平衡に設置できない場合が多いのですが、その場合には不平衡・平衡の変換だけでは問題を充分に解決できないこともありそうです。

一方のソーターバランはコモンモード電流に対して大きなインピーダンスを持ちコモンモードチョークとして働きます。この機能によって、「同軸ケーブルの外部導体に電流分布の波形が乗る」という問題を解決しています。
しかし平衡-不平衡の変換という点からすると弱いです。
というわけで、強制バランとソータバランは、目的は共通していますがその機能は違うようです。

実際の現場では、強制バランとソーターバランを併用するという方法も行われているようです。併用しても機能がダブるわけではなさそうで、お互いの弱点を補うことになるのだと思います。

ダイポールアンテナのような平衡負荷のアンテナを同軸ケーブルで給電する場合、ソーターバランだけだと、通常のコモンモードチョークと違って大きな発熱があるので、フェライトコアの大きさと線の太さに注意する必要があります。
ネットを調べても、ソーターバランだけを使った実際の製作例は少ないようです。
古い製作記事の中には、バランを入れずに直接同軸ケーブルで給電している記事もありますが、それでインターフェアが発生しないのか疑問です。

さて、今回私が使うW735には付属品として強制バランが付いています。

また今回の実際の設置については、給電線の同軸ケーブルがアンテナの片側だけ、下方5mくらいに並行して通っています。したがって平衡状態が充分とは言えません。この給電線の影響がどう出るのか、よくわかりません。

それで、念のためコモンモードチョークとしてフェライトコアを使ってみることにしました。使ったのは部品屋さんにあった1個300円のTDKのZCATシリーズのパッチンコアです。かなりお手軽ですが、これを5個おまじないとして付けておきます。

この5個をどう使うかがまた問題です。今のところは、バラン側に5個全部つけておいて、もしリグ側にも必要を感じたらトロイダルコアに数回巻きつける方法を試してみようかと思っています。
なおTDKのデータを見ると10MHzでもパッチンコアひとつ50Ωくらいしかないので、効果はそれなりだと思います。
 

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