実家の母と兄の会話より。


兄「水飲むか?」

母「え? 何?」

兄「水や水! ウォーター!」

母「何て? ワーラー?」

兄「違う違う! H2O(エイチ・ツー・オー)!!」

母「何や、水かいな!」

兄「……」



 昔の人は、元素記号をよく勉強していたのですね
 JR山陽本(JR神戸)線「舞子(まいこ)」駅。


$西向きのバルコニーから アメブロ分室-JR舞子駅



 初めてこの駅で降りたのは、確か2005(平成17)年の春頃だったと記憶している。

 前日に「明日のCM撮影用に毛筆の練習を」と電話で呼び出され、当時所属していた事務所へ急遽出向いて稽古したものの、あまりにも付け焼刃で、ほとんど意味のない練習となった。

 撮影当日は早朝から家を出て、この駅に到着したのは、午前8時半頃であった。
 事務所からの話では、9時に駅の改札に集合と聞いていたので、先にトイレを済ませ、世界最長とされる明石海峡大橋を眺めながら、のんびりと時間待ちをしていた。しかし9時近くになっても誰も改札口には現れず、慌ててマネージャー氏と連絡をとってみたところ、結局事務所側で連絡の行き違いがあったらしく「撮影は駅周辺だそうだから、探してみてくれ」と言われ、駅南西側の2階部分にある通路から目を凝らして辺りを見回してみた。すると駅から100メートルほど離れた所にある、マンションとマンションに挟まれた古民家の前で、何やら機材らしきものを運び込んでいる数人の撮影クルーと思しき姿が見えたので、あれだと思いそこまで走っていった。
 やはりそこが、その日最初の撮影現場であった。約束の時間を10分ほど過ぎていたが、遅刻のお詫びをする暇もなく、「おはようございます」の挨拶ひと言だけで、私もようやく現場に滑り込んだ。

 撮影場所となったのは、かつて伊藤博文や勝海舟、坂本龍馬も利用したとされる旅館、萬亀楼の、残された建物の一部とか。私も和服の衣装に着替えて、古き良き時代の風情漂う絵面での撮影となった。
 そして午後には車で、同じ神戸の東灘区へと移動。旧財閥の邸宅でCM後半部分の撮影をして、その日1日の仕事を終えた。

 CM全体としては、丁度谷崎潤一郎の「細雪」の世界をイメージして制作されているようで、他の出演者は皆女性。私も出演者と言えども、写っているのは筆を持つ手元と、右肩から右袖の辺りのみである。


 最近、このCMを見なくなった。以前は時々テレビで流れていたし、テレビモニターが設置された店頭でも見ることが出来たのであるが……。



 アベラヒデノブ(阿部羅秀伸)。
 1989(平成元)年3月1日、アメリカ・ニューヨーク生まれ。
 大阪芸術大学映像学科5回生。



$西向きのバルコニーから アメブロ分室-アベラ


 彼と出会ったのは、去年の夏。ネット上で、卒業制作作品となる映画の出演者を募集していた。
 その『死にたすぎるハダカ』という奇妙なタイトルと、気持ち悪いプロフィール写真に、思わず度肝を抜かれた。



$西向きのバルコニーから アメブロ分室-アベラ監督


 早速、妻に相談してみたところ……。

「名前は? アベラ? アベラ君なら、いっといて下さい! 私はアベラ君のファンです!」

 妻の話を聞いて、私も思い出した。
 その数ヶ月前に開催された卒業制作展で、彼は実行委員長を務めていた。
 千手観音のような出で立ちでパンフの表紙に載り、また星の被り物を着てステージ上で挨拶をするその男こそ、アベラヒデノブであった。その時の彼を見ながら、私はこう思った。



$西向きのバルコニーから アメブロ分室-アベラ観音


「こんな面白そうな奴がいたのに、出会えなくて残念やったな。いっそのこと留年しよらんかな?」

 そしてそんな冗談みたいな願いが、いとも簡単に叶ってしまうとは……。
 昨年度の卒業制作として提出した作品に納得がいかなかったと言う彼は、周囲の反対を押し切り自ら留年を希望し、改めて作品制作に挑もうとしていた。その作品こそが『死にたすぎるハダカ』であったのだ。



$西向きのバルコニーから アメブロ分室-死にたすぎるハダカ2


 だが私の期待とは裏腹に、撮影中は最低最悪だった。
 強面のお兄さんに怒鳴りこまれたり、警察に通報されたり……、ミス、トラブル、アクシデントの連続……。私自身も何度か危険を感じた場面すらあったので、途中降板を真剣に要請もしたが、その度に頭を下げられ、結局最後まで辛うじて撮影に付き合うことになった。






 完成した作品には、普段は辛口の教授陣からも「傑作」の声が上がっている。
 出演者には、関西の自主映画界ではお馴染の鈴木ただしさん(『テンロクの恋人』『夕凪にこだまする』等)らも花を添える。


 こうして様々な人々を巻き込みながら、いよいよ明日3日、アベラは学外デビューする!


◆DAIGEI FILM AWARD 2012、アベラヒデノブ監督・主演、映画『死にたすぎるハダカ』は、
3月3日(土)14:35~、大阪梅田HEPホールにて上映。※PG15

http://www.hephall.com/16888/
今年度、私が参加した学生映画は3本!
行くところまで行く可能性大の、厳選された3本!

果たしてどの作品が、どう大化けするのか?
歴史の1ページが開かれるその瞬間を、是非、貴方自身の目で!




$西向きのバルコニーから アメブロ分室-学生2012改
 京阪本線「天満橋(てんまばし)」駅


$西向きのバルコニーから アメブロ分室-京阪天満橋駅



 子供の頃、大東市に墓参りに行く際、この駅でバスに乗り換えて行くというパターンが、何度があったと記憶している。
 また大学入学当初、この駅から地下鉄に乗り換えるというパターンも試してみたが、この天満橋や天王寺での乗り換えに結構時間を要したこともあり、その他の所用では利用の機会が少ない。


 先日、義母が西天満で用事があると言う。聞けば数ヶ月前に行った時は、この京阪の天満橋駅からタクシーを利用したようなのだが、乗ったタクシーの運転手も場所がよく分からず、結局その辺りをグルグル回って探しながら行ったらしい。
 そこで私に、もう少し簡単に行ける方法はないものかと尋ねてきた。
 確かに京阪の天満橋駅から西天満までとなると、義母の足なら1時間近く歩くことになるだろう。しかも義母は、妻に輪をかけたほどの方向音痴ときたから、ちょっと厄介である。

 結局私が道案内を買って出ることとなり、待ち合わせ場所に地下鉄南森町駅を指定。ものの5分とかからずに、無事目的地に送り届けた。


 地図やカーナビ等があっても、やはり場所がよく分からないと仰るお方は、一度私にご連絡下さい。きっとお役に立てることと思いますよ。




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 妻が読んでいます その56。

 『ノッテ オリテ』 2012 Vol.17

 大阪市交通局 発行

 アド近鉄 企画制作



$西向きのバルコニーから アメブロ分室-ノッテオリテ



 大阪市の市営交通情報誌。地下鉄の各駅やバスターミナル等で配布されている、フリーペーパー。
 乗って降りて、好いネーミングだと思う。
 けど、先日この誌名を失念してしまって……。

「ええっと……、あの、ほれ、あれ……、そうや『寝たり起きたり』!」

 入院歴7回を誇る(?)、私らしい間違いだと思った。


 でも……、入院患者向けのフリーペーパー「ネタリオキタリ」とか、グルメ向けの「ノンデタベテ」なんか、あってもおかしくないような気もする。
 まさかね……、失礼!

 妻が読んでいます その55。

 『河童が覗いたニッポン』

 妹尾河童 著

 新潮社



$西向きのバルコニーから アメブロ分室-「河童が覗いたニッポン」



 表紙は、網走刑務所独房内部の図。

 広島の刑務所からは受刑者が脱走。また鹿児島の刑務所では、出入り業者が無断で内部の映像を撮影し公開されるという、今年に入って刑務所に関連するニュースが相次いだ。


 私が生まれ育った京都山科にも、刑務所がある。
 
 刑務所というと、周りが頑丈な高いコンクリート塀で囲まれていて、外部からは中の様子を窺い知ることが出来ないというのが、現在では常識となっている。
 しかし私が子供の頃には、塀の一部は内部が丸見えの金網製で、中のグラウンドでは受刑者たちによる運動会や野球の試合が行われていたりして、その様子が刑務所のすぐ脇の道路からも、手に取るように見ることが出来た。

 また刑務所から400メートルほど離れた場所に、刑務所所有の農地があって、そこで農作業をするべく、手に手に鍬やシャベル等の農機具を持った20人ほどの受刑者たちが、数人の刑務官とともに、我々一般人が普段利用している田舎道を、ゾロゾロと列を成して歩いていく光景も、日常よく見かけられた。
 そしてその農地というのが、私が通っていた中学校のすぐ隣にあって、校庭から野球やサッカーのボール等が、ブロック塀を越えて刑務所の農地へ飛んで入ってしまった際などは……。

中学生「すいませ~ん、ボール取ってくださ~い!」

刑務官「おい、取ってやれ!」

 そんなやり取りの後、受刑者にボールを投げ返してもらったりといったことが、しばしば、いや毎日のようにあった。

 そうして日々道で擦れ違う受刑者たちにはギロリと睨まれドキドキし、中学では受刑者に恐る恐るボールを取ってもらってまたギロリと睨まれドキドキしていた私だったが、その度その度、子供心に相当な恐怖心と戦っていたことを、あれから40年前後過ぎた今日でも、忘れることが出来ない。


 あの農地は、今現在、野球場もある大きな公園になっているらしい。



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 28.元日の奈良橿原神宮参道にて。参拝帰りと思しきヤンキー風の若い男性4~5人の会話。


「俺、今年はやめよう思うてんねん、どこでもツバ吐くのん……」

「無理、絶対無理!」

「無理、無理、無理無理……」(皆口々に……。)


 私も絶対無理だと思った。
 59.安部文殊院西古墳石室内から。


$西向きのバルコニーから アメブロ分室-安部文殊院西古墳



 兄に代参を頼まれ、妻と二人で恒例の橿原神宮への初詣を済ました後、奈良県桜井市にある「安部文殊院(あべもんじゅいん)」へ。

 写真は境内にある特別史跡「西古墳」で、安部氏一族の墓とされており、また石室内には弘法大師が彫られたという石仏「願掛け不動」が祭られているというので、お参りしてきた。

 お参りをして振り返ると、暗闇の先の光が眩しかった。 
 私も先の光に希望を抱いて、今年1年を過ごしたいと思う。


 皆様、本年も宜しくお願い申し上げます。



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 今年も当ブログ「西向きのバルコニーから」をご愛読いただき、誠に有り難うございました!

 来年も変わらぬご愛顧を宜しくお願い申し上げます。


 皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。






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