これは白服さんへのラブレターと称した自分語り。
読んでもらうほどのものでもないけど、文字に残しておきたかった。
私が「推しメン」と呼ぶのは白服さんではなかった。
でもそれ以上と言っても過言ではないくらい、特別な想いがある。
名称を考えた時に1番しっくり来るのは、恩人あたりかな。もしくは、ヒーロー、とか。
私が白服さんを見つけたのは学校に行かなくなって2ヶ月ほど経とうかという時だった。
「朝練めんどくさいなぁ」なんて思いながら制服に着替える、いつも通りの朝のはずだった。着替えていたら、突然涙が出てきて止まらなくなって、それ以上動けなくなった。その日は休んで、また明日になったらいつも通りだろうと思っていた。
次の日から、どんどん起きられなくなった。目は覚めるのに、力を入れれば身体が起こせる事はわかっているのに、どうしても起き上がれなかった。
水でも飲んでみたら目が覚めるんじゃないかと思って、枕元に用意して寝てみたりもしたけど、朝その水を取るために指先を動かすことすら出来なかった。
制服に着替えるまでできた日もあった。でも足が学校に向かうことはなかった。しばらく食卓に力無く座って、ダメだなって諦めて泣きながら部屋着に着替え直していた。
当時の私には意味がわからなかった。何が嫌で何で行きたくないのかわからなかった。だって
朝家に寄って声をかけてから登校してくれる友達
ろくに話さない私をただ抱きしめてくれる母親
楽しい所へ連れ出そうと色んな事に誘ってくれる父親
何も言わず見守ってくれる祖母
様子を見に来たり単位や勉強、進路のことを考えてくれる先生
クラスメイトもみんな心配してくれていた
両親は夜遅くまで私のことをたくさんたくさん話し合ってくれていた
こんな恵まれた環境で幸せな身分で、何が不満なのか、なんで頑張れないのか、自分自身が信じられなかった。消えてしまいたかった。自分が存在することに1ミリも価値なんて感じなかった。
ちょっとしたことで誰かに怒鳴られ罵倒され、「しね」と言われる夢を見て、泣きながら飛び起きた夜が何度かあったのをよく覚えている。
もともと歌ってみたが好きでニコニコ動画をよく見ていた。
現実逃避をするように、毎日朝から晩までひたすらニコニコ動画を見ていた。
好きだった歌い手さんのマイリストもほぼ見尽くして、さぁどうしようかとマウスを動かして、Smilingを聞いた。何度も聞いていた曲だったけど、その時初めてperfumenという文字が目に止まった。
てっきり歌い手さんだと思ってマイリストを見たら、踊ってる人達だった。
ワンルーム・ディスコは知っていたので、再生してみた。
白服さんが踊りながらはにかんだ瞬間、落ちた。
光が射し込んだようだった。
春風が吹いたかと思った。
2月だったというのに。
ときめいた。ワクワクした。
この人をもっと見たいと思った。
マイリストを全部見て、映ってる動画を探して、毎日が楽しくなった。
少しづつ暖かくなり、いつしか学校にも行くようになっていた。
好きな踊り手さんをたくさん見つけた。
声を上げて笑う事ができるようになった。
戦国鍋も好きになって舞台俳優さんも好きになった。そのおかげで大学で俳優さん好きの友達ができた。
ハロプロも好きになった。アイドルへの偏見がなくなってかわいくてかっこいい彼女達の素晴らしさを知れた。そのおかげであまり話さなくなっていた小学校からの友達と盛り上がる話題ができた。
生まれて初めてライブへ行った。画面で見ていた大好きな人達が目の前で生きていた。
初めてライブを見る為だけに県外へ1人で行った。思ったより簡単だった。困っていても誰かが助けてくれた。世界は優しさで出来ていると知った。
どんどん遠くへ行くようになった。電車から見る朝日や雲の上の非日常な景色、偶然上がっていた花火も大都会の夜景も本当に綺麗だった。見た事のないものや見るはずのなかった美しさが世の中に溢れていた。
苦手だと思っていた豚骨ラーメンは福岡で食べたらめちゃくちゃ美味しかったし、あまり好きじゃなかった貝類も北海道で食べたらめちゃくちゃ美味しかった。こんなにも食べる事が楽しくなるとは思わなかった。
世界一綺麗なスタバ、有名な神社、動画が撮影された場所、珍しい動物。踏みしめる事のなかっただろう土地を踏みしめ、触ったことのなかったものに触れた。
出会うはずのなかったたくさんの素敵な人に出逢った。大切な友達ができた。心を交わせる喜びを知った。
本気は伝わると知った。
想いは届くと知った。
自分が発した何かが誰かに届くことがこんなにも満たされるのだと知った。
世界は愛で出来ていると知った。
ねぇ白服さん、わかる?
私が今どれだけこの人生を愛しく思えているか。
わかる?
あなたにどれだけ感謝しているか。
わかる?
自分に価値なんてないと思っていたあの頃の事でさえ、今ではあって良かったと心から思えているの。
それがどんなに幸せか、わかる?
全部あなたがくれたんだよ。
あなたが始めたことが今のこの私の価値に繋がっているの。
あなたが救ってくれたの。
あの頃の私を。それからの私を。生まれてから今日までの私を。
あなたに出逢ってからすべてが一変した。
私が死ぬ時に1番に思い出すのは、きっと画面であなたがはにかんだあの瞬間だよ。だって10年経ってもこんなに鮮明なんだよ。絶対に忘れない。
絶対に忘れないよ。
白服さんがくれたものも、白服さんが受け取ってくれたものも、全部きっとお守りになる。
あなたは、私達がこの先あなたを思い出す事を「申し訳ない」と言って、「誕生日くらいは思い出してほしい」なんて言ったけど、私はたくさん思い出すと思うよ。
これからの私をまたたくさん救ってくれると思う。支えてくれると思う。いつどんな事があったって、幸せを思い出させてくれると思う。そんなお守りになる。
私にとって白服さんは、きっといつまでも恩人でヒーロー。
願わくば、あなたにとってもこの日々がお守りのようになって欲しい。
そして、これからの私が、あなたのお守りのようになれるよう在りたい。あなたがくれた、私の素晴らしい人生をもってして、あなたが逞しく美しく誇らしく在れるように、しっかりと生きていきたい。
あぁ、生きていきたい。
この言葉、あの頃の私に聞かせてあげたいね。
何か変わるだろうかと腕を切りつけてみたこともあったね。お風呂で色んなことを考えていたらのぼせて気を失ったこともあったね。劣等感と自己嫌悪しかなかったね。
こんなにも生きることを尊いと思えるなんて、信じられないね。夢みたいだね。奇跡みたいだね。生きてきて良かったね。
良かった。良かったよ、白服さん。
あなたと同じ時代を生きられて本当に良かった。
ありがとう。心からありがとう。
何度言っても足りないよ。
何度も何度も「大好き」と「ありがとう」を伝えているけど、ちっとも足りない。
いつもいつも、こんな言葉なんかにおさまりきらなくて、涙になって溢れてくるの。
最近会いに行くと、いつも目を潤ませてしまうけど、悲しくて寂しくて泣いているんじゃないんだよ。
気持ちが溢れて止まらなくなるの。
ありがとう白服さん。あなたと出逢えたこの人生が本当に本当に愛しくてしょうがない。
今日も白服さんが大好きでとっても幸せでした。
ありがとう。
白服さん大好きです。