ここ数年で、最も魅せられ寝る間も惜しみ一気に読み終えた作品
映画化されていたことも知らず、
書店でおススメコーナーに2種類の本が重ね置きされていて、なんとなく手にした本が「孤狼の血」。3部作の第1弾だ。
たまたま手にしたのが「孤狼」だったけれど、うっかり「凶犬」の方を手にしていたら、シリーズ2段を先に購入し、さっぱり理解できないところだった。あぶない、あぶない・・・。
読み始めると、登場人物が多く、なんだかよくわからない。ところが30ページも半ばに差し掛かると、中毒になったかのように読み進める手が止まらない。迫力、テンポのよいストーリー展開、そしてなによりも魅力的な登場人物たち。女流作家とは思えない重厚感だ。
物語は、マル暴、そしてヤクザのストーリーである。
作者は東北出身、しかも女性だ。
作品の舞台は広島。流暢に繰り広げられる広島弁。リアルなヤクザ語が緻密なストーリー展開で、読者を惹きつけてやまない。
ネタバレしたくないほど、おススメ書物なので、詳細は書かないでおくが、三部作の三部目が出版されたのが2020年。
三部目を読んだらシリーズが・・・ストーリーが・・・完了してしまう。
楽しみをまだ取っておきたい私は、2部まで読了して、いちど休憩を挟みたい。そしてできれば三部作と言わずに四部、五部まで出てくることを密かに期待したい。きっと多くの読者は三部での終わりを「よし」と思っていないことだろうから。
おススメ度:★★★★★