第3回小江戸大江戸203kmフットレース ③ | Born to Run

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人類は走るために進化してきたらしい。

◆大江戸コース(都内)

成願寺エイドを出てすぐ清水橋交差点を新宿方面に渡る。この道は私が家から皇居ランをする時に走る道で、ここから先の御徒町まではマップを見なくてもコースがはっきりとわかるので安心して走れる。通過したことの証明として写真を撮らなければいけないCheck Pointが4つあるので忘れないように写真を撮らなければならない、次の「こあしすエイド」に着くまでには「都庁の看板」「六本木ハイアットホテルの前のオブジェ」「東京タワーの前の南極探査犬」の写真を撮る。

Sさんはいつの間にか先に行ってしまっているようで川崎から来られたランナーの方と一緒に六本木を目指した。はっきりコースを把握していないようで私がコースを教えつつ走ることになった。
話すことはやっぱり走ること、サブ3、ハセツネ9時間台、雁坂17時間台・・・私よりはるかにハイレベルなランナーなので同じペースで付いていくのが少々大変。東京タワー付近まで案内したところでここから先のエイドまでは解るとのことだったので私がコンビニのトイレによるタイミングで分かれた。

コンビニを出ると再び一人になって東京タワーを目指す。試走したときに「南極探査犬のオブジェ」の位置は確認していなかったので東京タワー前に来てみてもどこにあるのか分からない。
遠くにいた警備員さんに声をかけて、「南極探査犬のオブジェってどこですかー??」と聞いてみる、深夜に東京タワーを訪れてオブジェの位置を知りたがるのは少々怪しいと思うのだが快く場所を教えてくれて無事に撮影できた。

東京タワーを出ると皇居を目指して真っすぐ走る、皇居ランナーの一人くらい居るかと思ったが流石に寒空の深夜に走るランナーは居なかった。気象庁前にでてエイドのスタッフさんが迎えてくれていた。寒いのにこんな暗いところで本当にありがたい。
「こあしすエイド」は、こあしす接骨院を開放してエイドとして活用させてくれているようで、店内は暖かく中にいる人たちも温かく向かい入れてくれた。気づかないうちに抜かれていたSさんはこあしす接骨院の先生からアイシングを受けていた。
エイドにたどり着くまでにガスター10が効いたようでお腹はすっかり回復、先ほどのエイドで食べられなかった分小さい一口お握りを15個ほど食べ、おしるこを2杯、ポテトチップスをたくさん、オレンジジュース2杯。たっぷり補給をしてエイドの皆様にお礼を言い、先に行ったSさんたちの後に続く。
誰もいない皇居ラン1周したあとは東京駅前を通り両国を過ぎて次の本所エイドを目指す。前にロキソニンを飲んでから4時間以上経っているのでそろそろ痛みが顔を出してくる、歩き出すとすぐに身体が冷えてしまうので痛みをなるべく抑えて走り続けなければならない、皇居1周を終えて東京駅の近くに来たところで2錠目のロキソニンSを服用。最初の一回以降は効き目が少なくなっていくが「これで大丈夫だ」と思うようにする。

永代通り~中央通り~江戸通り~浅草橋交差点を右折~両国橋を渡り両国国技館を過ぎる。
皇居ランがてら何度も走ってお気に入りになったコースで国技館で相撲が開催されている時期は大きな体のお相撲さんとそれを見に来ている観光客で溢れている辺り。深夜なのでもちろん誰もいないが少々複雑な道なので原宿~六本木辺りでご一緒した川崎から来た方が迷っていてすぐそこにある本所エイドまでご一緒した。

エイドに近づくと信じられないことに前回優勝者のYさんの後ろ姿が見える、どうしたのか聞いてみると前半の風で足のダメージが大きく、古傷が痛み出したようだった。
勿論完走はできるだろうが古傷の痛みは酷いもののようでロキソニンなどの鎮痛剤も効かないと言う、ベテランの経験からDNFを決めた、でも体力は有り余っている様子、本所エイドで世間話をしながらビールを美味そうに飲み始めた。
私だったら歩いて完走を目指そうとしてしまう所だが、自分の限界と引き際を熟知されているトップランナーの決断力とDNFを決めても明るい様子で周りと話しているYさんを改めて尊敬しつつ本所エイドを後にした。

◆大江戸後半~

この後は最後のエイドとなる荒川沿いの羽倉橋エイドまでエイドは無い。でも途中でコンビニがたくさんあるので補給の心配は無い。真夜中であまり光っていないスカイツリーの前を通り抜け浅草寺を目指す。浅草寺の手前で皇居辺りから先行していったSさんに追いつき一緒に浅草寺本殿の写真を撮るCheckを終えて御徒町方面を目指す。私が試走を重ねてきた区間は御徒町駅までだけだったので、ここから先はまた地図を見ながら走ることになるが残りの距離と時間を考えるとそろそろスマートフォンの電源を入れてGPS機能を利用しながら作成しておいたGoogle mapに沿って進んだら良いなと思いすこし安心する。

Sさんと春日通りを走っていると軽い腹痛を覚えたのでコンビニに寄ってトイレを借りることにしてSさんとはお別れ、ゼッケンを付けて背中のザックに視認性高く光る点滅灯を付けている私を見て店員さんが不思議そうな顔をする。昨日からあわせて4本目のRedBullを買い気合を入れて試走をしていない赤羽方面へ続く道へと足を進めた。

本郷三丁目の角を曲がり東大赤門前に差し掛かる、自転車を止めて立って応援してくれている女性が声をかけてくれて暖かいコーヒーをいただき少し話す、この女性も来週のウィメンズマラソンに出るそうで萩往還フルの完走者でもあるウルトラランナーだった。3時からここで走っていくランナーを待っているということで、たくさん元気をもらい感謝を言って走り出す。

赤羽付近は前回、眠気で地図があまり理解できなくなってしまって迷った辺りだった。今回は相変わらずのスローペースだがきちんと走り続けられていることと一週間のカフェイン抜きが効いているのか頭はすっきりしていて眠気は全くない。赤羽を過ぎる辺りで地図を見ながら歩いているランナーに追いつく、話しかけると眠気がきついようでかなり衰弱している様子。
今回初参加であまりここから先のルートを把握していないらしく眠さも手伝って地図の理解も苦しいという、昨年の私と似た感じになっているようだった。
フルのタイムは2時間30分台、富士五湖112㎞は入賞されているそうで、またしても私より遥かに走れるエリートランナー。結局レース中に話したランナーの中でフルのタイムが私より遅い人は誰もおらず、8人中7人がサブ3ランナーだった。

高島平でコンビニに寄り、丸ごとバナナ、おにぎり×2、コーラを買う。ここからは再び風が強いであろう川沿いに出て朝の荒川を見ながら羽倉橋を目指す。黙々と二人で走っていると、単調な道が眠気をさらに誘ったのか、「土手で寝ていくから先に行ってください~」と言われ一人の行程がまた始まる。
私はきつくなればなるほど、一人でそれに向き合うのが楽しくて最後の荒川沿いと羽倉橋エイドを出てから真っすぐ続くR254は一人で走りたいなと思っていた。昨日の朝よりも弱いが向かい風が止まない荒川沿いを武蔵野線の高架と秋ヶ瀬橋を潜ったらその次だな~と考えながら遠くに見えるがなかなか近づかない橋を目指す。昨年は音楽を聴きながら走った区間だが今年は何も聞く気になれなず、これから朝練の準備をしている河川敷の野球少年たちを見てキロ7~8分ペースで進む。

武蔵野線の高架の真下に来たところで丁度スタートしてから24時間経過した、ここは185㎞地点。時間走になれば道に迷うこともなく、荷物を背負うことも向かい風に悩まされることもそうないのでもう少し距離は伸びるだろうが24時間で200㎞というのはかなり難しい事なんだなと再確認させられた。
なかなか近づかない羽倉橋にやっとたどり着くと、年配の男性スタッフ3人が親切に対応してくれた、他のエイドとは違い長い間外で風の強い中なのに選手のために一生懸命してくれることに感動を覚える。
オレンジジュースを2杯頂いて、「足が動くうちに行きます!」と言ってエイドを後にする、エイドを出るときに「がんばれよ~」と言いながら背中を叩いてくれたのが嬉しかった。

下畑南の交差点を右折後R254をひたすら走る。その後少々のルート変更点があってそこにいったら地図を取り出す予定だったがまだまだ先なのでじっくり進むことにする。
手元のGPS付き時計を見ると199㎞を走ったようで、誤差の大きさに少々落胆するが、ここから先は高い建物が少ないのであと13㎞を走る目安にはなるかなと思い直す、ロキソニンの効果もすっかり消えているので足がかなり痛むが走れないほどの痛みではない。

ゆっくり進んでいくと前から長身の男女が走ってきて応援してくれた。スポーツエイド主催大会のボランティアスタッフをされているEさんとRさんだった。二人とも素晴らしいウルトラランナーでEさんのほうは私の顔を一応覚えていてくれてサングラスを外して挨拶するとキットカットをくれて「あー、頑張ってるね~、最後まで歩かないで頑張って!」と言ってくれた。足は痛いが走れない程ではないので勿論できる限り走る。階段ときつい傾斜は無理しないで歩く。

後ろから大江戸コースのみを走っている大江戸コースでは2位のランナーに抜かれる、100㎞以上走ってきているはずなのに軽やかに走っていくのをみてペースアップし付いていこうとするがどんどん差は開いていく、頑張ってペースを上げていると信号待ちで前を走っていた二人のランナーに追いついた。二人とも顔面蒼白できつそう、一人の方は足を痛めたようで片足を引きずりながら歩いていた。すれ違う時に「絶対ゴール出来るから頑張ってくださいね!」と声をかけて先を行く。後ろから「ありがとうございます!」と返してくれた。

ルートの変更があった地点まで走り続けられたのでスマートフォンのマップを確認する。高架を潜って小仙波交差点を左折~松江町交差点を過ぎたらゴールはすぐそこにある。もうルートに不安は無いのでスマートフォンを仕舞ってゴールを目指した。街はもう朝の10時を過ぎているので人通りも多く歩道の人を避けながら、最後の力を振り絞る。

ゴール


完走証


◆ゴール後

いつもの角を曲がり、昨日から3回目の遊湯ランド駐車場にたどり着いた。ゴールではスタッフの方々が帰ってきたことを祝福してくれて記念撮影。Check Pointで撮影した写真をスタッフの一人に見せてカップラーメンを一杯頂いた。
先にゴールしていた大江戸コース2位の男性とスタッフの方は顔見知りのようで、スパルタスロンやらさくら道国際ネイチャーランのことなどを話している。

本当にスタッフ共々異次元の方々ばかりで私の経験などまだまだ浅いことを再確認しつつ話に加わらせてもらった。昨年はゴール後の補給を怠って、風呂に長く入り気を失ってしまったのでしっかりと食事をして、ゴール後に飲もうと思っていたOS-1を半分ほど飲みゆっくりとロッカーへ向かう。走っていた時とは違って左足の股関節部分に力が入らず強めの痛みを感じる。

2階の受付に向かう階段にエスカレーターが設置されていることに喜びを感じながら受付を済ませて風呂に入る。風呂場のロッカールームで新しい着替えと洗濯物になるものを袋に分けているとSさんが風呂からあがってきた。私より20分ほど前にゴールされたそうでまだ元気そう。お互いの健闘を称え次のレースで会うことを約束して風呂に向かった。

昨年はここで気を失ってしまったが、今年はそういう気配はない。油断はできないのでシャワーで身体を洗って足のマメを潰し水を抜く。SKINSA400のロングスリーブを着ていた効果で上半身に擦り傷のようなものは無い。左足の人差し指にできたマメが大きく少々出血もしていたため水風呂で足を冷やしたかったが湯船に浸かるのはやめて風呂から上がることにして着替えてゴールにいるスタッフにお礼を言い帰路に着いた。

帰り道は左足付け根が酷く痛み階段の段差を乗り越えられないほど、手でズボンを掴んで引っ張り上げながらなんとか階段を上って電車に乗った。川の道520㎞はこれの2.6倍。
このままぼんやりしていたら確実にDNFになってしまうことを再確認することになった。

来週のIZU TRAIL JOURNEYダメージを言い訳にせず頑張ろう。