第15回雁坂峠越え秩父往還143km ① | Born to Run

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人類は走るために進化してきたらしい。

昨年も出てエイドが素晴らしく、穏やかで走ること自体の楽しみを知ってる人たちが多いという印象の大会で、今年は24時間以内に完走したことのある証の黄色い永久ゼッケンをつけて参加した。

NO.362 が私が昨年苦労して獲得した永久ゼッケン。

来年以降もまたこのゼッケンをつけて参加することになる。

一昨年に580kmを走るレース中に飲酒運転の車による痛ましい交通事故が起こってしまったためその後のレースでは事前の安全管理も含めた説明会が義務付けられ、参加者には夜中の自分を目立たせるLEDライトも配られた。



参加者は250名程、皆様42.195km超を走るウルトラマラソンは勿論のことトレイルランの経験者ばかりで、速そうに見える。

mixiで知り合った方々にお会いしてお話を聞くと、川の道、萩往還、スパルタスロン、さくら道、・・・などとんでもないレースの完走者ばかり。そんな強者でも「バッドウォーター出たいんですよ~」というと、「えー、あれはちょっと・・・」と返された。

すごい人でもやっぱり相当きついのか・・・

まだまだ私のデスバレーへの道は見えないほど遠いようです。

◆スタート~雁坂峠

昨年の雁坂で知り合った方にも挨拶したり、マイミクのhisabonさん、ガッチャマンの仮装で有名などらごんさんともスタート前にあいさつを交わせた。UTMFでも一緒に走ったイッシーさんとスタート地点に並びスタートを待ってのんびりとスタート、イッシーさん昨日まで風邪をひいていて調子悪そうだったがずいぶん良くなったのか楽々走っている。キロ5分30秒~6分の間の少し早目のペースで朝の涼しいうちに少しでも進もうという作戦。



笛吹市に入るとすぐにマイミクのまみさんが応援ランしてくれて、しばらく一緒に走ってもらった。


朝早いのに応援はとってもありがたい。

20kmほど過ぎたあたりから徐々に上り坂が増えてイッシーさんとの距離が離れるようになり、トンネルを出た先の自販機で追い付いて「ちょっと私にはペースが速いから、マイペースで先に行ってください。」と伝えここから一人旅が開始される。


 一人旅とはいっても周りにはまだたくさんのランナーの姿が見え、昨年は歩きも入れた1CPまでの上り坂も全て走り、エイド手前の広瀬ダムのトイレを拝借してCP1へ、ここでは蕎麦と水を500ml補給させてもらって雁坂峠へと向かった。

 持っている水分の量は水500ml、ポカリ300mlくらい。上までは10kmも無いし十分持つだろうと考えていた。前の週に上野原トレイルレース出てきたので雁坂の登りはとても登りやすく感じる。でもなぜか足の動きが悪い…。足りると思っていた水分も底をついてきてくる、お腹もすいてザックからおにぎりを取り出し最後の水を飲みながら歩いた。しばらく行ったところに水量の少ない沢があったのでペットボトルに水を汲み一安心して残りの峠を登る。




つづら折りから木が少ない場所に出て遠くに富士山が見渡せる、もうすぐ頂上。

スタート直後の好天とは変わって一面に雲がかかり今日は富士山を拝むことはできず残念。

 頂上について記念撮影、CP2のある山小屋まで少し下ってスタッフの方々に暖かく迎えられる。入れ替わりでロード区間で先行してもらったイッシーさんがエイドから出て行くところで、なんだか顔色が青白く少し心配するが「何か食べていった方がいいよ」と助言しながらトレイルを下っていった。

チキンラーメン、炭酸飲料、スポーツドリンクなどを戴き、空になったペットボトルに雁坂峠の天然水を入れて下山開始。


◆雁坂峠~CP3

下山したらカレーが食えるというのをモチベーションにして楽しい下りの始まり、昨年は疲労骨折明けだったこともあり慎重にゆっくりと下った雁坂の下りだったが今年は下まで気持ちよく走ろうと思っていた。


 途中で写真を撮ったりしながら走っていると昨年雁坂でお会いして以来何度かレースで話しているイタキチさんが追い付いてきた。

速いですねーと道を譲り後に続きながら写真を撮ってカメラをしまったりしていると木の根っこで激しく足を捻り転倒。

右足に鋭い痛みが走りしばし立ち上がれないでいるとイタキチさんが心配して戻ってきて声かけてくれた。「大丈夫なので先行ってください~」と言ってゆっくり立ち上がりしばらく歩いて回復を待つ。

ここから足にダメージはもう御免だと思って注意して下ったつもりが、前回と違って今回は自分の足幅にあった4Eサイズの靴を履いてきたからなのか、普段のトレイルランでは滅多に足を捻らないのに何度も捻ってしまった。

何度目かに足を捻ってゆっくり走っていると後ろからまた一人ランナーが追い付いてくる。

私よりだいぶ年上に見えるけど身体は鍛え抜かれた筋肉質で体年齢30代といった感じの方。後ろから追い付いたランナーには必ず道を譲る事にしているので、「がんばりましょ~」と言いながら譲ると。「一緒に行こう!」と誘ってくださり、まだ足が痛いけど付いていくことにした。


 下りながら話しするともう62歳だというから驚いた。付いて行っている後ろ姿に自分の親ほどの年齢は全く感じられず力強く軽やかに駆け下る。

富士登山競争を若いころからずっと完走されてるそうで今年も勿論完走、ベストタイムは3時間30分切り!あのコースを60超えた方が時間内完走できるだけで超人的な身体能力だと思う。

走っているうちに痛みがだんだん癒えてきて、前を行く超人に余裕を持って付いて行けるようになってきた。時折立ち止まって写真を撮ったり何人かのランナーをパスしながら付いて行くこと数十分、下の道路を走る車の音が聞こえてきてもうすぐ下りが終わるのがわかる。

あとすこしでCP3だなぁと思っているとイッシーさんらしき服装のランナーの姿が前にちらちらと見えた。

一緒に出たトレイルレースで下りのスピードが私よりずっと速く、下りで絶対追い付くことはないはずなので、それらしき人が見えてきたが、これは似た服を着た違う人だろうと思いながら近づいた。

残念ながら体調を悪化させたイッシーさんが苦しそうにしている姿に追い付くことになってしまった。声をかけると青白い顔でもう次でリタイヤしようと思っていることを告げられた。

ここからまだ90km以上、ロードが続くとはいえ楽な道のりでないのはわかっている。「諦めずがんばってほしい」とは簡単に言えない状況だった。

「わかりました、次のエイドまで気をつけて下りましょう」と言って先行させてもらう。

 アスファルトのロード区間をしばらく走ると待望のカレーエイドに辿り着いた。

迷わず「大盛り」を注文して満を持してカレーを食べる…うまい!スポーツエイド代表の館山さんお手製のカレー、普段の食事ならもう一杯大盛り行きたいところだが先もあるし自重して具だくさんスープを戴き満足。

イッシーさんが具合悪そうに到着して待っていたスタッフさんにここでリタイヤすることを告げていた。

一緒にゴールしたかったので残念で仕方がないが顔色からも無理なことはわかっている。

「ここから頑張ります、お疲れさまでした!」握手を交わし残りを頑張る約束をして次に向かうことにした。

・・・②へ続く