【忠誠編】口にチャックしてもらうしかない●情報監視審査会の報告 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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6月11日に衆議院情報監視審査会は、政府による法律の運用が妥当かどうか審査した結果を年次報告書としてまとめ、額賀福志郎議長に提出した。

 

情報監視審査会は、行政における特定秘密の保護に関する制度の運用を常時監視するため特定秘密の指定・解除及び適性評価の実施状況について調査を行うとともに、委員会等が行った特定秘密の提出要求に行政機関の長が応じなかった場合に、その判断の適否等について審査を行う機関であり、年一回の報告が義務付けられている。

 

会長及び委員は以下の通り。

●会 長

岩 屋 毅 君 (自由民主党・無所属の会)

●委 員

伊 藤 達 也 君 (自由民主党・無所属の会)

田 村 憲 久 君 (自由民主党・無所属の会)

葉 梨 康 弘 君 (自由民主党・無所属の会)

伊 藤 俊 輔 君 (立憲民主党・無所属)

山 岸 一 生 君 (立憲民主党・無所属)

中 司    宏 君(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

大 口 善 德 君(公明党)

 

今年の大問題は自衛隊による情報漏洩問題だった。

 

「特定秘密」情報問題“自衛隊体質に疑念”衆院情報監視審査会 | NHK

この中では、海上自衛隊と陸上自衛隊で、国の安全に関わるとして高度な保全が求められる「特定秘密」の情報が取り扱う資格のない隊員に伝えられるなどの問題が相次いだことについて、特定秘密の保全に関する規範意識の欠如から生じたと指摘しています。

そのうえで、上級部隊への報告義務を怠るなど自衛隊の組織的体質に疑念を抱かざるをえないとして、法令順守の徹底を図るとともに実効性のある再発防止策を講じるよう求めています。

 

これまでの経過は以下の通り。

 

対象期間:令和5年6月1日~令和6年5月31日

審査会開会数:11回(手続的な事項のみを協議した回を含む)

 

■特定秘密保護制度全般

• 高市国務大臣から国会報告について説明聴取

• 内閣情報調査室及び独立公文書管理監から説明聴取及び質疑

■各行政機関における特定秘密の指定・解除及び適性評価の実施状況

• 指定行政機関のうち、実際に特定秘密を指定している13行政機関(※)から説明聴取及び質疑

■海上自衛隊及び陸上自衛隊における特定秘密漏えい事案

• 防衛省から説明聴取及び質疑

■令和4年「政府に対する意見」(審査会意見)への対応状況

• 関係行政機関から、令和4年審査会意見に基づき講じた措置等について説明聴取

 

※ 13行政機関

国家安全保障会議、内閣官房、内閣府、警察庁、総務省、法務省、出入国在留管理庁、公安調査庁、外務省、経済産業省、海上保安庁、防衛省、防衛装備庁

 

このうち、今回重要なのは、「3 海上自衛隊及び陸上自衛隊における特定秘密漏えい事案について」である。

 

この事案では、

自衛官5人が特定秘密保護法違反 1人を刑事告発へ

発表によると、陸自の2等陸佐は北部方面隊(北海道)の部隊指揮官をしていた23年7月16日、上富良野演習場で行われた訓練で指示をする際、特定秘密を扱う人を審査する適性評価を受けていない隊員15人に対し、有事での自衛隊活動に関する情報を漏らした疑いがある。

 

その後、話した内容が特定秘密に該当する可能性に気づいたが、部下が15人に口外しないよう指示したため、上級部隊に報告していなかった。2等陸佐は「隊員の意識を高揚させようと思った。深く考えていなかった」と説明しているという。

 

海自の1等海佐は護衛艦いなづまの艦長だった22年6月20日、適性評価を受けていない隊員を特定秘密を扱う職務に指名し、その後の23年1月10日までの約2カ月の任務で、艦内の戦闘指揮所(CIC)のモニターに表示された船舶の航跡情報を取り扱わせたという。30代の3等海佐と2等海尉も指名や定期検査の際に確認を怠り、次の艦長になった40代の2等海佐も確認しなかったという。

 

 

 

海上自衛隊及び陸上自衛隊における特定秘密漏えい事案に関する意見では、

 

1. 本漏えい事案発生後の対応において、漏えいの事実を部隊内に留め上級部隊への報告義務を怠るなど、自衛隊の組織的体質に疑念を抱かざるを得ない。組織文化に係る問題の有無を検証し、法令遵守の徹底が図られるよう適切な措置を講じること。

 

2. 事案の調査に当たっては、漏えい等に至る事実関係及び要因のほか、その背景についても徹底した調査を行い、厳正な事実認定に基づく適切な処分を実施するとともに、当該問題の本質に則した実効性ある再発防止策を講じること。

 

3. 本漏えい事案が、特定秘密の保全に係る規範意識の欠如に起因することを踏まえ、情報保全教育の内容を見直した上で、部隊指揮官等をはじめとする全自衛隊員に対する教育を徹底すること。また、随時、隊員の規範意識の状況を確認し、その結果を踏まえた具体的施策を講じること

 

4. 情報保全体制の再点検を行うとともに、特定秘密取扱資格の有無等をIDで管理・認証するなど、保護措置等に係る既定の手続きが確実に遵守されるシステムを直ちに構築し、運用を開始すること。

 

5. 漏えい等の重大事案発生のおそれを認知した場合には、明確に期限を設けて早急に調査を行うこと。

 

6. 本漏えい事案の他、類似の事案の有無について早急に調査し、審査会に報告すること。

 

ということになっているが、2006年2月に海上自衛隊の護衛艦「あさゆき」の秘密情報が、私有パソコンからファイル共有ソフトを介して流出した際には次のような再発防止策がとられていた。

 

8 情報流出防止のための取組

 

これまで対策としてよくなされてきたのは、サイバー攻撃などを受けて情報漏洩が起きる問題であるが、今回は口が軽い人が口頭で述べるという原始的な問題だった。

 

言いたくてしょうがない人が情報を漏らすというわけで、こういうことについては技術的な問題ではなく、ただ単に「情報を漏らすなよ」と言うしかないわけで、口にチャックする以外には方法はないのではないか。