●日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題)
昨日の憲法審査会は、すでに何度も論点は出尽くされている。内容は選挙困難事態での対処方法である。結論としては、これを憲法に書き込むべきということなのだが、立憲民主党と日本共産党がこれに賛同しない。
会の冒頭で自由民主党の中谷元幹事からこれまでの論点の整理が述べられたが、その最後に、国会議員が本会議に出席できない場合のオンライン国会を提唱していたことは評価できる。
その次に、反対派である立憲民主党の逢坂誠二幹事からは憲法53条の問題が提起された。すでに立憲は議員立法としてこの問題を解決するための法案を提出している。
第53条
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
これまで安倍内閣の時代に衆参いずれかの四分の一以上の議員が臨時国会を開けと要求したのだが、安倍内閣はこれに答えないことがあった。この要求に応えるのには期限がないために憲法の条文として無力である。これは憲法または国会法で期限を定めなければならないことだろう。だが、与党はその議員立法の審議には応じようとしていない。これに限らず、議員立法で提出された法案が、継続審議として回され続け、結局は四年を経ないうちに衆議院が解散してその多くの法案は廃案となるのがいつものパターンである。
国民より選ばれた国会議員が、民意を反映させた立法の仕事をするのは当然のことであって、選挙で選ばれていない行政機関から出された法案を審議することだけが国会議員の責務ではない。したがって議員立法の審議についても期限を設けるべきである。
そして、先の話に戻るが、憲法53条で定める臨時国会召集の要求を認めるのが行政府たる内閣であることもおかしくないだろうか。
国会は国権の最高機関であると言いながら、国会を開くのに内閣の了承がいるのである。
衆参両院の議長は、立法府の長と言っているが、これら議長は、採決のときに可否同数でない限りは投票権がない。
そして国会も開くことができない
という現状については、憲法にきちんと規定して改めるべきである。
つまり、我が国の立法府の長は、「君臨すれども立法せず」であり、その長の下にいる立法者たちは国権の最高機関たる国会にいながら「立法するのには行政府の許可が必要」ということである。なぜこれを長年にわたり見過ごすのだろう。